雨と水羊羹

一日の半分以上を寝て過ごしたような印象の土曜日。
全て雨が悪い。
出歩くのも車で走るのも嫌になるような強い雨が続いていて、何処にも行かず静かに過ごしている。

今日やりたい事がいくつかあった。手が空いたらやる事もメモしていた。でもなんとなくやる気が出ずに、読書と昼寝で半日を終えてしまった。

ヒトと暇の組み合わせは恐ろしい、と何かの本に書いてあった。
今日がまさにその状況で、暇つぶしに水羊羹を作ってしまった。

水羊羹なんてものは、職人や工場に任せる類の食品である。
いくら暇だからといって、中年の独り暮らしで作るものではない。

作るといっても餡は市販品で済ませている。
こうなると、ほとんどインスタント食品である。
漉し餡*1を鍋に入れ、分量の水を入れ、砂糖を加える。別に煮溶かした寒天を入れて加熱し、容器に移して冷やして固める。

 

朝日 粉かんてん 40g

朝日 粉かんてん 40g

 

 

漉し餡の袋に書いてあった量より砂糖を控えてみた。
水羊羹だから離水してもまあなんとかなるだろう、という目論見。

今回は手元にあったカフェオレボウルの容量に合わせて計量した。和菓子のレシピとしてはかなり少なく中途半端な量。
それから、先日茹でておいた赤えんどう豆も加えた。かつて京都で食べた赤えんどう豆入りの水羊羹がとても美味しかったので。もうあのお店は無くなってしまった。豆大福に使うようなうっすらとした塩味の豆が良いアクセントになる。

 

 

 

結果として、とても上手くできた。
半分を食べた。満足した。大した手間もかからないし、好きなだけ食べてもずいぶん余る。日持ちはしないけれど、思う存分食べたい時には自作にも意義があるだろう*2

 

暇つぶしとはいえ、自分で水羊羹を作るなんて昨晩には想像すらしていなかった*3

 

井村屋 こしあん 500g

井村屋 こしあん 500g

 

 

別に不満や反省は無いけれど、こういう無為な一日を過ごして、その中でわけのわからない衝動に駆られて水羊羹を作ってしまうと、なんという人生なのだと気が遠くなる。
かつて「生き方を選べ」と勤め先の社長に言われた。「無茶だぜ人生には不意に水羊羹を作る日だって来るんだぜ」と今日は思う。でももう少し選ばないとなあ。全てを天気のせいにするわけにはいかない。

 

小説 天気の子 (角川文庫)

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小説 君の名は。 (新海誠ライブラリー)

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お題「今日の出来事」

 

*1:地元スーパーのオリジナル製品。製餡所の業務用を400gに小分け密封しただけ。砂糖は控えめにしてあって調整する必要がある。でもそれが便利。

*2:バケツサイズのプリンみたいなものか。

*3:漉し餡は、パンに塗って「餡トースト」を再現したかったので買い置きがあった。一般には粒餡だが、保存性を犠牲にするくらいに甘さを控えた漉し餡も美味しい。

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