朝から静岡県の西部に行き、資格試験に必要な講習を受けてきた。
自分の家から講習会場へ行くのは、なかなか面倒くさい。西部の山奥にあるので、車でも電車でも時間がかかってしまうのだ。上野に住む人間が高尾山に7:45集合するくらいの感覚が近い。技術系の講習は、やたらと朝が早いのが困りもの。
15:00には講習が終わった。
せっかく遠くまで来たのだからと、「いままでなんとなく行っていなかった有名な場所」に寄り道することにした。
それが今回の訪問先である「油山寺」だ。
静岡県西部、いわゆる遠州の名刹といえば「可睡斎」「法多山」そして「油山寺」が、遠州三山として知られている。
可睡斎はサービス精神旺盛だ。イベントも多いし、ご利益がある仏教的オブジェクト*1が盛りだくさん。
法多山は古い森の中を歩いて参拝する、大規模だが清厳な雰囲気。伊勢神宮や熊野大社を思わせる空気がある。そして世界でいちばんおいしい団子が売られている。
その2つの寺に比べると、油山寺はいささかキャラクターが"薄い"気がする。
観光地としてもマイナーで、ローカルニュースに登場する回数も少ない。
行ってみてわかったが、リッチでポップな可睡斎と、リーンでクールな法多山の中間路線を取っている感じがした。
規模もこぢんまりとしているし、見物客も少ない。小さな稲荷社や地蔵堂が点在していて、四国八十八ヶ所巡りの代用みたいな石仏群もある。だけど、全部を巡って説明を読んでワイワイとご利益を期待するようなアトラクション性には欠ける。西日本ならば、これくらいの真言宗の寺は珍しくない。
とはいえ、境内の雰囲気はすばらしい。山の中をゆっくり歩いていくと、気持ちがどんどん静かになっていく。道も歩きやすいし、沢や切通しもあって飽きない。
足の病気や目の病気に効く神様を祀っているせいか、絵馬は切実なものが多かった。そういうものを読むのは不躾かもしれないが、ぶら下がっていればつい読んでしまう。
なんとなく今まで行く機会が無くて、たぶん今後も繰り返し訪れるような場所ではない。
でも、確かに良い場所だ。秋の紅葉は見事だというが、自分はこの冬の風景だけでも大満足だ。
しかし今日はとにかく寒かった。
体調を崩したりはしないけれど、スーツにコートでは風が冷たい。風邪こそひかなかったが、車に戻った時には鼻風邪気味だった。
実は明日も朝が早い。
なので寝ます。おやすみなさい。