所用で静岡市の北部や本川根町へ行っていた。
林道や渓谷、観光鉄道(大井川鐵道)はあるけれど、人も店も少ない土地だ。
そんな地域だから、お昼ごはんを食べる場所は苦労する。
町役場のある集落などは、定食から蕎麦まである食堂などもあるけれど、そういう店は混雑している。少ない店に、昼食を外で済ませる人達が集中しているのかもしれない。
川根町から大井川東岸の道を南進し、島田市へ入ったあたりの交差点にあった。すぐ近くには川口発電所や八幡神社があるが、全体的に寂しい場所だ。
お店は外も中も新しかった。できたばかりのお店なのかもしれない。
店内に入ったら厨房前で注文し、支払いも済ませてから席につくスタイル。
メニューは外にも店内にも掲げられているし、お店の人も一生懸命に説明してくれる。
焼いた豚肉の丼がサイズ別に数種類、それに豚汁がメインの定食と、それに焼魚などが付いた派生メニューがいくつか。豚丼には澄まし汁や漬物が付いてくる。
僕はいちばん小さな豚丼を選び、オプションで澄まし汁を豚汁に変更してもらった。
この店の定番商品を両方とも楽しめる選択だ。
豚丼は、かりっと香ばしく焼けた豚肉がとてもおいしい。甘辛い味付けだが、外食にしては甘さがあっさりとしていて好ましい。そして、ごはんのかたさがちょうどよかった。ご飯だけでも、この店は「当たり」だと思う。
薬味として添えられた紅生姜や山葵も良い感じ。
豚汁も、わざわざメニューで強調するだけあってすばらしい。家では作れない味と説明されていたが、確かにそのとおり。濃いめの味噌も、豚肉の煮えかたも、自分では真似できそうにない。
何も期待せず、「このまま島田市まで下ってチェーン店で済ませるのもつまらないな」くらいの気分で飛び込んだ店だったが、大当たりだった。
この豚丼のために、休日にドライブをしても良いくらいだ。
1年に1回か2回、仕事やイベントで用事がなければ絶対に通らない道だったから、今回は運が良かった。
しかし、なぜあんな場所で豚丼なのだろう?
全くわからないが、ともあれ繁盛してほしいものだ。