靴を染めた
今の仕事に就いた時に購入したスリッポン(モックシューズ)を染めてみた。
薄いベージュのコットンキャンバス地で、買った時から使い倒すつもりで汚れるのもかまわず履いていた。初仕事がオフィスの立ち上げだったので、「今日は汚れるな」と思った時は基本的にこの靴。
車や自転車のメンテナンスの時も、引っ越し後の大工仕事の時も履いていた。
結果として、この数ヶ月間で、ずいぶんと薄汚れてしまった。
自転車のチェーン部分からの黒い汚れが特に難物。洗っても全然落ちない。酸素系漂白剤に漬けてみたところ、乾燥時にペーパークロマトグラフィー*1的に、油と色素が縞模様に残ってしまう。元からユーズド加工されていた染色だったこともあり、下手に浸け置きをすると
脱ぎ履きが楽でグリップも良い。休日には山や海岸を歩くのにも使う。
まだまだ頑張ってもらいたい、ということで濃い色に染めてみた。
定番の「ダイロン」を使ったところ、黒い汚れも目立たなくなった。
ついでに浸けておいたエコバッグやリネンのタオルも同じ色になった。
しかしこれで、ダークブラウンの靴がまたひとつ増えてしまった。布でも革でも茶色。秋冬はともかく、これからの季節はちょっと重苦しい。
松ぼっくりを漂白した
瀬戸内国際芸術祭の島巡りや散歩で松ぼっくりを拾うことがある。
独り暮らしの身として土産物は滅多に買わないが、部屋に転がしておく自然の飾り物として、ここ数ヶ月は、なんとなく拾っていたのだ。
なにしろ松ぼっくりだから、特に実用性は無い。その辺に転がしておくか、植木鉢にでも置くしか使い途も無いのだ。
さらに、石やサンゴと違って、後で見て「あの時にあの場所で拾ったものだ」と思い出すこともまず無い。それほど個性のある形でもないので。
東京に行った時、どこかのインテリア・ショップで白い松ぼっくりがあったことを思いだし、試しに作ってみた。
お店にあったのは、かなり白く、そして日光に当たった部分が黄変している。黄変といえば塩素系(次亜塩素酸ナトリウム)の洗い残しだろう、と推測する。ならば自宅では塩素系漂白剤がある。とりあえずチャック付きポリ袋での浸漬を試みた。
60℃くらいのお湯に同量以上の塩素系漂白剤を入れて、松ぼっくりも入れて、空気を抜いて密封する。念の為に皿を敷いたうえで、一晩放置。時々動かさないと、液面から出てしまう部分があって、ちょっとムラになってしまった。
あまりに真っ白なのも違う気がして、一晩と少しで漂白を止めた。
何度も水洗いして、さらに酢を入れた水に浸けて残留アルカリを中和して(気休め)、さらに真水に半日くらい漬け込んでから、乾燥させる。
すると、こんな感じになる。
濡れている間は全体が締まるのが面白い。乾くと、拾った時と同じ状態に戻る。たぶん24時間くらいは放置しても大丈夫。アルカリが強いから下手をするとばらばらに溶けるかもしれないが、松ぼっくりの状態と併せて現物毎に調整は必要だと思う。
作業の後に検索してみたら、同じことをしている人がたくさんいた。
ある種のクラフト趣味者では常識なのかもしれない。リース作りなどでは映えると思う。漂白後にごく薄く色を塗ったらファンタジー世界の果実になる。素材として面白いのではないか。
染めたり漂白したり、前からやってみたかった色々を今日は片付けることができた。