クルーザー高校生

今年度になってから、朝に橋ですれ違う高校生集団が気になる。
自転車通学の、まあ普通の高校生である。少し不良っぽいかな、とは思うが、実に無個性。それだけならば、たぶん記憶には残らない。

この人達が、どういうわけか、「荷台に座って」自転車を漕いでいるのだ。
スピードは出ないから、橋という直線路ではどんどん抜かれていく。それに、この橋はとても長く、風も吹き抜けるために、不自然な姿勢では真っ直ぐ走るのすら難しい。ちなみに通常のハンドルは、少し倒して装着してある。手は思いっきり伸びている。

 

なんなのだろうあの高校生達は、と最初はその理由がわからなかった。今日ようやく、ああ彼らのヤンキー・スピリットがそうさせたのだな、と筋道の立つ説明ができるようになった。
誰に話すこともないが、ごく小規模であっても、蒙を啓く感覚が味わえたので良かった。個人的なもやもやが晴れて、こうして世界はまた少し明るくなる。

 

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説明しよう。
彼らはクルーザー・スタイルのバイクを模しているのだ。
一昔前までは、アメリカンスタイルと呼んだのだったか。チョッパーハンドルと低いシートで、要はアメリカ大陸の長く続く直線を高速で走り抜けるためのデザイン。日本では走り難そうだけれど、愛好家は多いと思う。休日の観光地などに、よくお年寄りの集団を見かける。

何処だったか、やはり不良じみた高校生が、サドルをいちばん下まで下げて乗る風習が(ここ最近になって)生まれた土地について読んだ記憶がある。あれも不便そうだが、本人にとっては格好良いのだろう。そういえば、あの記事の土地も相当な田舎だった。

 

しかし、不良少年少女という、格好付けたい時にできること、が制限されている年齢の頑張りというのは、実に独特の面白みがある。同時に、ちょっとだけ物悲しさも感じてしまう。
僕が子供の頃はアウトドアファッションが流行していて、そして僕はとりあえずバードコールを買ったのだった。買ったはいいが使いどころが見つからず、とりあえず持ち歩いてはみたものの…という、それが僕の若さ故の過ちである。たぶん探せば今もどこかにある、と思う。どんな鳥を呼べるのか、実はわからない。

 

AUDUBON(オーデュボン) バードコール ウッド

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さて彼らの物悲しさは、やはりママチャリである、という点だろう。
せめてあの使われていないサドルは外すべきだ、と自転車趣味おじさんである僕は思うのだが、どうか。
取り外したサドルは、荷台に取り付ければ乗り心地も向上するだろう。
でもまずは外したサドルに変わって、つまりサドルポストと同径の棒を装着し、(可能ならばT型のバーを繋げて)さまざまなアクセサリーを付けたい。ベルやライトや変速機は手元にあると便利だ。サイクルコンピューターまでは、やり過ぎだと思う。
以前はサドルだった場所の前方が空いているはずだ。そこに籠や荷台を移植するのも良いアイデア。学生ならかばんを入れよう。

セミ・リカンベント・ママチャリとして、大井川の扇状地をクルージングして欲しい。たとえそれが不便でも、かっこいいと思っているのならば良いではないか。交通ルールは守って欲しいが、荷台に座ろうがふらついて携帯電話を落とそうが、僕はかまわない。STRIDA乗りとは、友達になれそうな乗車姿勢でもあるし。

 

映画「下妻物語」

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西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集

まるで関係無いけれど、梨木香歩さんの大好きな「西の魔女が死んだ」が愛蔵版的な装丁で書店に並んでいた。僕は買わないが、これもまた良いものである。 

西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集

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