旅を終え、先ほど帰宅。
昨日のしながわ水族館と井の頭自然文化園については、また後日書こうと思う。とっても良かった、とだけ今は記す。
昨晩は恩師を囲む会を行い*1夜中まで賑やかに過ごした。普段は日付が変わる前には完全に寝ている生活だから、夜中の2時過ぎまで飲み食いしているなんて学生みたいなパターンは、身体が悲鳴を上げる。しかも僕はお酒を飲まない。煙草の煙だって辛い。でも、やっぱり学生時代の友人や先輩後輩と喋るのはとても楽しい。
そんなわけで、今日の東京観光は、予定よりもいくぶん縮小したものとなった。
明後日から大阪・京都へ旅をする。だから体調管理に気を遣う状況でもあった。
朝はちょっと遅めに起床。
朝ごはんは昨日買ったチーズケーキ。A.K.Laboのケーキをビジネスホテルで食べるのはとても侘しいものだが、美味しいことは変わらない。
さっさと八王子から浅草まで移動。
浅草では少し街を歩いてから、あんみつで有名な「梅園」で「豆かん」を食べた。
豆かん、大好物なのだが、静岡ではなかなかお目にかかれない。いつか本場のものを食べたかった。なぜ田舎の甘味処には、クリームみつ豆はあっても、豆かんは無いのだ。
今日は開店直後ということもあって、とても空いていた。どちらかといえば遅めの朝ごはんとして、お汁粉やお雑煮を食べている人のほうが多い。
豆かん、塩気のある豆と、しっかりした寒天と、ちょうどよい量の黒蜜が最高だった。磯の香りの和風甘味ってそれほど好きじゃなかった筈なのに、この店の寒天の天草の風味は悪くない。
全体の量も、たっぷり多めで、しかし食べ終えたらちょうどよい満足感という嬉しいもの。物足りないわけでもなく、大食いとも違う。さすが老舗、である。
まさに“いい塩梅”だった。
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浅草は学生時代に数回訪れただけ。自分自身のデートだったり、友達カップルのデートにサポートメンバーとして付き添った*2だけで、その時は揚げ饅頭や串焼き肉みたいな、いかにも観光地の買い食いをして、寺を見て、といった過ごし方だったと思う。あまり印象に残っていない。
今日、改めて歩いてみると、街の隅々まで“ぶらぶら歩いて、美味しいものを食べて、お寺を巡って遊んで楽しむ”という機能が行き渡っていて、お気楽な観光地としての集積がそこかしこに感じられる。熱海とも違うし、厳島とも違うが、それらに似たものもある。完成され、そしてアップデートが続く行楽地。
表通りばかりだとあっという間に疲れてしまう。裏通りから古い商店街を巡っていると、ただ歩いているだけで時間が過ぎていく。そして足の疲労が限界に達する。
お昼は人生初の「どぜう鍋」を食べに「駒形どぜう」の本店に。
一人で時間も早かったせいか(11:40)並ばずに席に通された。
お昼は安い「どぜう定食」が選べる。
これは「どじょう鍋」と、「どじょう汁」と、ごはんと漬物と、田楽という組み合わせ。十分かつお得だと思う。
どじょう、とても美味しい。
川魚でもあるし、頭だって付いている(はらわたは抜いてあると思う)。だから臭みやクセがあると思っていた。
でも食べてみたら、とても素直な味でびっくり。煮干しよりも、鰯の煮物よりも“魚っぽさ”は薄いのではないか。川魚の風味が少し感じられるが、鰻の蒲焼きが食べられる人ならば大丈夫。というか、脂の感じが鰻に近くて、でも鰻のような濃さが無い、不思議な味だった。
どじょうが並び、薄めの割り下がぐつぐつ煮えている鉄鍋が、どじょう鍋。浅めの鉄鍋は炭で熱せられていて、ここに刻んだ白ネギを「山と盛れ」と説明される。かなりしっかり盛るのが流儀の様子。
僕も周囲に倣い、葱の山盛りを鍋に築く。こういう「葱を好きなだけ」は楽しいし嬉しい。どじょうと葱、滋養に良さそう。
しばらくすると葱はくたっとなる。割り下はどんどん煮詰まるため、好きに追加して良い。
これを皿に移して食べていく。
鍋としては小さなものだが、葱で増量するうえに、どじょうの食べ応えが十分過ぎるので、ごはんがどんどん進む。
この歳になって、好物がひとつ増えてしまった。
漬物も田楽もきちんと美味しかった。こういうお店で漬物が美味しいと、それだけで信頼感が倍増である。
そしてとろっとした味噌汁にも、どじょうがたっぷり入っている。これが、どじょう汁。こちらにも前述の葱を投入するように、とのこと。そして好みで七味を振って食べる。
自分の基準ではずいぶんと濃いめの味噌汁、しかしこれが合うのだ。お腹いっぱいなのに、するすると入ってしまう。
座敷席だと、畳に敷かれた長い板に、これらの料理が並ぶ。低い位置の料理をちまちまとつまんだりすくったりして楽しむなんて、なんだか落語や浮世絵の世界みたいな感じ。食べやすさではテーブル席のようだが、僕は座敷席のほうが楽しいと思う。
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その後は「浅草橋」駅の周辺を歩き回った。
この辺りは、布や手芸関係の問屋街であり、僕はその中でもレザークラフト関連のお店に興味があったのだ。
何かしらの趣味を持つ友人が、その手の問屋街に行くのに同行したことがある。たいてい、驚くほどの買い物をする。なんでそんなに、と思うくらいに財布の紐を緩めるのだ。
今日はその状態に、僕が陥った。
自分でも意外なほど、たくさんの細々とした(しかしそれぞれの単価は安い)革やレザークラフト用品を買ってしまった。
なるほど問屋街、楽しい。ネットで何でも手に入るとはいえ、実物を見て触って選ぶ楽しさはやはり何にも代えがたい。しかも、とても安いのだ。何かのタガが外れるのも仕方がない。これは無駄遣いではない。
浅草橋から上野に出て、少し公園を散策した辺りで、「今日はここでおしまい」という気分になった。最初に書いたように寝不足、かつ無茶をして疲労を溜めるわけにはいかないために、あえて制限する。
今日は渋谷駅から出ている高速バスで帰宅した。
自宅のすぐ近くに到着するし、時間はかかるものの安いので、時間に余裕がある時は便利。幸い、飛び込みで席もとれた。
早めに渋谷駅に着き、「もう金輪際歩かない。疲れない」と心に決めて、とにかく高いビルの上のほうで(ヒカリエのてっぺん)、のんびりお茶を飲んだり、ギャラリーで展示を見たりして過ごす。
そしてバスに乗り、寝ながら帰宅。
順調な旅だったと思う。
もう少し頑張れたかな、とは思うものの、これくらいに安楽というかのんびりした散歩旅も悪くない。食べ物で失敗もなかったし、トラブルといえば、寝不足と靴擦れがあったくらいか。
寝不足は前述の通り。
そして靴擦れは、ショートブーツなのに靴下がスニーカー用の短いもので、なんとなく擦れているかなと思いつつ1日歩いてしまっため発生した。靴擦れとしては珍しい位置に出来たと思う。明日には治りそうな軽いものだが、とにかくショートブーツ(サイドゴアブーツ)には短いソックスは駄目だ。