本屋が少ない夜に

 

 

今日は「天冥の標」の発売日。
延々と書いている通り、このシリーズが本当に好きだ。発売日に買おう、と決めている本は少ない。欠かさず買う作家でも、そういう人はほとんどいない。

で、今日も仕事を定時で切り上げて、いそいそと書店に向かった。
そしてハヤカワ文庫の新刊棚を探す。隅から隅まで観察する。無い。
検索機で調べるが、「在庫稀少」とあり、店員に探してもらうが、無い。

こうなると、困ってしまう。
通勤路から行ける書店、特にハヤカワSF文庫が置いてある規模の店は、本当に少ない。
この贔屓の店から「次に行くべき店」は、遠い。

商店街の個人店は閉める時刻だった。SF小説の文庫本なんて置いてないと思う。

職場の近くにはTSUTAYAのあるショッピングモールがあるけれど、あのTSUTAYAは「文化の最果て」と僕は名付けているくらいに、信用ならない。ベストセラー確実の文庫本だから発売日には平積みになっているかもしれないが、でもあの「新書?それって雑誌の名前ですか?」と聞いてきたスタッフを思い出すと、あそこで本を買う気分にはなれない。特にお気に入りのシリーズは、買えない。
混んでいるし、店内放送はうるさいし、とにかく良い思い出が無いのだ。

隣町まで行けば、そこそこ品揃えが良い店は存在する。
ただし、仕事帰りの寄り道では、避けたい距離と時間。
第一、今日寄った店でも、通勤路からはいくらかの逸脱をしているのだ。休日を控えた夕食時に、あまりひとつの物事にとらわれてぐるぐるしていたくない。メンタルに悪い。

 

とにかく書店は減った。
田舎では、学区内に1軒も無い、という小中学校もあると思う。サイゼリヤはあるけれど、書店が無い、という子供時代は、なんだかつまらないように僕は思えてしまう。
そして、上に書いているように、不便だ。

 

 

[静岡]本のある場所 (momo book)

[静岡]本のある場所 (momo book)

 

 

 

帰宅路に無い。
そして自宅に近づくにつれ、寄り道の選択肢も激減する。
さらに、最も贔屓にしている店で在庫が無いとなると、そこからのリカバリがほぼ絶望的、というこの環境。
まあ、読む本はたくさん積んであるし、明日に街(というのは県庁所在地の静岡市の中心街。もう少し都会っぽくても罰は当たらない気がする)で大型書店に行けば万事解決なのだが、でもやっぱり残念。

 

 

 

京都に行きたい、と思う。
京都大学下鴨神社の辺りが好きだ。個性的な書店や、夜までやっている書店、古本屋がたくさん。少し自転車で走れば、都市型の大型書店だってある。あれが望ましい文化的な生活というものだろう。
良い喫茶店も多いから、あの辺りは準楽園といえる。豆大福も美味しいのだから、もう言うことはない。
京都に住みたい。

 

森見登美彦の京都ぐるぐる案内 (新潮文庫)

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