親の知り合いの、お葬式があった。
僕にとっては赤の他人。親戚でも何でも無いのだが、父の知人であること、その父が足を痛めて外出が難しいということで、僕が香典を渡しに行ったのだった*1。
無宗教の”お別れの会”が多い昨今では珍しい、お寺を使ったお葬式。
しかも、大きな本堂での読経・儀式に加えて、渡り廊下を使って故人の紹介を行うという、オリジナル要素もある面白いお葬式だった。
僕は挨拶だけするつもりだった。でも当たり前のように中に案内され、焼香をすることになった。何度やっても慣れない焼香だが、入口脇に8インチタブレットを使って「焼香動画」が流れていたので、失敗なく済ませることができた。
喪服は用意していたのだが、どういうわけかネクタイが見つからない。なのでお寺に行く前にイオンへ立ち寄って、安い黒ネクタイを買ってきた。
イオンには日常生活に必要なものが全て揃っている。非日常だけが皆無なのである。
冠婚葬祭だって、伝統に則り粛々と行う分には日常の一部だ。
そういえば、冠婚葬祭に関わらないプライベートなネクタイを、もう10年は買っていない気がする。仕事で締める機会は少なく、出張や研修以外での出番といえば就職活動くらい。なので、地味なものが数本あれば事足りるのだった。
今日は自転車柄のネクタイを見つけた。
衝動買いするほどではないけれど、必要があって買うならばあのネクタイがいい。でも、そういうものは、次に探しても見つからないものだ。たぶん、来週に買いに行っても無い。そんな気がする。
*1:正確には、友人代表として父の元に集められた香典を、僕が届けることになった。