所用により(土曜日だというのに)清水区の山のほう、梅ヶ谷や庵原と呼ばれるあたりに行っていた。
暑いなかどたばたして、気がついたら13時過ぎ。
なんとなくエスニック料理っぽいものが食べたかったので、Google Mapsに頼ってたどり着いたのが「ボン・フレール」というお店。
鉄道用コンテナを改造したテイクアウェイ専門店で、夏場はかき氷が有名なようだ。
ざっくりと作り込まれた店の雰囲気は、なかなかおもしろい。
隙のない小綺麗な南欧っぽさを狙ったわけではない、垢抜けない部分も含めて異国のようだ。
この店はバインミーも数種類扱っている。
メニューにも説明があるし、聞けばしっかりと説明してくれる。ちょっとおしゃべりじゃないかと思えるくらいに色々と話してくれるのだが、全く嫌な感じがしないのは不思議だ。こういうのが人徳と言うのだろう。親切が当たり前の人が、こちらのために語ってくれているのだ。押し付けがましくない。
そして注文を受けてから作ってくれるバインミーは、本当においしかった。
僕が注文した「塩レモンチキンバインミー」のメニューには、次のような説明がある。
スモークチキンにごま油ガーリックねぎをトッピング!最後にブラックペッパー!(レモンソース付き)
全てのバインミーには、なます、れんこんきんぴら、紫キャベツが入っています。
説明だけなら「日本の惣菜でアレンジしたバインミーかな?」と思える。
しかし食べていると「これはベトナムで食べた味だ!」と思えてくるのだった。
あれもこれもと大量に挟んであるところが、まずベトナムのバインミーそのものだ。
そこまでいろいろな味を混ぜなくてもいいのに…と思えるボリュームと複雑さ。そして写真うつりの悪さも、かの国で食べたそれと同じだ。
しかも、食べ進めていくと、それぞれの具材の味が順番に現れるのだ。大口をあけてもりもりと食べているのに、味はぐちゃぐちゃに混ざらないという不思議。
ベトナム旅行で食べたバインミーにれんこんのきんぴらが入っていたとは思えないが、でもこれはベトナム料理のバインミーそのものなのだった。
チープな感じのスポイトに入れられたレモンソースや、がっちりと包んでくれる包装紙も、異国っぽい。でも旅好き・輸入雑貨好き・ベトナムマニアっぽさが感じられず、あくまで自然体のオリジナルな雰囲気になっているのだからおもしろい店である。
次は好評だというかき氷を食べに行きたい。
かき氷も全て凝っていて、あの「しろくま」もある。
ちなみにメニューの説明をきちんと書くことができたのは、メニューの写しを1枚いただいたから。手作りチラシのようなメニューとはいえ、「そうだ、これどうぞ」と手渡してくれる店は珍しい。せっかくなので、このメニューは手元に置いておく。
仕事の合間の軽食のつもりだったが、思いがけず充実した昼食となった。
ちなみにバインミーは、とても大きい。
お腹いっぱいで、今夜は夕食を1時間ずらしたくらい。でも、その量も含めて大満足なのだった。