綿飴の味

山の向こう側で花火の音がする。
雲が時折、明るくなる。そうでなくても満月で明るい夜だが、なんとも賑やか。

でも、僕の住む田舎のほうは普段と変わらない。
先ほどスーパーマーケットで、食材をまとめ買いしてきた。今日は10日。ゼロの付く日は会員様感謝デー。

 

ところで今日は、近所のちびっ子から綿菓子を貰ったのだった。
正確には、ちびっ子の親御さんが、1袋くれた。

実家のほうで秋祭りがあって、大量に余ったものを貰ってきたそうだ。家にあると子供たちが全て食べようとするから貰ってくれないか…と言う。

断る理由もないから、まだ封を切っていない綿菓子を1袋いただいた。
袋の絵柄は、薄いイエローベージュに水引みたいな赤いラインが入ったシンプルな文様。
こんなに渋い綿菓子の袋があるのかと驚いた。アニメや漫画のキャラクターが普通だと思う。
無印良品プロデュースの村祭りなのかもしれない。

味は…甘い。
なんというか、砂糖を舐めているような味だ。

甘いものは大好きで、今日の昼にもインドのシロップ漬けドーナツみたいなグラブジャムンを堪能したのだけれど(シロップも舐めちゃった!)、この綿菓子の甘さはちょっと違う。「甘っ」と、どこか否定的に思ってしまった自分に驚いた。
「甘い!嬉しい!大好き!」ではない、まるで大人の人がケーキを食べて「甘いねえ」というような、ほんの少しネガティブな、そして言っても仕方がない言葉。そういう心と身体に自分が変わってしまったことは、やはり残念なことだ。

 

最近はドーナツだって沢山は食べられなくなった。
特に白砂糖がまぶされているようなものは1個で十分で、2個目や3個目はココナッツやチョコレートチップ(とてもヘルシー)の付いたもので味を変えていかないと、ちょっと大変になっている。

 

 

小さな子供が譲ってくれた綿菓子で、自分の甘党体質の変化、つまり老化を自覚する。そんな秋の夜。
開けてしまった綿菓子は、ちびちびと食べている。ふわふわの見た目以外は砂糖だなあ、と食べるたびに思う。濃いめのコーヒーには合うけれど、夜のおやつにはふさわしくないような気もしている。

 

お題「大好きなおやつ」

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