わんぱく水辺ランド 湯日川親水公園

所用にて吉田町や牧之原市へ行っていた。
休憩と気分転換に「わんぱく水辺ランド」なる公園へ立ち寄ったのは、15時頃だったか。

ほとんど人のいない、廃墟のような公園だった。
ぐるっと全体を歩いただけだが、なんとも印象的な場所。なので記録しておく。

 

 

吉田町の沿岸部、県道31号線から見える謎の公園として認識していた施設だ。
今日は偶然に近くを通る機会があったため寄り道をした。
バイパスから見える風車からして寂れている雰囲気があったが、実際に立ち寄ってみると想像以上。
遊具が少なく広場の多い親水公園といった趣の場所なのだが、ここまで荒涼としていながら立入禁止にもなっていないところは珍しい。

 

 

湯日川の河口の干潟・中洲を利用した公園のようだ。
自然そのままではなくて、人工島にいくつかの橋がかかり、その周囲は水路と遊歩道になっていて、散策ができる構造。

 

干満の差に対応しているウッドデッキや、ロープを使ったアスレチック、現代アートなのか子供用遊具なのかわからない金属パイプ、それに東屋がいくつかある。

 

 

しかしどの施設もほとんど手入れがされていない。
なにより、全体が膝丈の草で覆われていて、とても歩きにくい。
適当に歩いていると、湿り気のある窪みに足をとられることもある。

 

 

そして、流れの緩い河口部分と、淀んだ水路からは、ずいぶんと強い匂いがする。
これから暑くなってくるとさらにひどくなりそう。
これも自然の匂いといえるのかもしれないが、昭和時代の「どぶ」を思わせる腐敗臭は、人によっては嫌がるだろう。

 


自然豊か…というほど生物の姿が見られないのは残念だった。
橋の上から見下ろせば大きなカニが水中で穴を掘っているし、大きなゴイサギもいる。
季節になればテナガエビなども捕れそうだ。

しかし、小魚や鳥は想像よりも少ない。
それこそ近くの吉田港などのほうが、たくさんの生き物に出会えそう。

 

 

それよりも、雑草が多くて、これからの季節はダニや蚊に苦労するだろう。
今日もユスリカやコバエの大群に遭遇した。

 

 

何かしら凝ったコンセプトを持って作られたであろう島と橋だが、今となっては「どうしてこんなところにあるのか、なぜこの素材なのか、見ただけではわからない公共施設」となっている。
安全性は保たれているようだが、美観を保つ努力がされていない。
人工的な廃墟といわれたら信じてしまいそう。

 

 

この種の公園には必ずいる、公園の手入れをする高齢者集団さえも見かけなかった。犬の散歩をする人も、釣り人もいない。ゴミがほとんど無かったのは、それでも整備がされているのか、やんちゃな田舎者さえ近づかないのか、今日だけではわからない。

誰もいない広い公園。草は生い茂り、遊具もベンチも葛や灌木に覆われつつある。
「滅びつつある近未来日本」を撮りたいのなら、この公園は良い撮影場所になりそうだ。

 

 

これだけの規模の公園だ。
この地域ならば、防災(地震津波対策)の場所として整備することもできるだろう。周囲は中小企業や倉庫と畑ばかりだが、住宅だって多少はある。
駐車場とトイレだけは整備されていて、でも公園内は廃墟じみているという、ちぐはぐな場所だった。
大きな公園としては、近くにある県営吉田公園に役割を譲ったのかもしれない。

 

 

繰り返しになってしまうが、不思議な公共施設だった。
これで封鎖されていないのだからおもしろい。
これから先は、こういう場所が増えるのだろうか。
地方の人口減少は、たぶん風景をあっという間に変える。その最先端を見たのかもしれないと、帰路に考えたのだった。

 

 

お題「わたしの癒やし」

 

 

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