豚の塩漬け

明日から忙しくなりそうなので、あらかじめ料理を済ませておく。

 

塩漬けの豚が冷蔵庫に残っていた。
近頃、一番参考にしている料理本『伝言レシピ』に載っていた、ごぼうと塩豚の煮物を作った。
塩豚とごぼうを煮て、最後に酢を垂らす。食べる際にからしを添えると美味しいらしい。
先週から、沖縄料理にとり憑かれているので、塩味で昆布出汁の味付けにして、酢もほんの少ししか使わない。
自分で作る塩漬けの豚肉は、参考にした本が古かったせいもあって、塩がきつい。
硝石こそ使っていないが、ハムのように長期保存出来る。
中まで塩が染みているので、常用すると体に悪そうだ。
煮込みや炒め物に便利だけれど、塩味は肉の量で概ね決定してしまう。
ともあれ、独り暮らしにおける重要な食材として、今後とも重用するだろう。

 

他にもマリネや煮豆といった、日持ちのする(そしてお弁当に流用可能な)料理を作った。
プルーンと干し柿も煮た。
本当は毎日新鮮な作りたての料理を用意したほうが良いのだろうけれど、なかなか難しい。


 

昼過ぎに外出したら、偶然職場のパートさんに出合った。
用事が思いのほか早く終わったので、2人で少し話をした。仕事上の悩みを聞いたりしているうちに、重苦しい雰囲気になったので、気分転換に映画を観ることになった。
パートさんが割引券を持っていた『どろろ』を観る。
興味の無い映画だったせいもあってか、あまり面白く無かった。
手塚漫画の伝奇物はとても好きなのだけれど、映画は“まるで別物”だった。
パートさんの方は、お気に入りの俳優が見られて満足だった様子。良かった。

 

夕食は上司の家に招かれた。
直属の上司では無いが、お互いに独り暮らしで転入者なので、私生活についても喋ることがある。

この上司は、別に会社員をしなくても遺産だけで暮らしていける“家作”があるらしい。
「大学で研究をしていても良かったけれど、会社員に興味があって就職した」と言っていた。
まだ若いが、出世も早いし有能な人だと思う。
もともと研究所が出発点の会社だからか、研究職出身の“少しだけ浮世離れした”管理職は多いのだが、彼はその中でも特別のようだ。
はっきり言って工場内では浮いている(ここの工場出身者は概して理屈屋が嫌い)が、職場にこういう“異分子”がいるのは僕は好きだ。
仕事上の要求は厳しいけれども、理屈が通るので話はし易い。

現在は単身赴任なので四日市市内にマンションを借りている。今日は奥さんが来ているので一緒に食事をしよう、と誘われた。
何故折角の夫婦水入らずの日に呼ばれるのか良く判らないが、予定も無いし、食道楽(という噂)の家に招かれるというのも興味があったので行ってみた。

単身赴任というのに、やけに広いマンションだった。
部屋は散らかっているけれど、家具や家電だけは高級だったし、ワインセラーまで据え付けてあって、びっくりしてしまった。
海外出張の度にワインを箱で買ってきて、それを毎日ガブ飲みして過ごしているそうだ。
今日も2本開けて、夫婦で飲んでいた。僕も少しだけ貰った。
料理も豪華だったし(ゴージャスなカレー及びチーズ各種)、デザートのケーキも美味しかった(奥様の東京土産)。
食後には上司の趣味である自作パソコンや、古い文庫本(古典SF、奥様の趣味)を見せてもらった。
パソコンについては一通り知っているつもりだったが、本物かつ筋金入りの自作パソコンマニアを見たのは初めてだった。

上司の家に呼ばれたというのに、全く仕事の話にならなかった。
職場の飲み会とは大違いで、とても居心地が良かった。

お土産にワイン1本と文庫本数冊とパンとチーズを貰って帰宅した。
とても楽しい食事会だったけれども、やはり疲れた。
少しだけ酔っていたせいもあって、家に着いたらすぐに寝てしまった。


夜、暗くなってからベッドから出た。
何となく落ち着かないので、菰野町のcaféSnugまで行きお茶を飲んだ。
変な一日だった。

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