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鼻から胃へ

予定通り、職場の健康診断で、胃内視鏡の検査を受けてきた。
なるほど早いし、負担も少ない。以前は胃の検査といえばバリウムを飲んで動く台のうえで揺られたり姿勢を変えたりして我慢して、それでも上手くいかない人はやり直しで、といった感じだったけれど、胃カメラはそういう手間も試行錯誤もなくて、仕事中の健康診断として適している。
といっても、僕は年齢的には、バリウムを飲んだり、内視鏡で検査したり、といった健康診断はほとんど経験が無い。
私生活では、何度か胃カメラを飲んだ経験がある。だから慣れてはいるが、勤務時間中に検査して、その後にまた仕事に戻る、というのは初めてだった。

鼻の穴の形が悪いのか、まず左側を麻酔して、それから筒を指してみて、こりゃあ駄目だということで右の穴を使うことに。
左右とも麻酔が効いている状態というのは、なんだか変だ。呼吸がしづらいし、咳が出る。
ちなみに今回の麻酔(とろりとしていて、鼻から喉に流れていく)は、杏仁香がした。隣で待っている人達が皆、思ったことを口にするタイプだったので、「あっアーモンドっぽい」とか「杏仁豆腐の、あの甘い香りが…」とか声に出していて、奇妙な夢の趣きがあった。

今回は、検査というか撮影と、問診が同時進行。つまり、自分の胃の映像を見ながら、これはポリープだけど良性とか、そんな説明を受ける。
胃の内壁は綺麗だった。良性の小さなポリープと、特に健康上は問題の無い潰瘍の跡が見つかっただけ。
僕は興味深く観察したけれど、こういう粘膜と肉の世界を冷静に眺められない人もいるのではないだろうか。鼻から通す管は平気でも、映像で気持ち悪くなってしまう人は、どうすればいいのか。東海大学の人体博物館を思い出してしまった。

しかし胃カメラ自体は、見事な機械だと思う。
胃の中で、頭の部分だけくいっと曲げて、自身の入ってきた側を撮影するところなど、いつも感心してしまう。

ただし今回は、お腹がちょっと気持ち悪くなった。
胃の中で粘液を流すために、何度か水を噴出するのだけれど、今日の技師さん(医師?)は少し乱暴で、水の量も多くて、しかも冷たかった。この辺り、病院で検査した時は、もっと丁寧だったと思う。

だから検査を終えて、職場に戻っても(10時過ぎ)、空腹を満たすための“おやつ”を食べることができなかった。一口羊羹を食べることだけを考えて、午前中は働いていたのに。
水筒に入れてきたチャイは飲めた。
昼休みには、きちんと食事もできた。
でも鼻の奥の違和感は続き、なんとなく体調が悪い感じが続いたまま仕事を続けることになった。
万が一の風邪を危惧し、定時にさっさと帰ってきたくらいだ。今は元気だが、どうにも麻酔や睡眠薬の類は、“残り”やすい質なのだ。ぼんやりとした不調だから、ただ困るだけなのだが。

 

ポケットに静岡百景

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静岡百景

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