人間博物館 リトルワールド

先日行った「リトルワールド」について書く。
今日は平穏すぎて書くべきことがまったくないので。

リトリワールドは、愛知県犬山市にある野外民族博物館だ。ちょうど岐阜との県境にあって、敷地内で境界線を見ることもできる。

入口には大きく「人間博物館」とある。
観光施設ではあるが、とても立派な博物館だった。

名前だけはずいぶん昔から知っていた。
ただ、愛知や三重の知人達からは「子供の頃に遠足で行った」等の情報しか聞けない。熱狂的な声はSNSから伝わってくる。
なんとなく気にはなっていたものの、それだけのために愛知県の北部に行くのもためらわれた。

今回は三重県に行く前の寄り道として立ち寄ったわけだが、もっと早くに訪れていればと後悔している。
人間博物館という大仰な名前に負けない素晴らしい施設だった。

 

丘陵を使った各所に、世界各国の建築物が移築あるいは復元されている。
王族の家から農家、テントに神殿と、多種多様な建物を楽しむことができる。
移築した建物はもちろん、コンクリートで模倣した家々に至るまで、きちんと真面目に復元されていて楽しい。台湾の古民家には現代の住人がいるような家具調度が置かれているし、狭い階段は狭いまま。案内文も丁寧かつ簡潔ですばらしい。

そして、それぞれの国の展示の隣には、その国の軽食を食べられるコーナーがある。
価格は観光地にしては安いと思う。串焼きやケーキや飲み物を楽しみ、のんびりと廻るのが本当の楽しみかたなのだろう。
自分は他の目的地があったため、移動が早足になってしまった。もったいないことをしたと今も悔やんでいる。
それでも、ドイツやフランスやチリのスイーツを楽しめたし、アフリカの建物の脇ではワニの串焼きを食べた。いい経験ができた。

ちょうど修学旅行生が来ていて、どこに行っても賑やかだった。
民族衣装のレンタルも各所でやっていて、特に女子生徒は楽しそう。
写真撮影を頼まれた生徒たちには園内で何度も遭遇し、最後にはLINEの交換という話にまでなった*1。子どもたちはたぶん旅テンションで楽しくなっていたのだろう。
どういう風に断ろうかと思っていたら、引率の先生が止めてくれて助かった。自分は気軽に連絡先を交換する習慣が無いし、どうせお互いに気まずくなるだけなのだ。学校を卒業して数十年、久しぶりに教師に感謝することになった。

残念なところはほとんど無い。
どこに行っても、カルツォーネやフォルクローネや、よくわからないBGMが朗々と流れていたのは興が削がれた。素敵な新緑の風景が台無しだ。
今の季節は気にならなかったけれど、真夏や真冬はつらそう。ただ、周回用のバスがあるから、ひたすら歩かなければ問題ないだろう。

そういえば、入口の管理棟と土産物屋とレストランを兼ねる建物に入っていた展示室がすばらしかった。これだけでも一つの見処になるくらいのクオリティだった。
多くの人が通過しているようだが、万博公園の民族衣装館や浜松の楽器博物館といった「圧倒的な民芸品の量」が好きな人なら、ここだけで1時間以上は楽しめる。仮面がテーマの部屋などは、視界が全て世界各国の仮面に占められて、ちょっと寒気がしたくらい。ああいう場所は他に無い。

自分はそれほどたくさんの外国へ行った事があるわけではない。
でも、ベトナムカンボジアを観光した経験が、タイの寺院(の移築展示)を見ると生きてくる。南米や韓国や、アイヌの展示も同じだ。現地で見るのは最高の体験だろうけれど、愛知県で見ることだって嘘じゃない。

今回はリトルワールド以外に行きたい場所があったから時計を見ながらの散策となってしまったが、再訪したらゆっくり歩きたい。そういえば、犬山市も興味深い風景が多かった。

それが先日の旅行の1日目。他にも航空宇宙博物館と水族館にも行った。それは後日書く。

 

お題「気分転換」

 

*1:僕は展示を見るのに時間がかかる。学生達は寄り道が多い。結果として、同じ順路を辿ると、どこかで再開する。その再開タイミングは、僕があまいものを食べている時ばかりだったので、面白い中年男性だと思われたのだろう。「またケーキを食べてる!」と笑われた。

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