出張報告 その2

今回の出張は、会社を辞めるにあたっての引き継ぎ、その会社の拠点移動の準備、そして新しい勤め先への挨拶や調整と、目的が多岐にわたる。
そして、それら諸タスクが全て片付かない限り、帰宅することができない。

幸いなことに今の勤め先も、それから次の勤務先もこの事情に協力的で*1空いた時間にはアパート探しなどを勧めてくれる。2泊の予定が週末までの逗留となってしまったこともあり、自由時間に”生活を整える”ちょっとした時間が本当にありがたい。

 

 

助かる、といえばホテルもずいぶんと親切だ。
ダンス・ダンス・ダンス」の「いるかホテル」に「ギャング映画に出てくる『こんな場所だが我慢してくれ。とりあえず”組織”の目が届かない部屋だ』なホテル」を足して2で割った雰囲気の安くてシンプルでリーンで断捨離なホテルなのだが、延泊を申し出たところミニ・キッチンのある部屋も出入り自由とさせてくれた。
昔は結婚式も開かれたであろうホールや写真撮影室もある、そして今は完全にビジネスホテルであるこの宿、やたら広いし廊下の照明は不吉な明るさ(暗さ?)だが、細かいところで"痒いところに手が届く”感が素晴らしい。

 

ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)

ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)

 
ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫)

ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫)

 

 

ミニキッチンの部屋には電子レンジとIHコンロがある。
近所のスーパーマーケットで購入した食材で簡単な料理を作ることができる。

朝はパック詰めされたサラダ(1日の必要量の半分が摂れる、とのこと)を食べている。
昨日は小さなコンビーフを、今朝は小分けされた蒸し鶏を添えてみた。
野菜ジュースも1Lパックで買ったし、これだけ長逗留だとダノン・ヨーグルトも連結されたものを余らせずに済む。
パンは地元の「白十字」が安い。セール品なのに値引きシールが貼られて山となっているが、地元の人は買わないのだろうか。

 

地元パン手帖

地元パン手帖

 

 

上司や役員との会食もあるし、ウドンは安い。つい外食になってしまうのでチャンスがあればこうして野菜中心の食事を摂ることにしている。
郊外のアウトドア・ショップで携帯用の食器も買った。

誰もいないこの部屋(稀にシンポジウムか学会に参加しているインド人カップルがジャガイモを煮ている)には隣接して食堂がある。この食堂も、今は使われていない。
そんな寂しい場所で、とにかくヘルシーさを追求した味付けに乏しい食事をもりもりと食べていると、不思議な感慨が生じてしまう。「遠くに来たなあ」と、声に出してしまいそう。

普段、旅行でも出張でも、その土地の食べ物はいつだって「お楽しみ」だ。
でも今日は、夕方から自転車で街を散策しつつお店を見繕ったのだけれど、結局どこも入らずにまたスーパーマーケットで済ませてしまった。「けんちんうどん用の具材&汁」と「冷凍うどん(小)」という便利なセットと、イチジクとナシが今夜の夕食。なんとなくさみしくてサンマの天ぷら3分の1尾(はじめて食べた)も買った。
これから住む(であろう)土地では何を食べたら良いのだろうか。ちょっといつもの「旅のテンション」とは違うので戸惑っている。

食事はともかくとして、延々と自転車および自分の車で街を走り回ると、街のかたちが頭に出来上がってくる。目の見えない人が触感で世界をマッピングするように、ちょっとずつ土地勘の芽を育てている。
同じ道を何度も往復することもある。そういう時はうんざりする。
でもこういう体験は観光旅行ではできないし、普通の出張でも、それからたぶん移住した後もしばらくはできないだろう。
連続した会議や打ち合わせで精神が、それから上述の自転車探検で身体が疲労した。アパート探しも疲れる。しかし全体としては、のんびり快適に暮らしています。

 

ことりっぷ 香川 高松・小豆島 (旅行ガイド)

ことりっぷ 香川 高松・小豆島 (旅行ガイド)

 

 

それにしても静かなホテルだ。
インド人の団体客がいるはずなのだけれど、彼らも含め全ての客がひっそりと過ごしている。仲間内で喋るような人が誰もいない。TVや水の音さえ聞こえない。
暗くて静かで、そしてきっちりと清潔な古いホテル。なかなか珍しい体験をしている、と思う。

 

死国 [DVD]

死国 [DVD]

 

 

お題「行きたい場所」

お題「ちょっとした贅沢」

*1:資本関係こそ無いものの仕事で関わることが多いせいか、みんな仲が良い。特に社長同士が仲良し。だから自分の事情も大いに汲んでくれる。

出張報告 その1

仕事の引き継ぎと転居および転職のための出張、その1日目が終わろうとしている。
今から会食。その前のひとやすみ。

昨日は延々と高速道路を走ってきた。
Googleとカーナビが喧嘩をする。特に京都と大阪では事故渋滞などが発生していたので、迂回路を選ばねばならない。お互いが逆の道を示す。
カーナビのほうが、直感に沿っているような気がする。
GoogleMapsはなんとなく「その方向でいいのかい?」と疑わしい。
しかし新しい道を知っているのはGoogleで、ビッグデータや匿名の情報に詳しいのもGoogleなので、どちらかを選べといえばGoogleMapsの”託宣”に従う。
Googleはいずれ「より自然な、気持ちの良い選択を示しつつ、全体の効率を最大化するナビ」を実現するのではないか。

高効率であっても四国は遠い。
四国は狭いが淡路島は妙に大きい。直感としての”島”感からは外れている。
予想よりも疲れてはいないが、しかし昼過ぎに出て到着したのが夕食時。面白くも緊張した6時間と少しのドライブだった。

 

 

今日は打ち合わせと顔合わせ、空いた時間にアパート探し。
高松市は、区画整理完了地域とそうでない地域の差が大きい。賃貸物件の築年数、車での移動のし易さに大きな違いがある。なにより家賃が違う。全体的にとても安いが、なにしろ土地勘が無いから困る。今から転職先の人達と晩ごはんを食べるので、意見を聞くことにする。

 

そんな感じの1日目。金曜日まで滞在予定。
おすすめのごはん屋さん(もちろん饂飩屋さんも!)があったら教えてください。
最寄り駅は片原町駅。自転車も持ってきているので”商店街エリア”ならば明日以降に行きます、たぶん。

 

 

お題「今日の出来事」

しゅっぱつ!

今ようやく荷造りが終わった。

今回の出張は車を使う。なんと四国まで、延々と高速道路を走るのだ。6時間はかからない予定。が、休憩は十分にとりたい。

荷物は仕事のものが多い。
車だから荷が多いことは気にならない。しかし準備は大変だった。

仕事での移動だから途中下車(?)がしづらい。
上司は「疲れちゃったら高速道路降りて、ちょっとお茶でも観光でもすればいいよ」とは言うのだが、なにしろ京都県以西は車で訪れたことがないのだ。まるで土地勘もなく、下調べもしていない。淡路島かどこかで一休みしたいところ。

 

昼食を食べた。
歯も磨いた。
それでは出発します。ご安全に!

高校の同窓会

午前中は友人と美術館に。
夕方からは高校の同窓会へと出かけた。とても慌ただしい。

 

明日の出張が気がかりだが(まるで準備ができていない)ともあれ楽しい同窓会だった。

楽しい立食パーティーによくある、料理にほとんど手を付けずに後でお腹が空くパターンに陥っている。もう少し食べておけば良かった。

しかし高校時代からずいぶん経ったが、みんな変わらずとても嬉しい。いや、自分も含めてずいぶんと姿形は変わったのだけれど、みんな服やお喋りの内容が完全に“その人らしい”のだった。なるほど君ならそうなるよねー、という“らしさ”に溢れている。いきおい、あの会場内では高校生に戻ったような、でもきちんと大人の分別ある、ちょっと他では見られない楽しさが続いていた。

次は10年後か。
自分の場合はあとしばらくしたら他県に移るという事情もあるので、なんとも途方も無い話に思えてくる。

ああ楽しかった。
あの頃に戻りたい、とは特に思わない*1。しかしあの人達とおなじ学年、同じクラスで本当に良かった。

 

では寝ます。
明日は出張。車で四国に行く。いま仕事の内容を精査するに、「別に車じゃなくても良いんじゃないかな」と思えてくるのだが、ともあれがんばります。おやすみなさい。

 

同窓会 DVD-BOX

同窓会 DVD-BOX

 
パラレル同窓会 (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉)

パラレル同窓会 (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉)

 

 

*1:何らかの超常現象で高校生に戻れたならば、もちろん何かしらの努力はする。失敗を挽回し、自分史をより良い方向に書き換えたい。生きていれば後悔も反省も多い。でもそれはまた別の話だ。

友人と再会し食事をする

昼前に買い物。これは出張の支度。
それから帰省した友人と合流し、お昼ごはんを食べる。

写真はBikiniのラムレーズンサンド。
ショーケースを眺めていて、ふと食べたくなって購入。
とてもとても美味しい。これは、良いラムレーズンサンド。

goo.gl

 

いくつかお店に立ち寄った後、一時帰宅して、夜にまた会う。
別の友人と3人で食事をしてきた。
これは自分の“送別会”でもある。なるほどそんな状況なのだな、と1人になってからふと感慨に浸る。
今は涼しい季節だが、寒くなった頃には知らない土地に住んでいるのだ。なかなかに人生というのは不思議なものだ。

では寝ます。
明日は夕方から同窓会がある、にもかかわらず友人と遊ぶのだ。
出張(明後日)の支度はいつすればいいのだろう。
考えてもわからないので、おやすみなさい。

 

本を売った(古本屋には行かずに)。

Amazonの古本買取サービスで本を売ってみた。

初回ということで、本人確認の手間が面倒だった。書留っぽい郵便物を受け取る必要があった。

それから梱包。
段ボール箱が指定された受取日までに届く。
そして、受取日には宅配業者さんが取りに来てくれる。伝票などを書く必要は一切無い。
それはとても有難いのだけれど、急な予定変更などがあると、こういう簡単な作業でさえ負担になる。自分の場合は、大きなトートバッグ3つに売りたい本を放り込んでいたから、ただ移すだけだったけれど、それでも夜中に「箱を組み立てて、本を入れて(ちょっと考えたり目を通してみたり)最後に封をする」という作業をが発生して、なかなかに面倒だった。十分に余裕を見たスケジュールを組めば問題無いのかもしれないけれど、そうなると部屋に箱が並ぶことになる。

 

蒐める人―情熱と執着のゆくえ

蒐める人―情熱と執着のゆくえ

 

 

査定は2日で済んだ。
配送日を考えると実質1日だろう。

価格は「ブックオフで処分するより3割ほど高い」と思う。
何かしらのキャンペーンで1割の査定額UPがあったにせよ、まあまあ満足できる値段だった。1万円と少しの臨時収入。
ただし、査定額が1円の本が目立つ。
お気に入りの本を思い切って処分したので仕方がないのかもしれないが(気に入った本の多くは当然ながら古い)、そういう思い入れを別にしても残念な値付けだった。
しかし1円の本だけ取り戻すのも面倒なので、そして片付けが主目的だったこともあり、全部売り払うことにした。

ちなみにAmazonのギフトカード(ポイント?)で支払われる。
だから使い途はAmazonの買い物だけ。電子書籍Amazonに統一しているから、ポイントが余ることはないだろう。

 

新版 谷根千ちいさなお店散歩

新版 谷根千ちいさなお店散歩

 

 

2回目からは本人確認が不要だから、Webサイトで申し込んで、箱が届いて、別の日に渡すだけと、ひと手間減ることになる。
それでもまた使うかどうかはわからない。

お金が目的というより整理整頓のために本を売るので、手っ取り早さでいえばブックオフ、後で買い戻すことを考えると街の古本屋なのだ。
車が当たり前の土地だから、沢山の本を運ぶことが負担にはならない。
片付けたら即、売り払いたい。ならば国道沿いのブックオフが早い。整理した本が部屋の隅に仮置きされているのは、なんだか落ち着かないのだ。

 

 

 

さて寝ます。
明日から色々忙しい。どう忙しいのかは、たぶん日記に書くからわかるでしょう。

 

良い方向について

転職と転居について、ネガティブな事ばかり書いている気がする。
「今の仕事を続けられない理由」なら山ほど挙げられる。
だからこそ今の勤め先で何度も慰留されても断ってきたのだけれど、しかし辞めた後に遠く離れた四国に移り住むこと自体は、前向きな理由もきちんとあるのだ。

まず四国という土地に興味がある。
「瀬戸内国際芸術祭」を堪能して、島も山も海も大好きになった。
雪に閉ざされるような土地ではないから、気候が静岡と違うといってもそれほど不便は無いだろう。

「瀬戸内国際芸術祭」が来年に控えている点も、実は転居の理由(前向きカテゴリ)のひとつだ。3年に1度のイベントに住処まで賭けるなんて馬鹿馬鹿しいし、そこまでのめり込んでいる訳でもないのだけれど、四国の会社から声をかけられた時にまず考えたのがこのイベントであることも嘘ではない。

まだ行っていない土地も山ほどある。
高知も愛媛も探検してみたい。近畿より西の県にも行きやすいだろう。
四国から出るには橋を渡る必要があるのが難点だけれど、静岡中部から県外に出るのだって1時間はかかるのだ。

 

友人知人と距離ができるのは正直寂しい。
とはいえ、「定期的につるんで遊ぶ」タイプの友人はほとんどいない。誰か特定の人と組んで遊ぶ趣味も無い。だからなんとかなる。

 

駄目なら辞めて戻ればいい、という覚悟ができたことも、一種前向きな理由といえるかもしれない。
1年前ならそういう気分にはなれなかった。
とにかくもう転職は嫌で、もちろん失業者でいるのも嫌で、待遇とかキャリアデザインなんて考えずに小さな会社に飛びこんだ。何があってもここで頑張る、自分の居場所を自分で作る、くらいの覚悟はしていた。
その頑張りが妙な具合に働いたのか、あるいは単に相性が良かったのか、小さくて新しい会社そのものは失敗続きだったけれど、自分はそれなりの評価を得ることができた。人生初の“ほぼホワイトカラー”職種で、ここまで他人から褒められるなんて予想外。特に取引先の人達から「うちに来ないか?」と言われると嬉しい*1
工場では「統計やレポート書きができる製造担当者」で、企業の研究所では「デザイン能力がある実験作業者」と、珍しい能力を持った傍流便利屋だったので、仲間からは褒めてもらえてもストレートに仕事全体を評価されたことはあまり無かったのだ。

ともあれ今は(その誘われている業界がバブルじみた景気であることを差し引いても)それなりに腹が据わっている。要は「たとえ次の仕事が合わなくて転職しても、なんとかなるだろう」と考えられる。
実際がどうかは別として、根拠が無くとも自信があれば大丈夫。

 

独り暮らしも楽しみ。
いつのまにか世の中の色々が便利になっていて、過去の独り暮らし期間よりも快適に過ごせる自信がある。

 

直島誕生――過疎化する島で目撃した「現代アートの挑戦」全記録

直島誕生――過疎化する島で目撃した「現代アートの挑戦」全記録

 

 

 

今の仕事そのものに未練は無い。というか、さっさと引き継ぎを終えて辞めてしまいたい。引き継ぎを済ませないで突発的に辞めようかと思う時すらある。
でもその先の新生活は、不安4割で楽観が6割といったところ。
なんとなくAmazonなど眺めながら「四国生活で必要なもの」を物色する毎日である。まだ買わないが、物欲だけがむくむくと拡がっていく。

 

 

ひっこしました (祥伝社黄金文庫)

ひっこしました (祥伝社黄金文庫)

 

 

 

 

 

*1:沖縄の人から誘われた時は、かなり心が動いた。どうせ住むなら南の島がいい。

サルに遭遇

昼休みに散歩ができる季節になって、とても嬉しい。
歩くのは20分と少し。でも、普段まるで歩いていない人間なので、5分も歩くと「足に負担がかかっている」感覚がある。少しだけ疲労感があるのだ。

でもこの極端な運動不足に関しては、3日も散歩を続ければ解消する。筋力だけの問題ではない、歩くことそのものに身体が慣れていないのだと思う。

用事があって街を歩く、あるいは買い物でも散歩以上の距離は歩くのだが、その時はこの「負担感」は無い。ただ歩くだけの時間だからこそ感じる足の衰え。

 

ところでその散歩で、ニホンザルに遭遇した。
遠くにいて、たぶん向こうもこちらに気づいていた。

散歩コースの途中には役所の支所がある。昼休みのついでに手続き書類を出す予定だったので、さらについでに「サルがいました」と教えておいた*1。サルについては農作物よりも、子供や老人が襲われることのほうが迷惑だと説明してくれた。

帰宅してニュースを見ていたら、県内の別の田舎でサルが人を襲った“事件”が報道されていた。最初は自分の歩いていた土地の出来事かと勘違いしたけれど、かなり遠い土地。とはいえ、自分だって距離やその他の状況であのサルに襲われていたかもしれない。
猫より少し大きいサイズで、両手が使える野生の動物。本気で向かってきたらたぶん負けるだろう。追い払うことは可能だろうが、その時に無傷ではいられない。

でもたぶん、明日も歩く。晴れていたら、の話だけれども、散歩はやはり楽しい。彼岸花がびっしり咲いている川辺の道がお気に入りです。

 

知性は死なない 平成の鬱をこえて

知性は死なない 平成の鬱をこえて

 
日本人はなぜ存在するか (集英社文庫 よ 31-1)

日本人はなぜ存在するか (集英社文庫 よ 31-1)

 

 

お題「今日の出来事」

 

*1:携帯電話で撮った画像を見せた。こういう時には説明が省けて便利だ。

半分、青くて、怒鳴られて笑って。

朝の出勤前に連続テレビ小説半分、青い。」をちらりと見ることがある。家族が習慣として見ているので。

このドラマ、様々なエピソードと突飛な出来事が「戦力の逐次投入」されていて、全体としてとり散らかった印象がある。毎日、きちんと見ていれば面白いのだろうか。今のタイミングで取り入れると「遅れている」感が際立つ“最新のネタ”をどんどん使うのも、NHKらしさかもしれない。

「先が見えないドラマ」ではなくて「終わりが見えないドラマ」である、と職場の人達が評していた。

僕としては、紅白歌合戦で繰り広げられるであろうみっともない小芝居を想像して朝から嫌な気持ちになっている。

 

新装版 限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

新装版 限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

 

 

 

 

ところで今日は朝から仕事でとてもとても嫌な目に遭った。
例の社長の親族氏(同僚)に「辞める人間になんて任せられない!」と怒鳴られたのだ。彼には退職の意を伝えた後から「無責任な裏切り者」と見做されるようになった。実際に「取引先の人達のことを考えたら辞めるなんて普通はできない」とも言われた。職業選択の自由とか、勤め人の負える責任とか、それから取引先へまるで貢献できていないこの会社の成果についてはとりあえず置くとしても、これはまあ気分の良いものではない。というか30代も半ばになってこういう「お気持ち」を言葉にできるあたり、ちょっと怖くもある。

怒鳴られた「任せられない!」対象であるお仕事についても書いておこう。えーと、カードや証書の類を郵便局に持っていって、書留で送る作業です。
そんなもの、新入社員でもできるので、それよりは上司とのTV会議に出席して欲しいと伝えたのだが。

怒鳴って職場を飛び出して、数時間かけて外出して、結局は「普通郵便で送った」と後で言っていたので、なんだかとっても脱力してしまったのでした。「でも安いからあえてそうした」って、この人は書留について何もわかっていない*1

こういう理不尽に遭うことも、仕事を辞める理由のひとつ。

というわけで社長氏に提案して*2この問題社員・社長の親族氏は「早急に実家に帰ってもらって、しばらく落ち着かせて、できることなら自分達が退職するまでは接触をできるだけ減らす」ことにしてもらった。今後、今の勤め先に残るとしても、仕事の内容はがらりと変わるのだ。

たぶんお互いにそのほうが良いだろう。少なくとも仕事はスムーズに回るし、大切な通帳が普通郵便で送られることも回避できる。

 

 

自分はともかく、こういう場に居合わせた年若き仕事仲間達は不幸である。
彼ら彼女らも「辞める人間」なのだ。そりゃあ傷つく。

というわけで時間がちょっと空いた時には、同僚さんの1人が提供する「娘さんの超かわいい動画」を皆で眺めて心を癒やしたのだった。ちびっ子が「人生初のソフトクリーム」を食べた直後の顔、とてもかわいい。かつて「かわいいは正義」と誰かが言っていたが、今日に限っては「かわいいは薬」だった。

 

 

こうしてイギリスから熊がいなくなりました

こうしてイギリスから熊がいなくなりました

 

 

 

*1:社長の親族なのでクビにならず、性格的にも自己評価がやたらと高く、なにより「勉強」に価値を見出さない。つまり無敵の人なのです。

*2:「何かあったらいつでも電話せよ」と“社長の親族氏問題ホットライン”が整備されているのです。ところで僕はこういう状況で、言葉を選んで“提案”というかたちの「お願い」をすることがわりと得意。感情的に訴えるのは切り札として温存する方針。

t_ka:diaryは、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。