自分の勤め先は、大きな会社の“事務所”の一角を借りて本社としている。僕もそこで事務仕事をしているわけで、当然ながら周囲の“事務の人達”にはお世話になりっぱなし。そして彼ら彼女らは、毎日何かしらの細々としたお茶菓子を配ってくれる。
今まで、こういう完全なデスクワークの経験が無いため、これはなかなか新鮮な体験となっている。
今までの仕事(企業の研究所や製造部門)では「休憩室」があり、各人がそこに置いたお菓子を適当に取っていく、あるいは一緒に休憩する仲の良い人にお菓子を(場合によっては選りすぐりのお菓子を)手渡す、という形式が職場のおやつの基本だった。
今の勤め先では、いつの間にか机の上に、小さな個装のお菓子が置かれていることが多い。お菓子を見つけてきょろきょろしていると、近くの席から「○○さんからですよ」と声がかかる。優しい世界だ。
僕は出張の際にお菓子を買っていくことで、そのお礼というか、収支の帳尻が合うかたちとなる。あまりに提供してばかりだと逆に喜ばれない。
ここ数ヶ月の行動の成果か、僕の立ち位置も定着しつつある。平時においても、あるいは出張土産においても、定番とは異なるお菓子・ちょっと珍しいお菓子を提供する者、それが自分だ。
お菓子はその購入段階からして(僕にとっては)娯楽なので、これは単純に嬉しい。数や頻度ではない評価ならば、頑張り甲斐があるというもの。
それはそれとして、やはりオフィスワークで多く提供されるお菓子はルマンド系のものが多い。
ルマンドそのもの、ルマンドのバリエーション、亜種、それから類似品。なるほどスーパーマーケットでもドラッグストアでもよく見かける。
それからお土産や差し入れのお菓子。デパートとかにあるお菓子でも、ルマンドっぽいものはとても多い。
実は仕事中はそれほどお菓子を食べない。
今日は溜まってきたそれらを持ち帰ることにした。
先ほどからゆっくりとそのルマンドやルマンド的な何かを開封し、食べている。
どれもこれも破損している。しかし美味しい。
今日はルマンドの日と定め、夕食の炭水化物は減らしてみた。
だからたぶん大丈夫。夜に食べても、大丈夫。