休日。
どこか気の利いたところに行こうと思っていたのだが、倉庫や庭の片付けをしていたら半日が過ぎてしまっていた。
父が数年前から家庭菜園に目覚めて、庭のあちこちにプランターや小さな畑を作っているのだ。でも彼も老いて、綺麗に片付けることができない。
錆びた支柱や園芸用土のビニール袋、撰定した枝、作物の名前が書かれた札など雑多なものが庭のあちこちに放置されている。
客が来るような庭ではないけれど、そういったゴミは少ないほうがいい。
そして、こういう片付け作業というのは、始めると止まらなくなるものなのだ。

結果としては、遊びに行かずに家のことを済ませて正解だったと思う。
トマトなんて買えばいいと思っている自分だが、綺麗になった庭を見るのは気分がいい。庭に関しては、あれこれ足すよりも整えるほうが好きなようだ。
午後には伯母の住んでいる老人ホーム的な施設に行った。
数ヶ月ぶりに感染症対策の隔離が解けたのだ。といっても、まだ高齢者たちが住むフロアに入るのは制限されている。
新型コロナに限らず、感染症の大半は弱いものを最初に追い詰めるのだ。この施設に来ると、それがよくわかる。
久しぶりにアマビエが掲げられているのを見た。アマビエのクチバシには、誰かが作った布マスクがぶら下げられていた。

伯母はとても元気そうだった。
週に何回かの外出で買い物を賄っていると聞いたが、話をしているとお菓子がどんどん出てくる。静岡県内では手に入りづらい鳩サブレーさえある。
刑務所の中で何不自由なく暮らすマフィアのボスみたいだ。
今日は伯母と従姉の間でテレビ会議っぽいことができるように機器を設定してきた。
頭も体も元気な伯母だが、こういうものは先を見てシンプルにしたほうがいい。コンセントに繋げば相手と通信できるように設定して、念の為にリモートで僕が操作できるように仕込みをした。何かあったら、僕が悪者になりそうな仕事である。
でも今日の報酬(?)として、缶入りの鳩サブレーをいただいてしまった。
賞味期限はずいぶん先だが、今日はもう2枚も食べた。
久しぶりに食べたが、とてもおいしい。お土産としては異常なほどの高品質に思える。ケーキ屋さんのギフトコーナーにある1枚で500円くらいする手作りクッキーよりおいしい土産用の洋菓子なんて、他にあまりない。
そんな日曜日だった。
トマトと挽き肉でミートソースを作り*1、ご飯を炊き*2、少し風邪っぽい父のためにカレーを作った。
風邪のときはカレーを食べると良い、とテレビで言っていたそうだ。テレビの言うことを鵜呑みにする父は、どこから見ても老人である。10年前だって老人だったが、さらに老いた。そのことに、少し驚いている。




