中秋の名月ということで外に出て空を見上げてみたが、雲に隠れてぼんやり光っている様子しか見えなかった。
とはいえ、県内でも20km離れれば雨が降っているというので、雲に隠れていても十分に「月見」と言ってしまっても良いはずだ。
でも我が家では月見団子などは用意しない。
少し考えて、夕食の肉豆腐に温泉卵を落としたのが最も高い月見要素ではあるけれど、そんな情緒的な行動をとるのは自分だけである。

ところで今夜は久しぶりに「ドラゴンクエスト3 HD-2D」の続きを遊んだのだった。
このリマスター版ドラクエ3は春に遊び始めて、もう最後の敵は倒してエンディングは見ているのだが、その後の「やりこみ」用のダンジョンが中途半端なところで終わっていたのだ。
確かファミコンやスーパーファミコンの時代には、こんなオマケ要素は無かったはずだ。
ものすごく強い敵が現れ、強い武器がたくさん手に入り、ややこしい仕掛けのダンジョンを攻略することができる嬉しいオマケではある。
でも、なんだか大味というか、攻略というほど頭を使わず、ただ時間をかけて味方を強化して突き進むだけのダンジョンなので、あまりおもしろくはない。今日は久しぶりに遊んでみたのだが、もう全くやる気が失せてしまった。
敵は強いといっても、攻撃力や防御力といった数字が大きいだけ。しかも見た目は普通の敵の色違いばかりなので、最近のモダンなRPGに比べて驚きもないし、工夫する要素も少ない。
そもそも、味方を育てて転職を繰り返せばいくらでも強くなるゲームなので、こうなると完全に"作業"となる。
そもそもこの「ドラゴンクエスト3 HD-2D」は、全体的にリメイク部分が肌に合わなかった。
思えば、大昔の元祖ドラゴンクエスト3はリーンなハードブレッドのようなゲームだった。そっけなく不親切で、だけど想像と工夫の余地があった。水と小麦粉と酵母だけで作るパンと同じで、特別な奥深さがある。
それに、バターや卵や生クリームを足してリッチなパンに仕立て上げたのが、今回の「ドラクエ3 HD-2D」。グラフィックが美しくなり楽しい要素も増えたけれど、かつてのドラクエ3らしさは消えてしまった。ふわふわの甘いパンは、僕の求めるものではなかったのだ。
しかも、そこにマヨネーズやチーズを乗せて焼いたせいで、生地の高級バターも良い塩の味もわからなくなってしまったような、残念な印象がある。
現代の嗜好に合わせたせいで、中途半端なものができあがってしまった…と思わずにはいられない内容だった。
厳しいことを書いたが、実のところ遊んで損をしたとは全く思わない*1。
良い改変もたくさんあった。楽しいゲームだった。
ただ、序盤からクリア後まで、様々な部分で残念に思うところが多々あったのだ。
どうやら「ドラゴンクエスト1」と「ドラゴンクエスト2」の「HD-2D」版も発売されたようだが、とりあえず今は遊ぶ気がない*2。たぶん初期のドラゴンクエスト・シリーズは、リメイクがとても難しいのではないかと思っている。当時は理不尽なゲームバランスや不親切なシステムに四苦八苦したけれど、そういう部分を整えるだけでは商品にしづらいし、かといって今のリッチでモダンなゲームに作り変えたら持ち味が消えてしまう。どうしても老人の繰り言じみてしまうが、過去の名作のリメイクは本当に難しい。




