平和な水曜日だった。
打ち合わせに赴いた先は「事務所の空調が工事中」とのことで近所のマクドナルドに移動したら、「店内でプロモーション動画を撮影しますので移動してください」と言われて別の階へ移るなどしたが、それだってトラブルとは言えない。
ところで我が家には、焼き鳥の缶詰が余るほどある。
缶詰工場と付き合いがある親戚が箱買いをしていて、それを手土産として我が家に(箱入りで)持参するのだ。わりとまとまった数を、1年に何回か持ってくる。
缶詰というのは、うっかりすると数年は放置してしまう。賞味期限が長いから、防災用保管庫に入れたまま忘れてしまうのだ。
そして、賞味期限が切れたもの、あるいは近いものから頑張って消費していくことになる。
しかし、焼鳥の缶詰を普段から食べる習慣が無いため、消費もなかなか難しい。開けて温めて食べれば良いのだが、味付けが濃くて、いつもそのままというわけにはいかない。
今日は刻んだ葱と一緒にフライパンで炒めてみた。
缶詰はタレが多く肉が少ないため、たくさんの葱が主役となる。甘辛い味がなかなかおいしい。
それだけではさみしいから、炒り卵も添える。量はたっぷり、味付けは甘め。どちらかといえばスクランブルエッグや中華料理の炒め物のように、やわらかくまとまったものを作る。
葱と鶏卵によって、主菜として成立するおかずができた。これくらいなら5分でできる*1。
本物の、つまり串に刺して焼いた焼き鳥とは別の味だが、これはこれでおいしい。
ふと気になったのが、この焼鳥の缶詰の知名度について。
これ、世間ではどれだけ普及しているのだろうか。
一応は全国のスーパーマーケットで売られているようだが、四国の友人は「食べたことがない」と言っていた。滋賀県の知人は「テレビCMは知っている。食べた記憶が無い」と言う。
両親の育った清水区には工場もあり、地場産品といえるかもしれない。だから我が家では子供の頃から知っていたし、防災訓練でも配られていた。
今回の缶詰のように、年配の人は贈答品として使う習慣も残っているようだ。
焼き鳥の缶詰と同じ静岡市清水区の産品で「はごろも煮」という缶詰もある。
これはマグロの身を甘辛い醤油味で煮たもので、全体はフレーク状。佃煮にしては薄味だが煮物としては濃いめの味付け。シーチキン製造時に余った部位や切り屑を活用したものだと工場見学で説明された記憶がある。
シーチキンとはごろも煮は、子供の頃からよく食べていて、今はもう自分で買うことがない。飽きてしまったわけではないけれど、わざわざ買う気がしないのだ。
こういうことを書いていると、親戚*2の誰かが24缶くらいをどさっと持ってくるような、そんな気がしてくる。
シーチキンならともかく、焼き鳥やはごろも煮は味付けが濃いので、毎日ニコニコしながら食べるわけにはいかないのだ*3。
でもまあ、ありがたいことではある。
今の生活ではスーパーマーケットで買ってきた生鮮食料品を使い切ることにそれなりの工夫が必要だが*4それはそれとして日持ちのする食材は安心材料となる。いざとなったら缶詰をアレンジすれば一品が出来上がるというのは、その機会が少なくても心強いものだ。