花より匂いで気づく花、と何かに書かれていた金木犀。
今年もまた匂いで開花を知った。
今日は家事から趣味まで様々な事を手掛けて、おまけに仕事の連絡まであって、色々と混乱していた。部屋も心の中もしっちゃかめっちゃかである。
数日前に読んだ小説には、こういう混乱した事態への対処法が書いてあった。
「覚悟を決め、最もやりたい事だけに手をつける」というのが、それである。
小説ではヒロインが全てを放り出して、ただひたすらに恋人の元に駆けつけた結果、世界の諸問題も解決し、大団円となった。放り出したものを差し引いても大黒字で、しかも放り出したものは全て回復していた。
しかし僕は「最もやりたい事」として、ベッドに寝転がって読書をしたため、何も解決はしていない。
部屋もタスクリストも心の中も、散らかったままである。現実はファンタジーではないことを痛感している。
とりあえず小説のヒロインを真似して「後悔だけはしないと決めたんだ。自分で選んだ道だから」と声に出してみたが、特に何かが変わるわけでもないのだった。
午後には少しだけ外出した。
マルシェっぽいイベントに行き、友人のやっているお店で焼菓子とケーキを買った。
帰宅しておやつにケーキ*1を食べ、コーヒーを飲み、再び読書をした。
もちろん何も片付いていないが、もうどうにでもなれという気分だ。
明日からがんばる、今日はがんばらない。
そういう休日だった。
*1:タルト・タタン。ケーキ生地にアーモンドが使われているのが特徴かもしれない。すばらしいタルト・タタンだった。