2つの聖地 山梨県身延町 久遠寺など

午後に山梨県身延町に行ってきた。
仕事関係の打ち合わせと作業、その合間に昼食や散策と、なかなかに忙しい。でも、楽しい数時間だった。

身延町といえば、身延山久遠寺。静岡に住んでいれば桜の開花や祭のニュースでおなじみだが、僕は今まで立ち寄ったことがなかった。先日、創価学会*1の問題について古書を何冊か買って興味もあったので、この際だからと短時間だが立ち寄ってみた。車ならば、山門から門前町を歩く必要もなく、寺の敷地のすぐ横に停められる。

 

すばらしい古刹に、新しい建物が綺麗に組み合わさっている。
境内は歩きやすく、ちょっとした段差や階段にもエレベーターなどのフォローがある。斜行エレベーターなんて便利な設備もある。
山寺なのにここまでサービスが良いのは、現役の"総本山"だからだろう。

信者さん向けのお経と、お坊さん達の勤行みたいなもの、工事の人たちの働く声などが合わさって、静かなのに活気もある、不思議な雰囲気だった。

今も生きている、現役の宗教施設…ということで、なんとなく四国のお寺を思い出したのだった。四国にはお遍路の伝統があるので、山深い場所にある寺でも、きちんと人が来ることを想定したつくりになっていた。

ロープウェイに乗れば、かなり高いところにある奥の院にも10分かからず到着してしまう。ここは静かで見晴らしが良く、とても気持ちが良い場所だった。
自分が訪れた時は16時が近く、山はそろそろ薄暗くなる頃。富士山も南アルプスも、甲府盆地も、全てが黄色っぽい光に照らされていた。
ここで食べた団子もおいしかった。焼団子に胡桃味噌が付く串団子で、歯ごたえがあって素晴らしい。眼下に蛇行する富士川を眺めながら、ひとりでぼうっとする時間だった。

 

そういえば、今日はJR身延駅前で遅めの昼食を食べたのだった。
その時に「にいさんは聖地巡礼…じゃあ無さそうだね。ふふ」と店の人に声をかけられた。ちょっと考えて、「ああ、ゆるキャン△か!」と気がついた。

ゆるキャン
キャンプと女の子を組み合わせた漫画やアニメの舞台が、ここ身延町という設定だった。
自分は漫画を借りて読み、映画を観た。映画はなかなかおもしろかった。
だけど、店でトンカツ定食を食べ、訪問先で仕事をしている時には、この作品のことをすっかり失念していたのだった。

とはいえ静岡から山梨にかけては、どこに行ってもゆるキャンのポスターやキャンペーンのチラシがあるので、もう当たり前になってしまっていた。たぶん行政や観光組合も使いやすい作品なのだろう。良い作品だとは思うけれど、「ご当地アニメ」としては偏在し過ぎている。
自分としては「富士川沿いの架空の町」くらいの認識だった。確かに特徴的な身延駅前商店街が出てきた気はするけれど、自分にとっては身延といえば久遠寺日蓮宗である。

 

そしてもちろん、日蓮宗にとっては、ここは聖地なのだった。
無宗教者である自分にとっても、良い宗教の土地として堪能できた。

 

 

お寺を散策した後は、訪問先で仕事の仕上げ。
すっかり遅くなってしまったが、1時間と少しで帰宅できたのは有り難い。県内だって、もっと移動に時間がかかることも多いのに。中部縦貫自動車道と新東名を便利に活用できた。

 

 

思いがけず歩いて、今になって足が痛い。
身延町久遠寺も楽しかった。きちんと時間をとって、休日に再訪したい。門前通りも、鄙びてはいるが良い雰囲気だった。宿坊にも泊まってみたい。

 

お題「気分転換」

*1:同じ"日蓮系"ではあったが、日蓮宗から破門されて、今は交流が無い。

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