大根とツナ缶

帰宅したら、玄関ポーチに大根が置いてあった。
大きいのが2本に小さいのが2本。

この場所に農作物を置く人は決まっている。近所に住む父の友人で、野菜は彼の家庭菜園で穫れたもの。
いつも食べきれないほど作り、こうして我が家にもお裾分けが来る。

この物価高の時代に、食べ物のお裾分けはありがたいものだ。
しかし大根は数日前に(同じ人から)貰ったばかりで、さらに追加されたかたちとなる。これは正直なところ困ってしまう*1
取り急ぎ1本を切ってみたところ、いわゆる「スが入った状態」となっていた。
いや「鬆」というよりもスポンジや海綿に近い部分もある。
さすがに食べられない部分は切除して、残りの部分を大根おろしにしてみたのだが、不思議なくらいに泡立ってしまった。スが入った大根は泡立つなんて、この歳になって初めて知った。

 

 

大学生の頃に買った「オレンジページ」の特集ページ「大根1本使い切りアイデアメニュー」でも「スの入った大根は、どうしようもない(大意)」と書かれている。
でもまさか、大根おろしにも使えないとは予想外である。

いただいた品に文句を言うのは良くないことだが、この大根は正直持て余している。親戚や知人にお裾分けのお裾分けをするにも躊躇われる。

仕方がないので、銀杏切りにして干すことにした。
干して冷凍して、この件は来月に持ち越すことにした。来月の自分が問題解決をしてくれるはずだ。再来月には科学技術の進歩により、この大根を人類は克服できるかもしれない。コールドスリープはSFの基本である。

 

 

そういえば、ツナ缶と大根で作った煮物が静岡県中部の郷土料理だと聞いたことがある。聞いたことが…というよりも子供の頃にそういう話と共に学校給食で提供されていた。
清水区(当時は清水市)の地場産業としてツナ缶があったから、だと思う。とにかく学校給食で郷土の味を取り入れることが流行っていたのだ。

でも大人になってから、ツナ缶と大根の醤油味の煮物が郷土料理なんて話は聞いたことがない。清水出身の両親は作るけれど、どう考えても「ありあわせ」の料理だった。

そもそも最近はツナ缶がずいぶんと高くなった。
清水区に行けば工場や問屋の直売所もあるけれど、別に安いわけではない*2。大根と煮るのならば、スーパーマーケットに行って鶏肉か豚肉を買うのが手っ取り早い。
僕はツナ缶ではなくてカツオかマグロの切り身を使うこともあるけれど*3、もしかしてこれが実家の味なのかもしれない。

 

 

それにしても黄砂がすごい。
そのまま拭くとメガネに傷がつきそうなので、行く先々の洗面所でメガネを洗ってから拭いていた。外を歩く機会が多く、目を使う仕事もあるので、メガネの汚れは気になるのだ。泡の洗浄剤を買ったほうが良いかもしれない。

 

お題「簡単レシピ」

*1:本当は大根よりマカロンが欲しい。でもそんなこと、誰にも言えない。

*2:むしろプレミアムな高級品が並んでいて、それはそれで楽しいのだが。

*3:生姜も使う。

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