通り雨と、夜の散歩と、傘の消失

ようやく元気を取り戻した。
しかし世間はそれほど元気では無いようだ。
臨時休業や時短営業の飲食店も増えてきた。相変わらず耳鼻咽喉科は「重篤な変化が無ければ来ないで欲しい。処方箋は出すから」とのこと。通販の配送が遅れたとか、スーパーマーケットでセール品の遅配があったとか、いろいろと新型コロナ関連のトラブルも聞く。

というわけで、買い物はできるだけ、人の少ない夜に行う。
夕食の片付けをしてから、散歩を兼ねて近所のスーパーとドラッグストアに行ってみた。重いものは車でまとめ買いをするが、それ以外のものは歩いて買いに行く。そのために、夕食では補充品や必要なものを話題にする。
昨年の夏と同じ行動パターンだ。違うのは、家族が入院して、父と二人暮らしになったこと。

僕は、足元を中心に半径2.2mの距離をかなり正確に認識できる。昔、仕事の関係で身につけたスキルだ。狭い屋内では難しくなるが、平坦な屋外ならば、それなりに自信を持って距離感の"円"を思い浮かべることができる。

これが今の御時世には、なかなか役に立つ。
おおむね2mの距離をあけていればマスクをせず会話をして安全と、政府のWebサイトには書いてある。つまり、ごく普通に過ごすうえでは一応の安全が確保できる距離が2mと理解できる。そこで2.2mの目測ならば、1割前後の余裕がある。
うっかりマスク無しで会話することになっても、一応の安全は保たれるわけだ。この距離を保ち続けるのは難しいからマスク着用は外出時の基本装備ではあるが、夜に散歩するときには多少の楽ができる。

とはいえ、買い物の際には結局のところマスクは持ち歩いている。
ショッピング・モールまでの道は暗い田舎道だが、それでも不意に人が現れることはある。赤の他人とは会話をしないからマスクの必要は無いはずだが、しかし人間は意外と声を出すものなのだ。携帯電話を使っていたり、ため息とともに「あっついなあ」と声を出す人は珍しくない。ジョギングやウォーキングで荒い息の人もいる。
特に田舎の夜道というのは誰もが無防備になっているから、こちらは準防御態勢くらいでちょうどいい。

それになにより、行き先はスーパーマーケットやドラッグストアや100円ショップやホームセンターなので、到着すればマスクを着けるのだ。
結果として、常にマスクは持ち歩くことになる。そして、視界に誰もいない状態かつ一本道の場所以外ではマスクを着ける。

 

 

新型コロナ対策は色々と変わったようだが、夜道の歩き方としては、2年前と同じ。
まだ四国に住んでいたときも、もわっと暑い夜に、手首にマスクを通して、こうして夜の買い物をしていたのだった。

当時はこんなに長引くとは思わなかった。静岡の実家で暮らすことになるとも考えていなかった。他人とはどれくらいの距離をとればいいのかも不明だった。「できるだけ距離をとる」から「2mくらい離れる。あるいはマスクを着ける」と明確になったことは進歩ではあるが、何も嬉しくない。ただ「困ったものだなあ」と思うだけだ。

しかし今日は散々な日だった。
傘は盗まれるし、建物から出ようとすると通り雨に遭うし(3回もだ!)、新品のマスクはヒモが切れた。
月の初めに買ったばかりのTシャツは2回目の洗濯で謎の鈎裂きが発生した。
ただし、頭痛や耳の痛みが和らいだことで、気分は晴れ晴れしている。単純なものだ。

 

 

お題「気分転換」

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