お茶する暇もなく、でも笑ってお別れできました。

今日、仕事仲間の2人が退職した。
そして自分は来週の前半に辞める。会社が空っぽになり、遠くの人達が仕事の一部を引き継いで継続する。

 

というわけで、今日は間借りしている会社の人達へ挨拶をして、それから荷造りや掃除をして過ごした。皆、とても温かく送別の挨拶をしてくれる。仕事で迷惑をかけた人達ばかりなのに。

それに昼休みには、食堂で持ち寄りパーティーをしてくれた。
こういうのは本当に嬉しい。
役員との会食とは違う、じわっとお腹が暖かくなるタイプの幸せだ。ホットプレートで焼いたり炒めたり、そんな簡単な食べ物が特別なのだ。

しかしまあ慌ただしい会社だ。嫌になる。へとへとになる。
皆が帰った後に、サーバーの類を箱詰めして、移転先に送付する手配を進める。
来週の月曜日にはその移転先で仕事を始められるように、という段取り。段取りとはいうものの、その移転先の人達がどこまで仕事を理解しているのか、例えば送ったサーバーをきちんと運用できるのかといったごく基本的なところを話し合えずに今に至ってしまった。だから相手の知識レベルがわからないままマニュアルの類を作っている。不毛で不幸な、どたばたした数週間を過ごしている。こういうのは段取りとも引き継ぎとも言えない。

今日がその理不尽な忙しさのピークだった。
通常業務を止めず、引き継ぎと荷造りと手配を進行する。

遠くの上司が気を利かせて「午後にはみんなでお茶にでも行けばいいよ」と連絡をくれたが、そんな暇はまるで無かった。

取引先の人達だって「移転日になのに仕事もしている。こういうのは移転先が回り始めてから事務所を完全に移すものだ」と笑う。

 

さよならペンギン (ハヤカワ文庫 JA オ 9-1) (ハヤカワ文庫JA)

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この段取りの酷さは、例の「問題のある同僚氏」が関連しているのだが、もう深くは考えまい。今の仕事に就いたことを「100%の無駄な時間」とまでは言わないけれど、「野良犬に噛まれた」とは考えてしまう。いや本当に酷い目に遭った。
いや、自分はもうおっさんだからどんな状況でも何かしらの楽しみを見いだせるのだが、今日辞めた若い2名にとっては「純粋な災難」だったと思う。
どんな仕事であれ、「関わりたくない、忘れるのが最善」なんて時間を若者に過ごさせてはならない。
でもそんな2人が、最後まできちんと仕事をして、冗談を言って、笑ってお別れをしてくれた。彼女らはこの後に、友達になるのだろう。それはとても素敵なことだと思うのだ。仕事中と違って、もう愚痴無しでおしゃべりができるのだ。

 

さよならは小さい声で 松浦弥太郎エッセイ集

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とにかく一区切り。
温かく見守ってくれた周りの人達(いろんな会社が入っているフロアなのです)に感謝したい。
仕事であれ何であれ、辞める時、去る時は大切。出会いよりも後に響く。
賑やかに笑顔で部屋を出ること、そして誰かが言った「これで終わりだけれど、終わりじゃない」という変な表現がホラー映画じみた不穏さではなくてこれから先のことを指していると全員がわかってまた笑えたこと、そんな色々こそが希望ではないか。

良い人達と仕事ができた。いつかきちんとお茶をしたい。自慢じゃないが、お茶する場所には詳しいおっさんなのだ。

 

さよならのかけら

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お題「今日の出来事」