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フランス人はお菓子づくりを失敗しない。

ケーキ 料理

帰宅前に書店に寄り道。本を数冊購入。
とりあえず今読んでいるのが、「地元菓子」という本。

地元菓子 (とんぼの本)

どこか知っている雰囲気、と著者略歴を調べたみたら、あの「暮しの手帖別冊 徒歩旅行」の人だった。
この人の文章は、こういうほんわかした読み物のなかでは、かなり珍しい感じがする。地方に訪れてその土地の風物やお菓子を楽しむのだけれど、その土地の人や物には一定の距離を置く。共感や感情移入や配慮をせず、あくまで都会の人間としてこう感じたのだ、ということを隠さない。普通の旅行者よりも、その辺りの線引きがはっきりしている。こういう“素朴な暮らしと旅”が好きな普通の人達なら、いつの間にか「寄り添う姿勢」になってしまうし、それが良いことだと思い込んでしまうだろう。
人によっては、冷たいと感じるかもしれない。
僕はひとつの魅力だと思っている。余所者であること、もまた旅の楽しみであり、旅人はどうしたって余所者なのだから。

 

 

暮しの手帖別冊 徒歩旅行

暮しの手帖別冊 徒歩旅行

 

 

地元菓子 (とんぼの本)

地元菓子 (とんぼの本)

 
地元パン手帖

地元パン手帖

 

 

 

 

 

フランス人はお菓子づくりを失敗しない。

買った本の他に、なんだか気になるタイトルの新刊を発見した。
「フランス人はお菓子づくりを失敗しない」
びっくりした。
主語の大きさが絶妙、かつ、お菓子作りの本として珍しい。

たぶん「フランス人は余分な服を持たず、理想的な自我と生活を保つ術を身につけていて、さらに年収が少なくても幸せになる知恵に溢れている」みたいな一連の書籍・情報が氾濫した頃に企画したのではないだろうか。

あるいは、そういう「フランス人神話」を好む層に絞ったタイトル付けなのかも。

 

フランス人は10着しか服を持たない~パリで学んだ“暮らしの質

フランス人は10着しか服を持たない~パリで学んだ“暮らしの質"を高める秘訣~

 
フランス人は10着しか服を持たない2

フランス人は10着しか服を持たない2

 
フランス人は10着しか服を持たない コミック版 ファッション&ビューティ 編

フランス人は10着しか服を持たない コミック版 ファッション&ビューティ 編

  • 作者: 村田順子,ジェニファー・L・スコット
  • 出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ ジャパン
  • 発売日: 2017/04/13
  • メディア: コミック
  • この商品を含むブログを見る
 

 

ぱらぱらっと見本を眺めた限りでは、失敗のしづらいレシピが載った写真付きの料理本、だった。読んでも楽しめるし、レシピも使える、みたいな本。
コラムや街の写真も多くて、好きな人が買えば楽しめそう。
逆にフランス人の(完璧で理想的な)ライフスタイルを学びたい人、そして日本のダメなところを指差呼称したい人には物足りない気がする。

 

フランス人はお菓子づくりを失敗しない。

フランス人はお菓子づくりを失敗しない。

 

 

しかし「フランス人はお菓子づくりを失敗しない」である。僕は唐突に、西くんを思い出した。
学生時代の友人であった西くんは、決して挫折をしない男であった。が、彼は挫折に対する感受性というか受容体が無い男だった。何があっても挫折と感じない人間に、挫折は訪れない。
フランス人も似ているのかもしれない。例えばビスキュイが生焼けでも、「今日のビスキュイは柔らかくてぺたぺたしているね、ムッシュー」と言うのだ。ミスではなく、そういうものとして受け取れば、お菓子作りに失敗は無い。「今日のデザートは、シンクから下水に流れる、という形で完成した」とか。
こういうのを哲学というのだろうか。静岡の言葉では、詭弁というのだが。

 

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

 
四畳半神話大系 (角川文庫)

四畳半神話大系 (角川文庫)

 

 

鶏肉のカシューナッツ炒め

外食 静岡

鶏肉のカシューナッツ炒めを食べたくなった。
1年に2回くらいは、そういう気分になる。材料さえ揃えればまず失敗の無い料理だが(本格的に作るには油通しが必要だが、そこまでしなくても美味しい)、今日は仕事も遅くなってしまったし、帰宅しても夕食の用意もないため、外食で済ませることにした。

 

 

職場で聞いた、美味しいと評判の中華料理店に行く。
地元の人達が薦めるだけあって、なかなか混んでいる。でも、近所のお年寄りが餃子や炒め物をつまみ代わりにビールを飲んでいるような雰囲気で、食べ物が美味しくて繁盛している、といった感じはしない。

とはいえ、きちんと鶏肉のカシューナッツ炒めもメニューにあって、定食屋のような見た目とは違いいかにも中華料理店。
その鶏肉のカシューナッツ炒めと、ごはんとスープとサラダのセットを注文しようとしたところ、同じ価格で鶏の唐揚げもつくセットを薦められたので、そちらに切り替える。なんだかよくわからないが、そういうことなのである。
スープを豚骨ラーメン(小)に変えることもできる。これは50円の追加料金となるが、この店ではそれが当たり前らしく、僕もその提案に乗ることにした。
たぶん食べ過ぎて残してしまうだろう、と予想して、ごはんは少なめにしてもらった。

 

https://www.instagram.com/p/BSN6jzkD9HR/

 

唐揚げに時間がかかるからこれを食べていてね、とまずは焼豚の切れ端と胡麻油で和えたネギの小皿がサービスされる。お酒も飲まないのに“つきだし”みたいな感じ。次にたくあんと揚げたワンタンの皮。ごめんね最初に置かせてねー、と杏仁豆腐も。どれが無料なのか、セットメニューに含まれているのか、だんだんわからなくなってくる。

鶏肉のカシューナッツ炒めは、きちんと美味しい。
ピーマンは苦手な野菜だけれど、この料理ではあまり気にならない。いや、無ければ嬉しいかもしれないが、毛嫌いするものでもない。
鶏肉のカシューナッツ炒め、とメニューにはあるけれど、正確には鶏肉とカシューナッツ炒め、だよなあ、なんてことを食べながら思った。

ごはんは、少なめにしては多い。でも食べてしまう。
途中で豚骨ラーメン(小)がやってくる。小サイズといっても、高級なお蕎麦屋さんのざるそば位の量はあると思う。
さらに鶏の唐揚げ。ファミリーマートのレジ横で売っていそうなサイズのものが3枚。メニュー写真には無かったロースハムが2枚、ぺろんと添えてある(唐揚げにハムか…としばし眺める)。ガラス瓶に入った「塩漬けのラッキョウ」という品も「どうぞ」と置かれる。

どれも味は良い。が、いささか満腹であり、後半はわりと頑張って食べる羽目になった。
職場で話題になった際には量の事が話題にはならなかった。でも、見ていると周囲の客も何かしらの増量や追加を受けていて、注文する際にそれを先読みしている可能性がある。お年寄り夫婦の席に「これも食べなー」と餃子が届けられていたし、それを普通に「ありがとう」と食べていたから、基本的に胃が丈夫な人向けのお店なのかもしれない。
この店の厨房で作られる品の2割くらいは、注文外のサービスだと推測する。

祖父母の家が中華料理店で、孫として訪れたみたいな気分になってくる。

 

そして「少なめに」と伝えたごはん、その減量分は、なんと、おにぎりになって会計の際に渡された。若いんだから朝は忙しくても食べなさいよ、と励まされてしまった。若くないし、朝はきちんと食べているのだが、もちろんありがたくいただく。

この前の金沢旅行の際にも学生と間違われて料理をたくさんいただいてしまったが、どこかそういう、食べ物を与えたくなる貧乏学生のオーラが漂っているのだろうか。今のところケーキ屋ではそういう状況に遭遇していないのだが、いずれ誰かが恵んでくれるかもしれない。見た目は栄養過多だと思うのだけれど。

 

店名は、忘れた。
職場で場所だけ聞いて、ああそういえばありますねえ、と車で寄ったから、店の名前が記憶に残っていない。
まずはたくさん食べさせる、というコンセプトが明確かつ徹底していて、気持ちが良い。味も良かったし、価格もずいぶん安い(そしてオマケが多い)。
また近いうちに行きたい、とは思わないけれど、なにか中華料理に対する飢餓感が生じたら、第一選択として挙がる店だと思う。

 

 

 

「かねはち」の人達

家事 映画

用事があって榛原郡に行く。
帰りにローカルチェーンのスーパーマーケット「かねはち」に立ち寄った。

自分の住む土地からそれほど離れていないけれど、スーパーマーケット・チェーンの違いというのは、そのまま商業圏や食文化の変化に関連する。
「かねはち」の品は、「静岡県西部地方」の色が強い。珍しい魚や加工食品があるわけでも、見たことのないお総菜が並んでいるわけでもない。でも、扱うメーカーが違う、季節を彩る和菓子がちょっと違う、そういうものが見ていて楽しいし、つい買ってしまいそうになる。

その「かねはち」は、店員さんがとても元気だった。
レジに詰めている2名の婦人が、とにかく喋る。今時、あれほどレジから動かず、終始雑談ができるパートさんも珍しい。
でもそれでいいんじゃないかな、という馴染みかたをしていて、面白い。人徳というのか店の雰囲気というのか、たぶんAEONでは許されない気がするが、「かねはち」ではこれが正義なのだ。
それにしても、まるでピクサーかディズニーアニメの吹き替え音声みたいに元気でハイテンションな人達だった。ファインディング・ドリーの主役級の魚達がレジを担当しているみたいなお店だった。

 

 

鉄道コレクション 鉄コレ 静岡鉄道1000形 (分散冷房車新塗装) 2両セットB

同じスーパーマーケットでも、僕がたまに使う「しずてつストア」は、本当に落ち着いている。
ルールに則っているけれど無理に明るくフレンドリーにはしない、という方針を貫く女性の店員さんがお気に入り。この人は本当に地味で、年齢不詳で、栄養が足りていない風に見える。
でも、腕には「関ジャニ∞のライブで手に入れたリボン(?)を編んだ輪っか」をいつもはめている。その他のコンサート・グッズを身につけている時もある。きっとそういう“ハレの日”に発散するのだろうな、と想像する。ストーリーを感じさせる。
映画でいうと、カンヌ映画祭の「ある視点:Un Certain Regard」にノミネートされそうな、そんなスーパーマーケット、それがしずてつストア。
その店では、誰もが何かを抱えながら、バーコードを読み取っているのだ。何かのために、あるいは誰かのために。

Nゲージ 静岡鉄道1000系 集中型クーラー車(2輌セット)

今日の夕食は、その「かねはち」で買ったシラスを卵とじにしてみた。ほとんど夾雑物を取り除いていない、だから安いと説明文にある。
夾雑物、といってもプランクトンだ。食べても平気だし、僕はわりとこの小さな生き物が好きなのだ。イカの幼体なんて、得をしたきぶんになる。

さて、そろそろお風呂に入る。そして、寝る。

春季限定 法多山のお団子事件

和菓子

静岡県における神社仏閣関係の餅・団子菓子ベスト1に輝く「法多山のお団子」、その特別バージョンである「桜」を一箱いただいた。

餅の部分がうっすらピンク色。そして薄い桜風味がある。餡はたぶん普通のものと同じ。

もともとすっきりした甘みが持ち味の団子で、これに桜の香りがとても合う。
並んで買う類の限定版だと聞いた。そうなると、まず自分では買わない。法多山のお団子を買うために法多山に参拝するのは厭わないが、行列は嫌だ。

写真は、まだ撮っていない。
しかしこれは良い品である。以前、緑色の「緑茶」バージョンを食べたことがある。あれよりも好きかもしれない。

 

法多山縁起物語

法多山縁起物語

 

 

ところで今日は、やけに寒かった。
温度計の数字以上に寒い。冷たい、と言うべきか。
本来ならば部屋の多肉植物を外に出す時期だ。昨年の今頃は、カメラを持って駿府城公園の桜を撮っていたという。

さて寝よう。
昨日は久しぶりに早寝した。おかげで勤務中、ずいぶん身体の調子が良かった。身体というか心身というか。
こんなにも違うものなのか、と自分自身のことなのに驚いている。寝不足といっても、12時までには寝ているのに。
とにかくめっきり夜更かしに弱くなってしまった。対策は睡眠。昔は眠くならないお薬を売っていたよ、と教えてくれたのは死んだ祖父だったか。なにしろ幼稚園に通うくらいの歳だったから、「覚醒するクスリだね!」とは返せなかった。しかしそういうものが当たり前にあった時代からそれほど経っていないというのも不思議な気がする。

 

あ、この小説がとても面白かったです。
ネットロアと怪談と精神世界の素敵な混淆。
個々の状況はわけがわからないタイプの恐怖ばかり、なのにあくまで(全てが明かされないけれど)理の下で進むストーリー。読みやすさも抜群でした。続刊を希望する作品。

裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル (ハヤカワ文庫JA)

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カメラそしてトルコライス

トンカツ カメラ 料理

ソニー SONY デジタルカメラ DSC-HX90V 光学30倍ズーム 1820万画素 ブラックCyber-shot  DSC-HX90V BC

カメラが修理から戻ってきた。
最近のカメラらしくインターネットへの接続による機能の追加や、スマートフォンへの写真転送ができる。それはまあ便利といえば便利なのだが(機能追加はほとんど放置されている)、その設定がとても面倒だ。メイン基盤を交換したので、設定は初期状態となっている。

ネットワークの設定だから、パスワードやSSIDといった基本的なものばかり。でも面倒なのは、入力が小さな画面の小さなキーボードで行わなければならないから。しかも、タッチパネルではなくて、ボタン(もちろん小さい)をぽちぽちと押す必要がある。
さらにその画面上のキーボードが、入力項目よってケータイ入力式か、QWERTY配列か、よくわからないルールで違う。自分では変えられない。
こういう作業のつまらなさは、それこそファミコンスーパーファミコンの時代のゲームで経験がある。どうしてこんな操作性にして出荷してしまったのか、と思えてくる細部の雑さ。
これが無線LANへの接続程度なら、まだ我慢できる。
ソニーのなんちゃらネットワークへのログインが必要、とか言ってくるのだ。ソニーのカメラにソニー提供のアプリをインストールして設定するのに、メールアドレスやユーザー名やパスワードをわざわざ入れる煩わしさよ。
ソニーのサービスやインターフェイスは、当たり外れが大きい気がする。自分にとっては7割が当り、1割が我慢できる(外れだが納得できる)、そして残りは大外れである。
カメラ自体はとても気に入っている。それこそRX100や、前に使っていたミラーレス一眼よりも、使い勝手が良い。旅用カメラとしては十分過ぎる性能。日常使いとしては、スマートフォンとの使い分けが、自分のスタイルに合っている。

ともあれ旅先で壊れたカメラが無料で直ったのだから、とりあえず寿ぎたい。

 

ところで、この作業を通じて、我が家の無線LANルーターへのログインが、つまりユーザー名とパスワードが何処にも記録していない事が判明した。
なんとなく、自分のプロフィールや定番の文字列ではない強力無比なパスワードを編み出したことは覚えているのだが。こういうものは、どこかに何かの形で記録されている筈だが、それがどこにあるのか忘れてしまった。
友人知人の家の各種設定やアカウント管理や子供向け機能制限設定を何件か請け負っていて、それらは耐火金庫に整理してあるが、肝心の自分のことができていない。パスワード管理ソフトやブラウザの自動保存に頼り切りになっていた。

 

 

さて今日は、お昼に「トルコライス」を食べてきた。
ファミリーレストランのクーポンを知人から貰ってあったのだ。

トルコライス、聞いたことはあるが、食べたのは初めて。
不味くは無いが、これ、旅先だからこそ、の味だと思う。少なくともファミレスのこぢんまりとした盛り付けでは、ファミレスの定番食材の順列組み合わせ的なプレートでは、特に嬉しくなるものではない。
九州に旅して、駅前の食堂で注文して、うひゃあこんなにたくさん、胃がもたれちゃうなあ、とか思いながら、ピラフとエビフライとトンカツとスパゲティの皿を食べる、それこそが醍醐味だろう。
そもそもファミレスのメニューによると、スパゲティではなくてパスタとあった。アルデンテにしては柔らかいがとにかくアルデンテ的なものにトマトソースがまぶしてある、なんてものはトルコライス的ではないように僕は思う。やはりここはナポリタン、しかも具に乏しいものがふさわしいのではないだろうか。
ちなみに写真は無い。
ただ、同じ店の「ご当地メニューフェア」にあった「沖縄風そば」の写真をInstagramにアップロードした。「沖縄“風”そば」というのが、大人の事情を想像させる。

 

【のぼり+ポール白+ポール台16L】21201 トルコライス のぼり

【のぼり+ポール白+ポール台16L】21201 トルコライス のぼり

 

 

こんな風に、あまりぱっとしない日曜日ではあった。
雨で、しかも寒い。ただしのんびりと昼寝もできたし、今から部屋の片付けも終わらせてしまうつもり。読書も進んだ。
まあまあの休日だったと思う。

 

T2 トレインスポッティング〔上〕 (ハヤカワ文庫NV)

T2 トレインスポッティング〔上〕 (ハヤカワ文庫NV)

 

 

 

映画「たかが世界の終わり」と「羽海野チカの世界展」と、MARIATHANKの「イチゴとダックワーズのケーキ」。

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映画「たかが世界の終わり」を鑑賞。

予告編からの想像を超えた、胸に突き刺さる映画。
いずれ喪われるとしても、もう元には戻せないとしても価値のあるものとは何なのだろう、と今も考えてしまう。
教養が無くて悪趣味で、意地悪で貧乏で想像力に欠けている人達が何人も登場して、世に溢れる「欧米の中流以下ファミリー・中途半端な田舎の苛立ち映画」らしさはばっちり。でもそれだけではない、お涙頂戴の余地すらない真剣な作品だった。
構図と光の計算、そして音楽が素晴らしかったことも印象的。
いずれきちんと感想はまとめようと思う。
静岡市の「シネギャラリー」では来週金曜日までの上映予定。映画館で観るほうが集中できると思う。おすすめです。

 

 

 

 

 

https://www.instagram.com/p/BSDVQGBjmOe/

映画館からほど近い百貨店「松坂屋」で、「羽海野チカの世界展」が開催されている。

まあ実写映画のプロモーションも兼ねた巡回展だろう、と軽い気持ちで入ってみたが、これがもう心を揺さぶられるなんてものではなくて、あと少し突かれたら泣いてしまうような“威力”があって、驚いている。

確かに「ハチミツとクローバー」も「3月のライオン」も、大好きな漫画だ。短編集だって買ったし、Twitterもフォローしている。
漫画の原画展といえば、いつも技術に感心して、自分の好きな部分があれば嬉しくて、そこでしか手に入らないグッズを眺めて(たいてい買わない)、という楽しみ方が基本。
でもこの作品展では、表紙の原画やその解説、下書きを眺めているだけで、感情が揺さぶられてたまらないのだ。自分の過去とリンクしている(簡単に言うと若い頃の一時期に「ハチミツとクローバー」に出会ったのだ)という事情があるにしろ、どうしてこんなにざわざわするのだ。不快ではなくて、ただ説明がつかないだけ。
漫画を読んでいる時と同じ感動が、ばらばらのページで、手書きの跡が残る展示品で、より強く生じてくる。
陳腐な言い方になるが、これが生原稿の力なのだろうか。
こちらは全国巡回するのだと思う。

しかしなあ松坂屋、催事場の周辺だけでもBGMを抑え気味にしてくれないだろうか。ビートルズとフレンチポップスの繰り返しは、どうにも作品の、そして展示の雰囲気に合わなかった。
こちらもおすすめです。

 

 

 

 

https://www.instagram.com/p/BSDYEIFDtFC/

 

そしておやつは、MARIATHANKで。松坂屋からは徒歩数分。
ダックワーズの台にバニラのババロアがてろんと乗っていて、イチゴがたっぷり、そんなケーキを食べた。
しっかり甘くアーモンドが香ばしいダックワーズがベース。ババロアは優しく、イチゴの酸味が良いバランスとなっている。
ベース部分が甘いケーキは珍しいかもしれない。イチゴは案外、味が強いから、こういう組み合わせが美味しい。果物として食べる時は何も付けない派だが、ケーキとなると話は別だ。僕はイチゴのショートケーキより、このリッチな新作のほうが好きかもしれない。

 

 

さて、では寝ます。
明日は家のこと、工作や家事を進めたい。見たい映画もあるけれど、自重する予定。本当は「パッセンジャー」を観たいところだが、まあメジャーな作品だから急がなくても大丈夫だろう。

 

 これはメッセンジャー

メッセンジャー [DVD]

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こちらです。

 

 

車を隠し撮りする人達

仕事

友人の家、いや家というか小屋に行ってきた。
元は町工場の倉庫だった場所。売るに売れない事情があるらしく、親戚から引き継いだ友人が、趣味の小屋として使っている。電気は引いてあるし、トイレもいちおう生きている。でも水栓を締めているから、隣のショッピングモールを借用することが多い。
友人と周囲の人達(僕も含む)が電気工具やガラクタを置いていき、いつしか共用の工作室となってしまった。出入りするメンバーの何人かが片付けや棚作りを楽しむタイプであり(僕もそうかもしれない)それなりに整理整頓が行き届いている。
倉庫とはいえ完全に無人だとあっという間に荒れるから、バイクのレストアでもサーフボードのメンテナンスでも、とにかく誰かが活用するだけでも喜ばれている、とのこと。だから今のところ家賃は無し。電気代の足しにと、飲み物や食べ物を差し入れする程度の、雑な共用状態で数年間使わせてもらっている。

その敷地に、近くの工場の人達がカメラを据えることになった。
一部上場企業の製造部門だから、きちんと土地への出入りから目的まで書面付きの説明があった様子。
曰く、朝夕の通勤時に、マナーの悪い従業員が目立つ。安全活動の一環として、各所で隠し撮りをして、当社のマナー違反者をピックアップしたい。つきましてはこの一時停止線が見える敷地に、夕方だけ入らせてもらえないだろうか、とその事業所の安全衛生管理部門担当者から。

なるほど確かに、こう言ってはなんだけれど、ガラの悪い「現場のおにいちゃん」達が、駐車場からがんがん飛ばして交差点に突っ込んでくる。たぶんこの隠し撮り活動を言い渡されているのだろう、急ブレーキで止まるか、あるいは曖昧に減速して、またスピードを出して去っていく。

抑止力、という狙いは理解する。でも共感しない。
なにしろ隠し撮りである。公道を、つまり従業員以外の車や歩行者も撮るのだ。その辺りの配慮とか考慮はしたのだろうか。

僕が昔勤めていたところでも、この種の「交通安全のための隠し撮り」が企画されたことがある。
そもそも通勤時間は勤務時間ではないこと、つまり労災保険が適用されるのは、労働に必ず付随する時間帯だからであり、私的時間への干渉は交通安全の取り組みとして正しいのか否か、はずいぶん話し合った記憶がある。周辺住民の理解も必要、撮れた画像と本人との紐付けが正確にできるのか、といった問題もあった。

何よりも大きな問題として、一時停止違反の車を撮影できたとして、それは警察に報告すべき事柄なのか、それとも社内の問題として扱うに留めるべきか、まで考えて、どうにも判断ができなくなってしまったのだった。法務部に相談するよりも、他の案を考えたほうが賢明である、という判断になったのだった(そして、朝から旗を持って歩道に並んだ。無意味だ)。

で、今日はその「隠し撮り班」の人達と話す機会があったため、その「もし一時停止違反の同僚がいたら、警察に連絡するのか」を聞いてみた。
そんな事は考えた事が無かった、とか、いやこれは社内の取り組みだから、とぼんやり否定する言葉しか聞けなかった。
警察への協力は市民の義務だが、会社の交通安全活動はその例外らしい。

会社にしろ役所にしろ、こういう「とりくみ」に関しては、ずいぶん考えが足りないなあ、と思えるものが多い。企画段階で、既定路線が引かれているのだと推測する。手段が目的になっている。

生真面目な事を言わせてもらうと、この「隠し撮り班」的な考えの浅さは、要は安全に対する真剣さが足りないのだと思う。誰も、正当に成果を挙げる、なんて風には考えないのだろう。リソースの無駄遣いが直接は怪我や事故に繋がらないからこその、緩さである。じゃあ止めておこう、と提言するよりも楽なのだ、無駄遣いや思考停止のほうが。

僕の個人的見解としては、ひとりひとりが経営者視点なんてものを身につける前に、安全活動の本質や労働安全衛生法の意義を考えたほうが、仕事の無駄は減るんじゃないか、と思っているのだが、どうだろう。

 

 

ラ・マシン カルネ・デ・クロッキー 写真とデザイン画集

ああそうだ、まるで関係無いのだが、この写真集・画集が欲しくてたまらない。

ラ・マシン カルネ・デ・クロッキー 写真とデザイン画集

ラ・マシン カルネ・デ・クロッキー 写真とデザイン画集

 

ちと高いが、買う価値がある。買わねば。
 こういうの大好き。


Les Machines de L'ile, Nantes, France


Les machines de l'Ile @ Nantes : Le réveil de Kumo