棒々鶏

 帰宅したら、台所にメモがあった。「出かけます。夕食は棒々鶏です。母」とだけ書かれている。父は登山&温泉旅行のため留守にしている。

 冷蔵庫には、蒸した鶏があった。野菜室にキュウリもある。棒々鶏ってサイドメニューっぽい気がするけれど、キュウリと蒸鶏で他に作れる料理も知らないので、とりあえず作ってみた。レタスとカイワレ大根も使う。シメジも添えてみた。

 そこまで作ったところで、脳内の「もうどうでもいい」スイッチがONになった。疲れていたし、空腹でもある。あと何品か作る気力が無い。幸い、冷凍庫にはご飯があったから、それを温める。最後の気力を振り絞って、とろろ昆布と鰹節と梅干しで澄まし汁を用意した。

 実のところ食べるのさえ面倒だったのだけれど(カロリーメイトで済ませたかった)、でも作ったからには食べなければならない。身体にも悪いし、棒々鶏はできたてが美味しい。
 ご飯と棒々鶏を交互に食べる。ずいぶんたくさん作ってしまったので、妙な食べ応えがあった。
 そしてきちんと、棒々鶏は主菜として成立していた。他には澄まし汁しか無いのだから当たり前なのだけれど、でも佃煮や漬物の助けを借りずとも、ご飯を食べることができた。

 しかし母のメモは、時々よくわからない。なぜ棒々鶏なのだろう。普段の食卓に棒々鶏が並んだ事は無いし、急な外出の際にメモ書きして指定する必要があるのだろうか。キュウリだって最近は高い。
 そしてその謎のメモに従ってしまう自分も、よくわからない。たぶん疲労しているのだろう。明日から連休で助かった。のんびり休養しようと思う。

 

料理の基礎の基礎 コツのコツ (だいわ文庫)

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