素敵な古本屋に行ってきた。
店の名前は「書肆 猫に縁側」という。
元はネット古書店で、最近になって古民家をお店にしたようだ。
まだグーグルマップには表示がない。
今日は朝から激務だった。
ひたすらパソコンに向かっていた。
なのに、世間は行楽ムードで明るくにぎやか。
午後になって少し時間ができたので、少しでも楽しい休日(半日)を過ごそうと、マルシェを開催中の静岡 城北公園に行ってみた。でも、マルシェは片付けムードだった。
僕は「そろそろ片付け」状態のマルシェに遭遇するのが得意なのだ。ふと思い立って立ち寄った時に、おいしい手作り焼菓子やコーヒーに出会える確率は2割以下。そういう星回りなのだろう。
しかし本好きの知人から新しい古書店の噂を聞いていたのだった。
城北公園から徒歩数分のところに、この「猫に縁側」がある、すごく良さそうな場所だと知人は言っていた。
そんなわけで駄目元で行ってみたら*1、今日は開いていた。
古い民家は、遠くから移築して長く使っていたものを改装したそうだ。
とても雰囲気が良い。
本はサブカルや昭和の雑誌、小説や料理本も少しずつ。レコードやCD、レトロな雑貨も少し。
すべて低い位置にまとめられていて、本でぎっしりというよりも精選されたものだけ並んでいる感じ。珍しいところでは、つげ義春のグッズなどもあった。
そして、もちろん猫がいた。
この猫が素晴らしかった。
太っても痩せてもいない和風な色合いの美形な猫。
丸い目を開いて、じっとこちらを観察している。
べたべた甘えるでもなく、逃げ出すでもなく、でも客に興味があるから一定距離を保っている。もちろん猫だから気まぐれにどこかに行ってしまうが、すぐにまた観察・警戒モードになる。
店主さんには甘えるが、客とは付かず離れず。その距離感はすばらしくかわいいのだった。そんな猫が、店の中や縁側みたいな廊下にいるのだから、うれしくなってしまう。
せっかくなので猫にちなんだ本を…と選んだのは*2ディー・レディー著 江國香織訳の「猫のダルシーの物語 あたしの一生」。昔どこかで読んだ気がするけれど、再読するのも悪くない。文庫本の装丁も良い感じだ。
というわけで、素敵な店に出会えたので、今日は良い日だ。
マルシェが空振りでも、帰宅前に買ったキウイが袋の中で潰れてしまっても、たいした問題ではない。
というわけで「あたしの一生」を読んでから寝る。小説は電子書籍がメインになってしまったから、紙の文庫本は久しぶり。
おやすみなさい。