怠惰、山菜、警察官。

休日。
びっくりするくらい、何もしていない。今だってまだ驚いている。
疲れが溜まっていたし予定も無いから怠惰に過ごすつもりではあったが、それにしても…と呆れてしまう。これくらいに何もできていないと、ものすごくもったいないと思って、気分が暗くなる。

 

 

それでも何かあったはずだ…と思い出したのが、警官とのやりとり。
夕方に散歩を兼ねた買い物のために外に出たら、玄関の外で警察官に声をかけられたのだった。
近所のアパートにパトカーが3台と、交番のスクーターが停まっている。
そして、警官がたくさん集まって、個別訪問しているらしい。

「変な人物を見なかったか?」
「この家の住人か?」「住人であることを示すものを見せてほしい」
「今からどこに、何をするために行くのか?」
「どうして車ではなく徒歩なのか?」

…といったことを聞かれた。
ドラマならば「おまわりさん、ねえ、何があったんすか?」と聞けば親切に教えてくれるけれど、僕が「何があったのですか?」と質問しても、はっきりしたことは教えてくれない。「ちょっと確認したいだけなんだ」と言って誤魔化されてしまう。

パトカーが停まっていたのは、若い家族ばかり住んでいるアパートなので、何かしら住人に関する事件(?)があったのだと思う。窃盗か、家族内でのトラブルなのだと推測する。あまり変な噂が立つのも悪いから、こうして穏便かつ曖昧な情報収集をしているのではないか。

よくわからないけれど、別にこちらに不都合は無いし、丁寧な態度だったため、知っていることは全て答えた。
これくらいは、小市民としての基本的な行動である。そしてこれ以上に踏み込んだことを聞くのなら、捜査令状が菓子折りが必要となるだろう。

 

 

ああ、思い出した。
今日の出来事は、もうひとつあった。
夕食の準備を全て終えた頃に、近所の老人が山菜を届けてくれたのだ。
「山で採りすぎた」とのことだった。
「家に持って帰ると、かあちゃんが怒る」とも言っていた。なるほど、僕は怒らない。
しかし実に面倒である。
「できるだけ早く食べないとエグみが出る。明日には苦くなる。調理法は、天ぷら一択である」と言う。

正直なところ、今晩の献立には全く合わない。それに天ぷらなんて面倒臭い。
ディスポーザーに放り込んでしまいたい気分だったが、ぐっと我慢して「ごま油多めの野菜炒め」にしてみた。大昔にキャンプをしていた時には、大抵の野草は「ごま油多めの野菜炒め」にすれば食べることができた。
そしてこの(名称不詳の)山菜も、きちんとおいしく食べることができたのだった。

食べながら「これ、明日に食べても大丈夫そうだな」と思ったことは、ここだけの秘密だ。老人のアドバイスは、大げさになりがちである。

 

 

怠惰だけど警察官と話したり山菜を食べたりと、ごく小さな非日常もあった。そんな日曜日だった。

 

お題「簡単レシピ」

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