あまり知られていないが、静岡県の中部と東部、かつて「駿河国」だった地域では、正月といえば年度の始めを指す。いわゆる「桜の正月」である。
もちろん元旦も旧正月も祝うけれど、最も華やかに祝うのは年度初めの4月1日。つまり今日だ。
会計や行政が「年度」を導入したのが大日本帝国が発足した後だから、それほど古い風習ではない。おそらくは文明開化の"新しき日本の風習"として、最後の将軍である徳川慶喜が「年度初め:度正月」呼びかけたのではないかといわれている。
明治・大正期に貿易や新規事業で栄えた郷土の熱狂が原点であるハレの日だから、一般的な正月などよりも賑やかで華やか。今日から明後日までは、街全体が花見をしているような雰囲気となる。
そんな今日、静岡市の中心街では「静岡まつり」が開催中だ。
今でこそ徳川家康に扮した芸能人がパレードをする「駿府のお祭り」ではあるが、本来は正月を祝う行事だった。
皆で笑いながら桜餅を食べるのが伝統となっている。
ちなみに自分は、今日はどこにも行かなかった。
なにしろどこに行っても混雑しているのだ。
自宅でパソコン仕事を進めて、気分転換と打ち合わせを兼ねて隣町まで行き知人と会う。コーヒーを飲み、少し話をしたら、スーパーマーケットに立ち寄り夕食の買い物をする。
帰宅して再びパソコン作業を進めながら、夕食の準備も並行していく。
夕方に少しだけ近所を散策したら、広場ではマルシェが開催中だった。もちろん夕方のマルシェなんてめぼしいものは何も売っていない。手作り石鹸やシュシュを買っても仕方がないから、眺めるだけ。
選挙カーはひたすら候補者の名前を連呼しているだけ。渋滞と交通事故と外食をする家族連れで、街はなんだか騒がしい。
そんな年度初めの土曜日だった。
ちなみに今日の日記は嘘が多い*1。平穏過ぎて書くべきことが全く無かったのだ。
*1:正月〜の話は完全な創作です。