苦肉の策のナスカレー

近所の人からナスをいただいた。しかも、ずいぶんと沢山ある。
中年と高齢者の2人暮らしでは、ナスを主食にしても6日間は食べ続けられる量だ。でも実際にはナスなんてそれほど沢山は食べられない。

しかも僕はナスが苦手だ。どういうところが嫌なのか上手に説明できないし、会食の場で出されたら残さず食べる。でも自分から喜んで食べることはないし、口にする時だって「別に毒じゃないから大丈夫だもん」と心で唱えながら飲み込んでいる。

 

 

さてどうしようと考えた。
そして仕事用のLINEで皆に質問を投げかけた。自分で嫌いな食材について考えても良い答えなんて無理だから。

ラタトゥイユ」が第1候補になった。
確かにラタトゥイユは食べやすい。だけど今日はトマトもズッキーニも無い。ナスだけでは成立しない。

 

 

第2候補は「ナスカレー」だった。
「カレーにすれば野菜嫌いの子供でも喜んで食べる」のだという。子供が喜ぶのならば中年男性の僕でも喜ぶ、という理屈だ。心の中では「どうだろうね」と思うけれど、他は焼きナスや砂糖漬け(!)といったメニューばかりなので、このナスカレーを作ってみる。

幸いなことに、ちょっと良い感じのスパイスカレー・キットが手元にある*1。肉も他の野菜も冷蔵庫にあった。

なので刻んだナスを大量に使って、ナスカレーを作ってみた。
なんだかとても色の悪い、そしてナスっぽさ溢れるカレーが出来上がってしまった。

食べることができるが、それでも好んで食べたいとは思わない。
しかし、大量のナスを使ったナスカレーは、もちろん量が多いのだった。

 

 

とりあえず半分は小分けして冷凍した。
誰かに譲れるのならば、さっさと渡してしまいたい。
ナス風味を引けば、きちんとおいしいスパイシーなカレーになっている。ナスが良い仕事をしていることもわかる。だから、ナスが嫌いではない人ならば、このカレーは喜んで食べることができると思う。

だけど僕は駄目だ。繰り返すようだが"自分にとっては"ナスの入ったナスカレーは「喜んで食べる」ようなものではなかった。

 

 

そんな木曜日は、とても平和。
空気は涼しく、洗濯物はからりと乾き、昔の知り合いからは元気だと連絡があった。
ただナスだけが余っているのである。

 

お題「簡単レシピ」

*1:これもいただきものだ

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