黒い森のケーキと、カメラの手作りカバー。

黒い森のケーキ 

https://www.instagram.com/p/BZ794FNHqsD/

ブラックチェリーとチョコレートの美味しいケーキを、「Atelier Petit Calin」で食べてきた。名前を「黒い森のケーキ」という。
1ヶ月ぶりの訪問。コーヒーとよく合う、美味しいケーキだった。

 

Atelier Petit*Calin

ShopOpen:毎週金・土・日(AM11:00~PM5:00)
Address:静岡市葵区大岩4丁目29-29
TEL&FAX:054-209-2050

 

 

天気は良く、適度に涼しく、自転車を乗り回すのに最適な休日。しかし風に湿り気があって、落ち着いて走っていられない。具体的に言うと、庭に干した洗濯物と革細工が心配で、つい空を見上げてしまうのだった。

 

 

カメラの手作りカバー 

 

先日、革の端切れをまとめて購入した。
破格にも程がある、という価格のものをネット通販で見つけたのだ。人気のお店と品らしく、在庫切れの時が多い。
楽天では在庫が入ると連絡が来るよう設定できるため、今回は数日待つだけで、買うことができた。とりあえず3袋も購入してしまったが、1袋あれば小物を作る、あるいは練習をするのに十分過ぎる量だ。Amazonでも楽天でも同じもの(たぶん)が売られている。
内容としては、それなりに大きな革も入っていて、「あたり」だと思う。

いわゆる未染色のヌメ革、基本の材料。
せっかくなので、この細々した革の切れ端を使って、色んなものを作ろうと思う。
しかし部屋を見渡しても、革で作って便利またはQOLの向上が見込めるものなど、ほとんど無い。スマホケースは作ってしまったし、かばんは手間がかかる。ふとピルケース(旅行用)が目に入ったが、ああいう樹脂製の容器は、特にカバーなどを必要としないのだった。しかも見栄えを整えても誰が見るわけでもない。

とりあえず、車のキー(キーレスエントリーシステムの端末)はカバーを作るつもり。どうしても傷だらけになるので。

 

 

革といえば、先ほど思いついて、コンパクトカメラの底に革を取り付けてみた。
以前から底面の傷が気になっていて、でもすっぽり全体を包む純正のカバーは嫌で、底だけを保護するものを探していたのだ。
以前、簡易版を作って具合が良かったため、今回は着脱が簡単で、より頑強なものを制作した。
分厚い革を切って開口し、削って磨いて出来上がり。みつばちの蝋でコーティング。
なにしろ革とカメラである。
凝ればそれだけオッサン臭さが増すというもの。既に嫌な感じが漂うが、ともあれ実用性は高い。
傷防止という最初の目論見に加え、持った時の安定も良くなった。たぶん数日使えば、カメラ本体に馴染むだろう。

僕の場合、本当は手作りではなくて、市販のものが欲しい。でも、まずこの部品の名前がわからないし(クラシックなカメラで、こういうアクセサリーを付けているのを見たことはある)、そもそもこのカメラでアクセサリーをあれこれして楽しむ人はまずいないので、作るしか無いのだ。

今日、友人に会った時に、ちょっと褒めてもらえた。そして、同じ構造でオリンパスPen用のものを依頼されてしまった。作るのは簡単だが、もう少しキレイめなものを作るつもり。

 

 

 

国立新美術館「安藤忠雄展 挑戦」

昨日の安藤忠雄展について書く。

僕が「かっこいい近代建築、特に美術館や博物館」へ今のような興味を持ったのは、2016年の瀬戸内国際芸術祭だった。
瀬戸内海の直島に滞在し、訪れた美術館が本当に素晴らしかったのだ。
地中美術館、また行きたい。
李禹煥美術館をパスした事は、今だって後悔している。

名前は知っていたし、気付けば大したものだと思っていた程度の安藤忠雄という名前をきちんと意識して、例えば旅の目的にしたり、下調べをして訪れるようになったのは、あの芸術祭がきっかけだった。

興味は他の建築家にも広がり、秋には豊島美術館も訪れることができた。本当に感謝しかない。

 

直島 瀬戸内アートの楽園 (とんぼの本)

直島 瀬戸内アートの楽園 (とんぼの本)

 

 

その安藤忠雄氏の展覧会が開催中という情報は、東京に行くと決まった時に知った。新美術館が、ちょうど立ち寄れる位置だったこともあり、加えてあの素敵に広い建物が東京散策の良い休憩地点となるという目論見もあり、午後の時間を過ごすことに決めたのだった。

 

 

素晴らしい展覧会だった。
展示の多くは、建築模型と図面と写真。それはまあ、当然といえる。解説が丁寧で、ゆっくり読んでいるときりがないほどの分量。

それだけでも楽しかった。
建築模型だから簡素なものばかり。しかし雑誌や本で図や写真を眺めているのとはまるで違う発見がある。

1棟、大阪の有名な教会が外に再現されていた。
現地に行けば誰でも見学できる建物だから有り難みは薄いが、それでも光の加減などが素敵。

残念だったことがふたつ。
まず最初に、課外授業だろうか、高校生が数十人訪れていて、彼らの態度が最悪だったのだ。まず建築の展示ということを理解していないため、まるで現代アートの立体作品(ステンレスのわけのわからないオブジェ)を眺めるように、建築模型を評価する。それなのに、模型の乗った台に手を乗せていたりと、つまり美術館の基本がわかっていない。
こういう催しに連れてくる時は、学校で事前に基本的な知識くらいは教えておいたほうが、みんなが幸せになれると思う。静かにしろ、と客からも教師からも学芸員からも怒られていたが、興味も知識も無ければ、マナーだって上手く守れない。
もうひとつの件もまた、マナーである。
ひとつの大きな部屋がまるごと展示、という場所があった。誰もが入って、写真撮影も可能という特別な部屋(ウッドチップの山で直島が再現されていた)。
そこで、建築デザインの専門学校の臨時同窓会が開催されていたのだ。講師2人と卒業生3人と学生3人が、近況報告から噂話まで、ひたすら立ち話をしている。こう言ってはなんだけれど、邪魔である。プロとその卵だろうに、と思っていたら、最後は学芸員に退出させられていた。

そういえば、びっくりした素敵な出来事があったのだった。
展示を見ながら順路を進んでいたら、大きな空間に人が集まりだした。なるほど映像展示かな、関係者のレクチャーでもあるのかな、と思って(足が疲れていたこともあり)僕も椅子に座ることに。
ぼんやり待っていたら、安藤忠雄氏その御本人が登壇したのだった。

短い講演だったけれど、実に楽しい時間だった。
質疑応答も本職の建築デザイナーから「かっこいい建物探訪趣味の人」まで、他の人が聞いてもためになる事ばかり。

思わず図録を買ってしまった。
分厚いハードカバーで2000円以下、書籍としてもお買い得だと思うけれど、でも図録は買わない派なのだ、普段の僕は。
図録には何種類かの安藤氏が描いたイラストが付属していて、僕は当然、地中美術館の挟まったものを選ぶ。
これまた上手い具合に、買った直後にサイン会が始まり、僕もサインを書いてもらった。「直島、行ったの?」「はい、大好きな場所です」「それはなにより」程度の短い会話もできた。

 

連戦連敗

連戦連敗

 

 

 

 

 

思いがけず良い出来事もあったので、ついつい長居をしてしまった国立新美術館。アジアの現代アート展みたいなものも、さらっと流しただけだが面白かった。

この美術館、入場料(基本的にそれぞれの展覧会や企画ごとに払う)が不要の公共スペースがとても広い。ミュージアムショップも、小さなものが1階に、そしてやたらと充実したものが地下にある。
簡単なコーヒースタンドからカフェ、レストランも揃っているし、書庫も充実。あちこちにベンチもあるから、何時間だっていられる。

今回ははじめて、用が無ければ行かないような最上階の隅まで探索した。いかにも都会的な、贅沢空間。

昨日書いた「ウエスト」の支店が徒歩数分のところにあるのも素晴らしい。今のところ地下鉄以外のルートを知らないが(乃木坂駅)、それ以外は便利極まりない。「上京したらとりあえず寄る場所」のひとつになりつつある。

 

安藤忠雄の美術館・博物館

安藤忠雄の美術館・博物館

 
CasaBRUTUS特別編集 安藤忠雄の美術館・博物館へ (マガジンハウスムック)

CasaBRUTUS特別編集 安藤忠雄の美術館・博物館へ (マガジンハウスムック)

 

 

さて今日は、ちょっとだけ風邪気味、なんだかぼんやりして、銀行でお金を引き出した際にカードを忘れてきてしまった(連絡有り。来週、取りに行く)。
それから食欲というか、おやつ欲が減退している。午後3時に、コーヒーを飲んでも、何も食べたくないのだ。昨日の暴食が祟ったのだろう。そういう日もある。

 

イングランド・イングランド (海外文学セレクション)

イングランド・イングランド (海外文学セレクション)

 
文士厨房に入る

文士厨房に入る

 

 

東京ぐるぐるぱくぱく暴食日和

 お題「今日の出来事」

 

所用で東京都まで行ってきた。
昼前には用事が済んだため、そのまま遊んできた。

スーツで歩き回るのも疲れるから、そして朝が早くてものすごーく眠かったから、カプセルホテルの「仮眠プラン90分:600円」というものを使ってみた。人生初カプセルホテル。といっても、部屋が空いていたので、洗面スペースの無いビジネスホテルみたいな部屋を使わせてくれた。ここで着替えて、少し寝て、すっきりしてから(そして荷物は駅のコインロッカーに収めてから)都会を周遊。なんというか、世の中はずいぶん便利になったものだ。

 

 

とりあえず吉祥寺に行く。いくつか行っておきたいお店があったので。パン屋とか手芸材料店とか。


買い物ついでに公園を歩く。涼しくて、地面は湿っているのに空気はからっとしていて、井の頭公園は散歩にぴったりのコンディション。

https://www.instagram.com/p/BZ2hxennqTM/

お昼は公園に隣接したエスニックレストランでチキンライスを食べた。

 


おやつは、公園の端にある喫茶店というのかカフェというのか、「トムネコゴ」でコーヒーとマロンタルトを。


このトムネコゴ、何人かの友人知人に勧められていた。確かに素晴らしい。とにかく静かに時間を過ごすことに特化したようなところがあって、でも全然堅苦しくなくて、コーヒーは苦くて香り高く、タルトだって素敵な味だった。古いアパートを改造したようなカフェならどこにでもあるけれど、趣味の良さ、特に落ち着いてコーヒーの時間を楽しむことにかけては、東京でも随一のお店だと思う。

 

 

吉祥寺と言えば小さな動物園、「井の頭自然文化園」も良いところ。
リスがずいぶん人に慣れた印象。意気込んで檻と動物を見に行くというより、のんびり気の向くままに散歩の延長で過ごすのが、おすすめの過ごし方。今日のような穏やかな日は、動物達も気持ちよさそう。

 

 

フェネック3兄弟と井の頭便り (MARBLE BOOKS)

フェネック3兄弟と井の頭便り (MARBLE BOOKS)

 

 

 

 

 

せっかくだから美術館(?)、ということで「国立新美術館」へ行く。午前中の用事のせいで、街を歩く元気は無かった。
安藤忠雄展、堪能した。サインだって貰った。
これは明日、まとめて書く。

 

安藤忠雄 仕事をつくる―私の履歴書

安藤忠雄 仕事をつくる―私の履歴書

 
歩きながら考えよう (100年インタビュー)

歩きながら考えよう (100年インタビュー)

 

 

 

新美術館では、ずいぶん長い時間を過ごした。とにかく居心地の良い建物なのだ。

 

 その後、連絡をくれた古い友人と合流する。学生時代に知り合って、たまに会って、今でもお茶を飲む間柄。そして彼女の姪っ子さんもいつの間にか(ネット越しの)知り合いになっていた。

 

美術館から徒歩数分のところにある「ウエスト」でお茶を飲む。ここは銀座の名店「ウエスト」の支店で、やはり落ち着いていて、サービスがちょうどよくて、品が良い。銀座ほどクラシカルではなく、いかにも青山や赤坂っぽい華やかでリッチな感じがするけれど、でも過ごしやすいという面白いバランス。


東京の小綺麗な街にいる女性達、どうしてみんな「昨日、美容院で整えたばかり」みたいな髪なのか。もしかして数日おきに美容院に行っているのかもしれない。サスーンクオリティかもしれない。

 

お茶のあとは、青山墓地周辺を歩き回ってきた。小さな美術館やアンティークショップにも立ち寄る。ずいぶんと都会っぽいところを歩いた気がする。静岡県の平均的な飼い猫と同じくらいに綺麗な野良猫に遭遇した。

 

品川で、ばんごはん。
品川近辺で、さっと食べることができて(帰りの時間もあるので)最近の若者的なお店、というリクエストをしたところ、「ラーメン二郎 品川店」に案内された。
いわゆる、脂と炭水化物と塩分が過多なラーメン屋さん。僕は「小サイズ(肉は少し多い)」を、「にんにく抜き、脂少なめ」で注文。それでも最後は苦しくなった。野菜は増やしてもらっても良かったかもしれない。
友人も同じサイズを食べきっていた(にんにく普通)。友人の姪はそれより大きいものを「野菜多め」にして、にこにこして完食。
なるほど若い。僕と友人があーとかうーとか唸っているのに、「二郎は餃子が無いから物足りぬ」と言っていた。

それでも甘党男子および女子である我々は、ヘルシーなジェラートを別腹に収めて(品川駅には何だってあるのだ)それからお別れしたのだった。

ちなみにラーメン二郎は人生初。なるほどこういうものなのか、となんだか面白くなってしまった。野菜やにんにくを増やしてもらう注文(無料)は「やさいタワー」と言えばいいらしい。本当に山盛りになるのだから楽しい。個人的には、やさいタワーには緑黄色野菜を足してもらいたい。

 

静岡に帰ってきた、今だってまだ、お腹が苦しい。
でも寝ます。起きていても苦しいだけなので。
朝起きたら、1頭の牛になっているかもしれない。まあ、仕方がないだろう。東京には美味しいものが沢山ありすぎる。欲望都市だ。

 

東京静脈 [DVD]

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東京無国籍少女

東京無国籍少女

 

 

 

 

 あ、カズオ・イシグロ氏がノーベル文学賞。めでたい。
大昔、「わたしを放さないで」でガツンとやられて、それからファンになった。この文庫本、表紙デザインが素晴らしいと思う。

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

 

 

コーヒー、スコーン、文庫本と薄い図鑑。

本日もまた、スターバックス・コーヒーに立ち寄った。
今日はチョコレート・スコーンとコーヒーを注文。

https://www.instagram.com/p/BZ0RfyrnOO0/

スコーンには酸味のあるドライフルーツのチップが乗っていて、なかなか美味しい。
温めてもらったところ、フォークで食べるのに丁度良い柔らかさとまとまりが生じた。スコーンは店によって固さがまちまちで、ぼろぼろして食べづらいものも多いから、これは有難い。

コーヒーはどういうわけか、ものすごく苦かった。
薬的な苦みというのか。お店で飲むコーヒー、しかもチェーン店のものとしては、ずいぶんと個性的な味わいだったと思う。何かの間違いかもしれない、と思いつつ全部飲んでしまった。

 

 

帰宅前に書店に立ち寄る。
今日はハーブの図鑑を買った。
以前、同じシリーズの「スパイス手帖」を購入して、なかなか良かったので、今回も買ってみたのだ。
ほぼフルカラー、1ページあるいは2ページを使って各種ハーブが紹介されている。食べ方や簡単な育て方も載っているし、日本で暮らしていて手に入る(そして日常生活で活用できる)ハーブは網羅されているから、なかなか便利。
写真が多くて薄く軽く、どの場所で終えても問題無い、という「寝る時に読む本」として最適な書籍だ。
しかも安い。600円と少し。カラー写真付きの食材図鑑としては破格ではないか。

 

以前はコンビニ専売だった気がするが、今日は書店で見つけた。
最近、寝る時に読むのは電子書籍Kindle paperwhiteを使用)ばかりだが、モノクロ画面だと小説ばかりになってしまう。小説は睡眠時間を削るし、やはり電子ペーパーといえど紙ほど雑には扱えない(寝ている間にベッドから落としそう)。というわけで、とりあえずベッドサイドに置いて、ぼんやり読む軽い本として、こういう薄い写真図鑑は有難い。

 

 

  

    

 

 

小説といえば、新刊コーナーに「牡丹色のウエストポーチ」という文庫本が並んでいた。赤川次郎氏の小説はほとんど読んだことがないが、なかなかケッタイなタイトルだと思う。

きっと長期刊行のシリーズ物なのだろう。しかしウエストポーチという単語そのものを、久しぶりに目にした。

 

 

お題「コーヒー」

スマートフォンのカバー #自作 #革 #レザークラフト #HUAWEI

先月、スマートフォンを買い換えた。
HUAWEIの「Mate9」という機種。機能性能に不満は無く、日々その便利さを実感している。
しかしデザインは、その前に使っていた同じくHUAWEIの「Ascend Mate7」と、ほとんど変わらない。特に画面側は、同じシルバーということもあってまるで代わり映えがしないのだった。

Mate9は外国製スマホらしく充電器やガラス保護フィルムそれにプラスチック・カバーまで全部付いてきて、特にカバーは純正品らしいシンプルさで過不足は無いが、しかし前述の通り見た目がつまらないので、今回はカバーを自作してみることにした。

 

 

どこかで見た、革を一体成形した、継ぎ目も縫い目もないカバーを作ってみる。
今回も基本的に、「ネットで調べず、作り方から自己流」で頑張る。

 

まずは型を作る。
最初は少し大きめの雄型。これは建材用のポリスチレンフォームを活用。安いし(ホームセンターで91cm×91cm×1cmの板が400円)、丈夫なのにカッターでさくさく切ったり削ったりできる。そのまま使うと自然な“角丸”仕上げになるし、角を立てたい時は厚紙を1枚重ねればエッジが生じる。革の押し出し加工、いわゆるウエットフォーミングには便利な素材。他にも使い勝手が効くから、1枚買って、適当に切って保管しておくと便利。

ともかくそういう雄型を作る。縦横はほとんどスマホと同サイズで、厚みだけ1cmほど増やした寸法。これを適当な板に固定する。
大きめに切った革を十分に濡らして(面倒なので半日放置した)、この雄型に被せて、軽く固定したら、そのまま衣類圧縮袋に入れて、空気を吸い出してしまう。

この、衣類圧縮袋を用いた型押しは、自分で見出した手法のなかではトップクラスの優れたやり方だと思っている。たぶん検索すれば、同じ事をしている人もいるだろうが、ともあれ自分を褒めてあげたい改善提案である。

大気圧を利用しているから、全体を均一に押していけるのがポイント。普通は濡らした革をヘラや手で伸ばして形を整えるのだけれど、革は伸ばしすぎると皺になるので、僕はあまり得意ではないのだった。
最近は小さいものに関しては、食品用の真空保存袋を使っている。こちらのほうが手軽。夜中でも作業できるし、かさばらない。 

 空気が抜けた状態で、ぎゅうぎゅうと角や端を押して型に革を合わせる。少し放置したら、外に出して様子を見る。必要ならばまた空気を抜いて型に密着させる。

なにしろビニール袋だから、このままでは乾燥できないのが難点。木の棒などで四方を押さえ、眼鏡クリップやC型クランプでがっちり固定してしまう。鉄イオンだろうか、金属が直接触れたところは、いかにもタンニンと反応しましたというような青黒い模様が付いてしまうので、何かしらの養生は必要。
この黒い斑点は、最初に水を吸わせる際に酸性にしておけばいくぶん防げる。僕はクエン酸を使うが、たぶん食酢でも大丈夫だろう。

 

雄型と板と木の枠と、それから革を固定したまま乾かしていく。1日放置すれば乾く。サーキュレーターの前で風を当てると早いが、なんとなく邪道っぽいので無難に日陰干しが良いのではないか。

だいたい乾いたな、と思ったら枠から外して、また半日放置。これでかちかちに乾く。革は濡らすと可塑性が高まるが、乾くと堅くなる。今回はこの性質を利用しているわけだ。

 

今回はスマホカバーにするため、大きめに作ったこの革を、この時点で切っていく。スマホの厚みに5mmほど足したサイズでざくざくとカットする。最後に微調整するけれど、ここで綺麗にカットした方が後が楽。

次に仕上げ用の型を作る。
ホームセンターにスマホとほぼ同じ厚みの桐材が売られていたので、これを活用。カッターで切って、スマホそっくりの板を作る。
革は縮む、と聞いたのでこれにスマホカバー(買った時に付いてきたもの)を被せて、全体をラップフィルムでぐるぐる巻いて、型は完成。

今回の作業、全般でこの梱包用ラップフィルムが大活躍している。
ちょっとした固定から、防水被覆、そしてこの後の成形でも欠かせない。台所のラップと使い分けると便利。

乾燥した革に水を少しずつ染みこませる。
全体に水が行き渡る程度。放置していると先ほどの形が崩れるから、しっとりさせたら後は適宜指先で水を足していく程度で良い。

この濡らした革を、型に被せる。
革の端がモニタ側に数ミリ被るように、革を伸ばし、折っていく。皺にならないように、そして全体に均一に。

作業としては、角や縁に革を被せたら、ぐるぐるとラップフィルムを巻いてしまう。最初は雑に全体を固定し、だいたいの形ができたら、最初の雑なフィルムは外して、丁寧に固定する。
フィルムのうち、縁と角はしっかり巻き付け、他の部分は革が露出するように巻き直したら、作業は完了。

また放置。
フィルムに覆われていない部分が半乾きになったあたりで、角や縁を少しずつ露出させていく。浮きそうな場合はまたフィルムを巻く。
雌型を使わない、そして3次元的な成形をするには、このフィルム方式は手軽で便利。

1日で、乾きやすそうな部分は乾く。最後はフィルムを全部外して、型からも外して、完全乾燥させる。

 

これで、スマートフォンの形をした革の成形品ができた。
あとはカッター(できるだけよく切れるもの)で縁の部分を均一に削り、さらに紙やすりで仕上げていく。
センサーや充電コネクタ部分はポンチで開口。
電源スイッチ部分は小さな穴を開けて、手探りでもわかるように。音量はほとんど触らないから、濡らした状態で「+ −」を刻印した(マイナスドライバーを押し付けただけ)。
イヤホンやSIMカードスロットは滅多に使わないため、今回は開口しない。

面倒だったのが、背面のカメラ関係と指紋センサー。
だがプラスチックのスマホカバーをテンプレートにできたので、位置決めは簡単。スイッチの類は、型を作った時点で(ちょっとした凸みを付けるなどして)わかるようにしておいた。

 

縁はレザークラフト用のコーティング剤「トコノール」を塗り、磨く。
全体に「ニートフットオイル」を塗り込み、スマホをかぱっとはめ込み、完成。

 

 

今回、革は静岡市レザークラフト店で買った端切れを使った。
店の奥で見つけた値札の無い革。
「こんな革、ウチにあったかな…」と店主さんが言っていて、1000円以下で買うことができた。
使う前は白っぽい、見たことのない風合いだったが、手を入れはじめたらどんどん馴染みはじめ、馬具みたいな手触りになった。
スマホをはめ込んでから数日で、浮いていた部分は縮み、窮屈だった部分は広がり、純正品以上にぴったりはまって外すのに苦労するほど。
なんとなく「呪いの革」っぽい。
傷がついても一晩経つと消えている。まだ1週間しか使っていないのに、使い込んだ風合いになってしまった。僕の実力以上の結果を生んでいる、ように思えてならない。

結果としては満足。
もう少し穏当で上品なカバーを作りたいところだが、とりあえずはこれを1ヶ月以上使って、それから考えたい。

毎日の作業は20分程度、完全に放置したままの日を加えて1週間で完成した。集中すれば3日で作れるだろう。友人から制作を頼まれたので、次は他の革で試してみる。

 

 

レザークラフト技法事典―クラフト学園虎の巻

レザークラフト技法事典―クラフト学園虎の巻

 
はじめてのレザークラフト

はじめてのレザークラフト

 

 

お題「ケータイと私」

なんとなくアーモンドミルク

 雨に降られてスターバックス・コーヒーに逃げ込む。
今日は新メニューの開始日とのことで、それ目当てらしき人達も多い。
普通のコーヒーでも良かったのだけれど(100円でおかわりもできるし…)、その新メニューがアーモンドミルクを使ったもの、ということで試してみた。

アーモンドミルクについて、友達のお店の新メニューに組み込めないかと相談を受けていたのだった。お店で買って飲んだこともあるが、たいてい調味されているから、なんとなく“分析不足”な感は否めない。量もパック入りあるいはボトル入りのドリンクサイズで、ちょっと足りない感じ。かと言って大きなサイズだとそれなりのお値段がするし、どうしたものかと思っていたのだった。

それに、実はアーモンドミルクは、地元で特産品的に扱おうという話もあって、ちょっと興味があったのだ。
健康食品としてのそれは、特に興味が無くて、でも機会があれば飲む、程度の関心。

 

そしてスターバックス・コーヒーの新メニューは、まあ、普通に美味しかった。
甘くしたカフェラテが苦手で、今日は普通のスターバックス・ラテのミルク部分をこのアーモンドミルクに替えてもらった(+50円)。新メニューのほうは、バニラシロップとホイップクリームと何か(忘れた)が加わるので少し甘いとのこと。

豆乳よりもクセが無く、エスプレッソの味が加わったせいで、アーモンド風味そのものが薄れている。美味しい、と言っていいと思う。
ミルク感が苦手で無脂肪乳なら飲める、と言う知人がいるが、そういう人の好みには合うと思う。ホイップクリームなどを加えるより、物足りなさを尊ぶほうが持ち味を活かせるのではないだろうか。リーンでヘルシーな薄さ、というか。
しかしこれはスターバックス・コーヒーだからかもしれない。以前飲んだアーモンドミルクは、製菓材料だったせいかもっと濃厚で、アーモンド味が強かった。

 

 

個人的には、もっと個性的なものを期待していた。
今回は出来心だったが、次はたぶん、普通のコーヒーをブラックで飲むだろう。コーヒーに対しては、ブラックであれば美味しかろうが不味かろうが満足する、そういう質だ。

 

ともかくそのアーモンドミルク入りコーヒーを飲みながら読書をしていたら、今日の新製品だと試供品をくれた。小さなカップに入った、アーモンドミルク入りフラペチーノ。
このフラペチーノという、甘くて氷がしゃりっとしてよくわからないクリスピーなものとホイップクリームが乗った飲み物は、たぶん15年ぶりくらいに飲んだ。
まあ、いいんじゃないでしょうか。つまり僕は興味が無いのです。

コーヒーとともに注文したマロンタルト。
これは特筆すべき点は無し。
最近のスターバックスでは、注文してから小粋な会話をする方針らしく、今日はこのタルトを「期待を上回る美味しさですよ!」と言っていたが、正直なところ期待していなかったし、その控えめな期待を上回りもしなかった。
ではなぜ注文したかというと、ショーケースの他の品がぎゃあぎゃあ騒ぐお客さんの列で見えなかったから。
ドーナツかパウンドケーキにすれば良かったかなー、と思いつつ、期待は上回らないものの水準以上に美味しいマロンタルトを楽しんだのだった。

 

あなたの人生の科学(上)誕生・成長・出会い (ハヤカワ文庫NF)

あなたの人生の科学(上)誕生・成長・出会い (ハヤカワ文庫NF)

 

 

読書が一段落したところで雨が止んだ。急いで帰宅。
平和な1日だったと思う。
アーモンドミルクは、甘さ控えめにして、コーヒーと2層のゼリーにすればいいんじゃないかなあ、と考えている。スターバックスではないが、かりかりした何か、例えばグラノーラとかドライフルーツを乗せれば見栄えもする。新メニューとして、もう少し何か欲しいところ。

 

 

あ、ノーベル生理学賞が決まったみたいだ(Twitterで知ったところ)。
今回は生物時計の研究者たち。学生時代を思い出す。

なぜ生物時計は、あなたの生き方まで操っているのか?

なぜ生物時計は、あなたの生き方まで操っているのか?

 
時間の分子生物学 時計と睡眠の遺伝子 (講談社現代新書)
 
生物時計の話 (自然選書)

生物時計の話 (自然選書)

 

 

 

お題「今日のおやつ」

柿とピスタチオのタルト

街を自転車で探検中、偶然知り合いに会った。
道を挟んで、おーい久しぶりー、みたいなやりとりをしたのだけれど、その人はセーターの下に着用する襟だけの服飾品(名前を忘れた。シャツの首部分だけのもの。付け襟?)が外に出る状態だった。
お友達も一緒にいたから、それで正解なのかもしれない。かなりお洒落な人だったから、たぶんそういうものなのだろう。
でもなんだか気になる。とはいえわざわざ道を渡って指摘して、というほど親しくもない。ただもやっと気になったまま、今に至る。

 

https://www.instagram.com/p/BZse0urHcBN/

 

さて今日のおやつは、その静岡に行った時に立ち寄った「MARIATHANK」のタルトと紅茶。
「柿とピスタチオのタルト」は、なんとも優しく豊かな味だった(小さいほうは、洋梨とカシスのタルト)。全体にこっくりとして、酸味が少ない果物である柿に良く合う。さくさくしながらとろりとした柿が面白い食感となっていた。

最近、ピスタチオのスイーツが増えて嬉しい限り。流行しているのだろうか。色も味も好き。

ついでに言うと、この本も好き。

 

 

 

お題「今日のおやつ」

いちじくのショートケーキとカフェオレと本。

ショートケーキは難しい。
果物と生クリーム、風味の軽いふわふわのスポンジケーキという、いわゆる日本式ショートケーキは、間違い無く美味しい。苺のそれなど、完璧な組み合わせだと思う。なるほどケーキといえばショートケーキ、という現状は当然である。

でも、というか、だからこそ、ケーキ趣味な人にとって(つまり僕にとって)、ショートケーキは難しい。食べたら当たり前に美味しくとも、それが予想の範囲内であることが本当に多いのだ。趣味として楽しむ対象としては、あまりに凡庸に過ぎる。

凡庸とは少し違うのだが、それほど語るべきことが無い点もまた、ショートケーキを第一選択としない理由になるかもしれない。中級者は軽んじて取り上げず、上級者になると逆に難しくて手を付けにくい、みたいな感じ。

こういう話はしばしば面倒な領域に陥るため、あまり深くは語らない。そう、面倒な話なのだ。趣味者の業と言い換えてもいい。

 

でもたまに食べると、びっくりするくらいに美味しいものに出会えてしまうから、世界というのは豊穣である。スイーツの神様どうもありがとう。

今日はその美味しいショートケーキに出会えた日だった。
「Pappus」で食べた、「いちじくのショートケーキ」は、シンプルな見た目を裏切らない、とても良いケーキだった。

軽い、しかしクリームっぽさはしっかりした生クリームと、いちじくの風味が素晴らしい。
生のままのタルトや焼いたタルト、いちじくの使い方にも色々あるけれども、どちらかといえば滋味を持ち味とするものが多いと思う。こういうタイプの“主役っぽい”立ち位置はあまり見かけない。

 

カフェオレにもぴったり。
ブラックのコーヒーより、このケーキはカフェオレの優しさが良いと思う。

https://www.instagram.com/p/BZpv4m8nS4X/

というわけで、今日はいちじくのショートケーキが美味しかった日。

つまり良い土曜日だった。

 

 

 

 

 

読書も進んだ。

 

漫画はこれを買った。
まだ半分だけしか読んでいないが、とても可愛らしい表紙そのままの素敵なショートストーリーがたっぷり載っている。カフェとかカフィといいつつ、野点や缶コーヒーまで登場する。
紙の漫画はまるで買わなくなってしまったけれど、これは買ってよかった。

 

 

 

 

小説はこれ。
もっと早く読んでいれば…と後悔している。
古いといえば確かに古臭いSFなのだが、文体は格好良くてさくさく読み進めてしまうし、物語の強さに心が持っていかれてしまう。だから、寝る時に読む本にはできない。それだけが残念といえるかもしれない。

 

 

 

 

この本は探したけれど今日は買えなかった(売り切れ!)。
明日も探す。モリナガヨウ氏については、信頼している。きっとまた、あの特別な力の抜き方と、人間の世界が描かれているだろう。

 

 

今週のお題「読書の秋」

典型的な居酒屋チェーン店

 

以前の勤め先からお誘いがあって、今日は飲み会に参加してきた。

田舎の駅前にあるチェーン店の、飲み放題とコース料理という、典型的な飲み会。個人的にはとても珍しい体験だった。

お酒を飲む人が少なくて、これなら個々人が「プレミアムフライデー限定セット」などを注文したほうが安く済んだのではないか、みたいな話もした。

特に美味しくもなく、しかし食べられないほど不味いわけでもない料理ばかり。銀杏があちこちに使われていて、それだけは文句なく美味しかった。他の料理と素材は、頑張って味を落としていた可能性もある。なにしろ銀杏というのは、手のかけようが無い。

 

帰りに、仲の良かった人達とお茶を飲んで(二次会には行かないし、カラオケも苦手)甘いものを食べて、解散。

たまにはこういう催しも楽しい。ただし、自分のお金で行くのならば(今回は送別会でもあったのでご馳走になった)こういう店は選ばない。それに、騒がしくて、しかも時間もかかって、なんだか疲れてしまう。
父は勤め人だった時に、週に何度も居酒屋で飲んで帰ってきていたが、とても真似できない。


お店の外で“次の場所”に行くまでの間、だらだら話す時間も苦手だ。まず移動して、コーヒーでも飲みながら無駄話をしたいのだが、そう思うのは僕が素面だからだろう。

さて今からお風呂に入る。
そして、寝ます。

 

裏世界ピクニック ファイル7 猫の忍者に襲われる

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