ずいぶんと早い時刻に帰宅した。
自宅でパソコン仕事をぽちぽちと行っていると、隣家の小学生が叫んでいるのが聞こえる。
「雪だ。雪が降った」と、一人で大騒ぎしている。
なるほど今日はことさら寒かった。
いつもシートヒーターとハンドルヒーター、それにエアコンを切った状態の空調のみで車を運転しているが、今日はエアコンも使った。どうやら僕の車は、高温の冷却水を使った従来型のヒーターと、エアコン(ヒートポンプ)によるもの、2種類の暖房設備があるようなのだ。前者は省エネ、後者は早く温まる。
いつもは前者にハンドルやシートの加温で事足りているが、今日はさすがにエアコンに頼らなければ空気が冷たい。
昼は静岡市の平野部にいたのだが、北の山のほうを見ると全体的に暗かった。15kmほど遠くの山は、夏ならば雨雲に覆われているような感じで、もっと遠方の山は冠雪している。
それでも雪が降らないのが静岡県中部の平野部なのだ。雪とは、高速道路から降りてきた大型トラックが落としていく黒い塊か、遠くの富士山に積もっているもの。あるいは、ローカルニュースで紹介される、遠方から幼稚園に運ばれて園児を喜ばせるもの、なのである。
それくらい珍しい雪が降っているというのなら、自分も見ておきたい。
というわけで庭に出てみたが、ほんの少し雪片が舞っているだけだった。
「風花」というほどの密度もなく、傘もワイパーもいらない程度のまばらな雪が、強風のなかふわふわと飛んでいる。それを隣の小学生は、「雪が降っている」と喜んでいるのだ。
頭の上は晴天で、遠くの山は雲に覆われている。強い北風が、そこから雪を飛ばしたのだろう。
もちろん、そんな雪はすぐに溶ける。夜中にも氷点下にならないことも多いのだから、夕方にふわふわと飛んできた雪が保つわけがない。
それでも、今夜は気温もぐっと下がるだろう。
そして、金属の柵や車には、付着した雪の欠片が溶けずに残るかもしれない。3mmから6mmの、うっすらとした氷のような雪の名残だ。
それを朝に見つけた静岡の小学生は、こう言うはずだ。「雪が積もった!」と。
自分が子供の頃がそうだった。気候はずいぶん変わったし、10年に1回くらいは"本物の雪"も降るけれど*1、僕が住んでいる土地は、そういう場所なのだった。

そんな寒い水曜日のお昼は、五目炒飯だった。
朝が忙しくてお弁当を作る余裕がなく、午前中の訪問先で教えていただいた中華料理店でお昼ごはんを済ませてしまったのだった。
なかなかおいしい…というか清水区では最もおいしい炒飯かもしれない。店は小さく古く、全く目立たない”町中華”だが、店の雰囲気も落ち着いていて良い感じ。
食事はともかくコーヒーが飲みたいなあ…と思っていたら、炒飯を食べ終えた頃にコーヒーが運ばれてきた。「ランチタイムは何かしらサービスをしていて、今日はコーヒーしか無くてもうしわけない」と店員さんは言う。
自分にとってはサプライズプレゼントである。炒飯の後にコーヒーなんて人生初で、正直なところ素敵な組み合わせとも思わないけれど*2、今日はとにかくコーヒーが飲みたかったのだ。
寒くて、雪が舞って、五目炒飯を食べたらコーヒーが付いてきた。
そういう日だった。
今だって寒い。夜に散歩がてらスーパーマーケットへ行くつもりだったが、断念した。こんな気温では風邪をひいてしまう。明日の朝のヨーグルトについては、明日に考えればいい。
では寝ます。おやすみなさい。






