誕生日を迎えた知人と、お祝いに甘いものを食べにいった。
お互い、午後や夜は都合が悪いため、午前中に会う。ここ数年は、この人とは誕生日以外に会っていない。よくわからない縁が繋がっている。
午前中に、きちんとした甘いものを食べるとなると、店が限られてくる。「Sud Bouquet」か「Juillet」か迷い、友人が行ったことが無いという「Juillet」に決めた。
友人は「ジャンピン=サン=ジャック(Jumpin' Saint Jacques)」という焼き菓子とシャーベットのプレートを、僕はオレンジなんとか(名前を忘れた)というデザートプレートを食べる。
オレンジの名を冠しているだけあって、全てがオレンジ味だった。オレンジ味のクレーム・ブリュレとオレンジのパウンドケーキと、果実そのままの盛り合わせ。
何度か来店して、僕の場合は「まずスイーツを食べて、その後にエスプレッソを出してもらう」のがいちばん楽しめると判明した。コーヒーを飲みながらより、落ち着いて食べられる。
朝の9時に誰が来るのかと思っていたが、わりと頻繁にお客さんが来る。老人が多い。コーヒーだけの人も、甘いものを食べる人も、たいてい1人で、長居しない。
なかなか面白いお店だと、友人も喜んでくれた。
僕達はのんびり食べたが、飲食の間は無駄話はしない。近況報告や噂話は、車の中で済ませてきた。
店を出たあとに、さてどこに行こうかと考えてみたものの、10時前なので行く場所が思いつかない。だからすごすごと、帰宅の途についた。
プレセントは、事前に希望を聞き「小さなすり鉢」を用意してあった。愛用品を割ってしまって、大きなもので代用しているという。
すり鉢については、それほど知識が無い。でも自分が使ってみて良かった品ということで「KAIのミニすり鉢」にした。
珍しくもない、何処にでも売っている品。バットのような擂粉木は使いやすく、乳鉢のようなクリーンな雰囲気も良い。なにより、内側にも釉薬がかかっていて洗いやすいのに、目が深くて軽い力で使える。
どうしてすり鉢は、和風(民芸そば屋風)ばかりなのだろう。せめて他の和食器くらいには、デザインに幅があっても良いのではないか。
シンプルなすり鉢といえば、この「KINTO」の品を知人の家で見て、とても良いものに思えた。シリコンゴムの台座と、洗いやすい内面。擂粉木が陶器なのも素敵だ。
次に買い換える時は、この「KINTOのすり鉢」にするつもりだけれど、KAIのミニすり鉢は丈夫なので、その機会が無い。
もちろんサブすり鉢として買い足しても構わない筈だが、このレベルの「欲しい」を実現していくときりが無い。2つ同時に使う局面も考えにくい。
さらに「堀内果実店」のドライフルーツもプレセントに加えた。
知人に貰って、とても美味しかった。Webサイトからは「能天気な自然志向」が漂うが、それはともかく美味しい。
本当は「酸っぱいレーズン」を贈りたかった。
家族がトルコ旅行で買ってきたレーズンが、すっきりと酸味があって気に入ってしまった。甘くないレーズンなんて初めて食べた。
今もパッケージ(トルコ語)を手がかりにに探している。土産用ではなくて、EU向けに健康志向の食品として輸出される、オーガニックフードらしい。
ともあれ、充実した午前中の喫茶だった。朝に食べたら罰があたりそうな、豪華な雰囲気なプレートだった。
次に会うのは僕の誕生日か、来年の今日かもしれない。普段はFacebookとmixiで繋がっている。顔を合わせると、普段とは違う会話が始まるのが不思議だ。