今日のおやつはレモンタルト。
午後に笠井珈琲店に行くことができたのだ。
席についてから少し悩んで選んでみた。
この店と今日のショーケースならば、順当にいけばバタークリームケーキかカボチャプリンにするところ。しかし、この店ではあまり食べないレモンタルトを選んだのは、本当に気まぐれ。あるいは、自分の感覚ばかり信用することへの警戒だったのかもしれない。
詳しくは書けないが、午前中に遭遇したトラブルが「手癖は世界を狭める」ことの見本じみたものだったので*1たまにはあえて違うものを選ぼうと思った…のかもしれない。
とにかく、普段とは少し違う基準で選んだレモンタルトは、予想以上においしかった。
この店の濃いコーヒーにもよく合う*2。
おいしいレモンタルトの多くはしっかりと酸味を効かせているが、この店のものは甘みも強い。クラシカルな味付けと言っていいと思う。それが今となっては新鮮なのだ。
良いケーキを食べている!と強く思わせる味。
繊細でも豪華でもなく、そしてアメリカンなカフェのそれとも違う「ケーキ屋のレモンタルト」として、とてもおいしかった。
京都や大阪の老舗喫茶店で食べたことがある、そんな錯覚さえ覚える味でもあった。
正直なところ午前中にどたばたして、気分は良くなかったのだけれど、今日はもうレモンタルトの日として上書きされたのだった。
いささか単純過ぎるきらいはあるが、すばらしいことである。