
普段より早く目が覚め、夕食を仕込んでから家を出た。それが今日の出来事。
朝早くに、煮豚を作ったのだった。
昨日、ほとんど何も考えずに安売りの豚肉(肩肉かたまり)を買っていた。どういう使い方をするのかは決めていなかったのだが、煮豚の夢を見たため、今朝はその夢に倣って醤油味の煮豚にしたのだった。
煮豚の夢…とはいうけれど、正確には紅茶豚の夢だ。
手元の古い料理本では「豚肉の紅茶煮」と書かれている紅茶豚。
紅茶によって色と風味をつけた煮豚で、本来は「紅茶で豚肉を煮る→漬け汁に入れて味を染み込ませる」の二段階を経て完成する。濃いめの漬け汁には酢を入れることもあるそうだ。
僕が作る時は、濃いめの紅茶に薄めの味付けをして煮ることが多い。
昨晩の夢では、この紅茶にアールグレイを使っていた。
このままではベルガモットの風味が肉についてしまう、と焦ったのを覚えている。しかもカフェインレスだ!と夢の中の自分は困っていたが、冷静に考えると困る理由はわからない。
なにしろ夢のことなので、いくぶん支離滅裂でも主人公たる自分は気づかないものなのだ。匂いの要素がある夢は珍しいが、もちろん夢の中ではそのことも気にならなかった。
完成したら案外普通で安心…みたいなオチだった。
オチのついた夢は珍しい気がするが、だからこそ印象に残ったのだろう。
その夢に影響されて、早朝から煮豚を作ることにした。
紅茶豚でもかまわなかったのだが、さらに手抜きをして「煮るだけの煮豚」を、真空断熱調理鍋に仕込んだのだった。
手順はこんな感じ。
- 酒とみりんと水を鍋に入れて沸かす。
- ヒガシマル ラーメンスープの素™を入れる。
- 豚肉を投入。
- 四ツ割にした玉ねぎ、大きめに切った人参を投入。
- ネギの青いところを投入。
- 5分ほど煮てから、真空断熱調理鍋(シャトルシェフ)に入れる。
- 家を出る。
今日は午後から自宅作業だったので、昼過ぎに再加熱をした。シャトルシェフのマニュアルによると8時間以上の放置は禁忌とされているので、再加熱ができなければ朝に仕込むのは危険かもしれない*1。
ネギは捨て、肉は切り分け、醤油を足しつつ少し煮詰めたら完成。
ラーメンスープの素はこういう手抜き料理の時に便利だ。ラーメンを作る時に使ったことはないが、純和風*2とは少し違う感じの煮物・煮込み料理には1袋で味が決まる。
ラーメンというのは、出汁の素材や塩や醤油以外にも、香味野菜の類が多く使われているのだ。とにかく一発で味が決まるため、一人暮らしをしていた時から常備している*3。
朝食の準備と並行して10分ほどで仕込んだわりには、とてもおいしい夕食のおかずができた。シャトルシェフの特性上、煮汁が多くなってしまうので、これで煮豆かなにかを作ろうと思う。
以前、煮豚に豆腐か厚揚げを入れるとおいしいと聞いたことがあるので、それも試してみたい。
という感じで、思いがけず夢(変な夢)に影響されて、朝に少しだけ頑張ってしまったのだった。自分としてはとてもめずらしい。おいしくできて、夕食の準備の手間が減ったから良かったものの、平日の朝の気まぐれは本来あまり褒められたことではない。
反省はしないが、次に変な夢を見ても同じことはしない。
早く起きたのなら、二度寝をするのが正解だと思う。






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