今日も家族の大病に関する諸々に関わっていた。
いろいろ大変。そして、ブログに書けることがない。
というわけで、少し前に見た映画「ゆるキャン△」について書く。
ずいぶん前に、漫画とアニメは見た。
その頃の勤め先の社長が、この作品の大ファンだったのだ。アウトドア好きとはいえ60代の経営者が強く勧める作品、そして自分の行動範囲(日帰り旅エリア)が舞台となることが多いから*1、ちょっと興味を持って、まとめて見たのだった。
のんびりして楽しい作品だった。
漫画は絵に癖があり、アニメのほうが楽しみやすかった。
田舎の高校生数名がキャンプを楽しむ…というだけの作品なのだが、かわいらしい絵柄とは裏腹に思考が大人(中年)っぽい。
道具に凝り、旅先での食事にこだわり、行楽地を満喫する。
高校生の部活だというのに、揉め事やすれ違いが皆無だったのが印象に残っている。
劇場版は、彼女たちが成人してからの話。
就職し地元を離れて頑張っている主人公達が、地元の山梨県にキャンプ場を作ることになり奮闘する。
となると普通のドラマならば、職業人としての葛藤、環境による価値観の違い、変わっていくことの寂しさなど、感情のぶつかり合いが起こるものだ。
しかし「ゆるキャン△」らしく、物語はあくまで優しく進んでいく。
もちろん映画だからトラブルも起こるし試行錯誤もするけれども、絶対にギスギスしない。周りの大人達にも"敵"になる人物は一人もいない。
特に主人公の一人は、高校生のように天真爛漫に仕事(アウトドアショップ店員)と独り暮らしを楽しんでいる。あまりに順調すぎて、「いつ"事件"が起きるのか」と勘ぐってしまったくらい。
つまりは絵空事である。こんな20代前半があるものかと思ってしまいそうになる。
でも僕はとても感心したのだった。
揉め事を設定するほうが、そしてトラブル後の成長を描くほうが簡単なのだ。だけどそれでは「ゆる」くない。
変わらない大切な何か…みたいな曖昧で崇高な概念ではなくて、「キャンプと友達が楽しい!」をひたすらに映像にしていくことで、きちんと、この作品として大切なものを描くことに成功している。
実は、漫画もアニメもずいぶん昔に鑑賞したので、キャラクターの名前や性格も曖昧になっていた。
今回、映画館で見た理由は、上に書いた社長に再会した時に話題にしたかった事と、従姉が劇伴音楽に関わっていたから。
そして、有効期限間近の無料招待チケットが手元にあったことも理由のひとつ。
そういった、いささか熱意に欠ける鑑賞姿勢ではあったが、存分に楽しめたのだった。
特に「持ち味を活かす」という観点では、出色のアニメ映画だった。劇場版によくある「特別な、感動の涙」さえ求められるシーンが無くて、まるで漫画やTVアニメの印象をそのまま豪華にした作品だったから。
最近は親の大病に合わせて県内を右往左往している。
この映画も、その合間に観た。慌ただしいけれども、よく知らない土地で2時間をぼんやり過ごすよりも、ちょうど重なった上映時間に映画を見るほうが何倍も有意義なのだった。
ちなみに今日は、待ち時間を活用してコインランドリーで冬用のカーペットを洗ったのだった。特に楽しくはなかったです。