ママチャリに乗って車道を走ってみた

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頼まれて、親戚の自転車をメンテナンスした。
隣町にある親戚宅まで車で行き、自転車に乗って自宅へ戻り、そして分解清掃。組み上げてから試運転を兼ねて返しに行く。そういう流れで、古びてきた自転車をぴかぴかにする計画を実行したのだった。

自転車は、いわゆるママチャリである。
3段変速で、前カゴとリアキャリアがついているタイプ。一昔前なら1万円と少し、今なら3万円くらいで買えるもの。

普段乗っている自転車に比べると重い。サドルやハンドルのせいか、全体にもっさりした感じだが、意外とスピードは出る。

もう1つ以外だったのがメンテナンス性。
日用品なのに整備は面倒だった。
ひとつのネジ穴とボルトで多くのパーツを固定してあるから、再組み立てが面倒。穴を開けるのもボルトを増やすのも、コスト増に繋がるから仕方がない。特に後輪の軸はパズル状態で、これではパンク修理も一苦労である。
数年間をメンテナンスせずに使い、その後は小さな不具合を抱えたまま乗り続ける、そんな使い方が想定された設計となっている。ママチャリユーザーは、誰も分解なんてしないのだ。

とにかくチェーンは洗浄し、タイヤチューブやブレーキパッドは交換し、必要な箇所には注油をして、ついでにハンドルのグリップも付け替えた。ミラーも追加した。おそらくは購入時よりも良くなったはず。

 

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興味深かったのは、往復の路上の出来事。
いつもの癖で、普段の自転車のように車道を走ってしまった。
そのときの他者の反応が、趣味の折りたたみ自転車やクロスバイク、そしてロードバイクの時とは全く違うのだった。

車道といっても左端である。いわゆる軽車両としての走行ゾーンは、車道の白線の右側、車が走る部分の左端が基本。あれば歩道の端を走るし、可能なら路側帯の左側も通りたいけれども、前者は田舎だと少ないし、後者は田舎道では整備されていなくて危険きわまりない。

なので概ね、車道の端にある白線の少し内側(右側)を走行することになる。
すると、車からのアピールがすごいのだ。
ラクションもあったし、幅寄せもされた。仕方がないから、最後は車の通らない道を選んで遠回りしたくらいに怖かった。こんなにガラの悪い土地だったかな、と驚いたくらい。

クロスバイクロードバイクでは、ここまでドライバーからの”アピール”はない*1
ママチャリと同等または遅いことも多い折りたたみ自転車でも、自動車は避けてくれる。


しかし、ママチャリで車道を走るのは「許されない」のだった。
十分な幅がある道路であっても、である。
乱暴に言ってしまえば、日本の田舎においては、ママチャリは歩行者なのである。
だから学生が並走していても、わざとゆっくり走っていても、歩道の真ん中を走っても、問題とされない。歩行者がいる横断歩道をロードバイクが駆け抜けたら大問題だが、ママチャリで押して歩いたら変な顔をされる。


これはなかなか興味深くも色々と考えさせられることであるよ…と思いながらペダルを回したのだった。
この件、書き始めると「日本人とは…」とか語りそうになるから、今日の日記はこれでおしまい。

お題「わたしの癒やし」

*1:車道を走るロードバイクを目の敵にする”怒りっぽい人”はいるけれど、基本はレアケース。明らかに「おかしな人」や、オラオラすることが日常の人達に限られる。

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