以前、どこかの中華料理店で食べた何かを思い出しながら作った。
淡泊なウリ科の野菜だったことはわかる。
野菜の天ぷら、海老のフリッターや豚肉の唐揚げに添えてあって、花椒入りの塩か、唐辛子と酢醤油を混ぜたようなタレを付けて食べた。
とても美味しい、という品ではないけれど、不思議な食感と淡い味が印象に残っている。
が、なにしろ真面目な中華料理店(横浜の中華街で、きちんとしたコース料理)の、しかも会食の1品だったから説明も何も無く、ただ不思議な味だなあと思ったまま忘れ去っていた。
ウー・ウェンの素材ひとつで作る料理 レタスクラブムック 60161‐29 (レタスクラブMOOK)
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今年の春に、ふとその料理のことを思い出した。
そしてその料理が「冬瓜を天ぷらにしたもの」だとわかったのが6月の半ば。すぐにスマートフォンのToDoリストにメモをして、そして今日になってToDoをチェックしていて再発見し、作ることにした。便利な世の中だ。
家で作ると火力が心配。お店では2.0cmm角程度のサイコロ型に切っていたけれど、今日は1.5mmの細切りにした。ファストフード店のポテトの太さで、ポテトよりは少し短め。
切って軽く塩を振り、水気が出たら拭き取り、片栗粉と小麦粉をまぶしてすぐに揚げる。じっくり色付くまで低温で火を通す。サツマイモを揚げるくらいには時間をかけただろうか。
焦がすわけにもいかないし、なにしろ冬瓜だから火を通し過ぎるとべちゃっとしてしまう。
今日は塩と胡椒を混ぜたもので食べた。
葱と胡麻油と醤油も試してみた。
味は説明しづらい。
たまたま天ぷらを作る機会があったから追加の1品にしたものの、これだけを食べても満足はできないと思う。
ただし話の種にはなる。食感や、冬瓜を揚げるという意外性、他に替えが効かなそうな味。料理が好きな人ならば盛り上がるだろう。
かき揚げにしても良いかもしれない。
揚げたてにあんかけ、でも面白そう。おつまみにもなりそう。
揚げる前に少しだけ電子レンジで加熱したら少し楽になりそうな気もする。
「どうだ!」と披露する珍しい手料理も良いけれど、こういうささやかな“普通と違う品”もまた自炊の醍醐味だと思う。
天ぷらの機会があったらお試しを。面白い品です。少なくとも僕は面白かった。
「てんぷら近藤」主人の やさしく教える天ぷらのきほん (おうちで作れる専門店の味)
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