セルは電子の小部屋です。

今日もパソコン講習。Microsoft Officeのデータベースソフト「Access」について習った。
かなり基礎的な、というか「これはセルです」みたいな話が8割だった。
「これがセルです」なら、まだいい。今日は「セルは電子の小部屋です」といった、妙な説明がほとんどだった。こういう講習に参加していると、世界がぐにゃりと曲がりはじめる。
そういえば「コンピュータウイルスが増殖することを、ウイルスコピーといいます。個々人の努力で防がねばなりません」といった“余談”もあった。僕の知らない言葉で形作られたデジタル世界が、そこにある。

 

  

 

 

 

ともかく、ぐったりと疲れて帰宅。
居間では母がExcelで悪戦苦闘していた。前任者から引き継いだ、趣味の会合の連絡網を編集している。
この連絡網が、とんでもなく自己流で、つまりは「印刷した時の見栄え」だけを気にした作りだった。編集するだけでレイアウトが乱れる。止めればいいのに、イラストなどが余白に配置されている。
なにしろ文字はセルに入力されていて、そこにぴったり合うように図形が配されている。ぴったり、とはいうものの目分量だから、当然ずれるのだが、そこまでは気にしない。

色々と解説するのも面倒なので、最初からWordで作りなおして、その後に母に引き渡した。正式な作り方さえ知っていれば、連絡網ならば5分で作れる。それにもちろん、印刷した時に文字がはみ出たりすることもない。来年からの改訂も楽だ。

 

前々から不思議に、そして不満に思っていることの1つが、日本人のExcel信仰だ。何らかのレイアウトを伴う書類を作る時に、WordではなくてExcelで作ろうとする。役所から届くデジタル文書も、Excelを駆使したものが多い。
Excelは便利なアプリケーションだとは思う。しかし元々は、分析やグラフ作成のために作られているものであって、マイクロソフトのデザイナーも、日本の老人達(に限ったことではないが)のニーズに対し「そういう印刷物はVisioかWordを使え」と言いたいのではないだろうか。

Officeシリーズを早く正確に使おうと試みると、自然と「マイクロソフトの意図」が伝わってくる。それができない人は、教則本かパソコンスクールに通えばいい(ただし「セルは電子の小部屋です」みたいな講習は避けるべきだ)。

しかしOfficeシリーズがこれだけ浸透しているのに、自然とセンスの良い書類を作る(作らされる)機能が開発されていないのは不思議ともいえる。きちんとメニューにはあるのに、多くの人達そこにマウスポインタを誘導できないというのは、残念なことだ。

それから、いつになったらペーパーレスの時代が来るのか。紙は便利なメディアだが、それにしても印刷物が多い。たぶん人間が進歩していないのだろう。あるいは印刷物になっただけで満足していて、デザインにまで気が回らないのかもしれない。

 

 

 

 

コンピュータの読み物としては、この本が面白かった。新書版より前、普通の本で出た時に買って、いまでも時々読み返す。パソコンやスマートフォンに対する基本姿勢が、読むだけで変わる。
あなたはコンピュータを理解していますか? 10年後、20年後まで必ず役立つ根っこの部分がきっちりわかる! (サイエンス・アイ新書)

 

 

 

 

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