お正月3日目 島田の小饅頭

所用で静岡空港へ行ってきた。
といっても飛行機にも乗客にも用事はなくて、知人と物の受け渡しをしただけ。広い駐車場があって、両者の中間地点で、数年に1回しか会わない相手との待ち合わせ場所にはちょうどいい。
ちなみに正式名称は「富士山静岡空港」。でも地元の人は「富士山」を付けない。特に富士山がよく見える訳ではないので。

四国に住んでいた時は、最寄りの空港は高松空港だった。
仕事でも旅行でも何度も使った。地方空港としては有数の*1離発着数を誇る空港で、飛行機も人も途切れない。
高松空港に比べると、静岡空港は本当にさみしい。1時間ほど滞在しても飛行機なんて飛ばないし、正月のわりに人も少ない。基本的に、新幹線が便利なのだ。
何年経っても「田舎にできたばかりの新幹線駅+地域振興PR施設」の趣を保っていて、これはこれで嫌いではないのだが。
ともあれ、高松空港の雰囲気に慣れてしまっていたので、久しぶりの静岡空港はちょっと異様な感じがした。

 

 

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せっかくなので、帰路に島田市へ寄ってみた。
大井川の河川敷にあるランニングコース周辺を自転車で散策し、そのまま「アピタ島田」で買い物をする。
アピタ島田」は大型スーパーというかショッピングモールというか、そういう場所。田舎によくある巨大なイオンモールに比べると、ずいぶんとこぢんまりとしている。
屋上駐車場には雑草が生えているし、敷地内のアスファルトは凸凹で、店内も端のほうにいくと古くて寂しい感じ。平日の昼間に行くと、客も店員も少なくて奇妙な落ち着きがある。
寂れているわけではないけれども、イオンが全国を制覇する前の空気を残す貴重な場所だ。もっと田舎に行けば寂れたモールや大型スーパーはいくらでもあるけれども、ああいうだだっ広さと安っぽさとは違うのが「アピタ島田」である。
家からは遠いけれど、なんとなく近くを通ると立ち寄ってしまう。
不思議な場所だ。

 

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そのアピタで買ったのは、清水屋の小饅頭。
清水屋といえば「黒奴」が有名。繭形にまとめた漉餡を、昆布風味の羊羹で固めたおいしい和菓子だ。
今日はもう一つの名品である小饅頭を買ってみた。

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名前の通り、小さな酒饅頭である。
だいたい一口サイズ。好きな人ならおやつに3個は食べてしまうだろう。天皇陛下に献上して喜ばれたというエピソードがある。袋にも賜天覧と誇らしげに書いてある。

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手土産コーナーに売られている和菓子としては珍しく、賞味期限が1日しかない。
袋の裏には、舌代として固くなった時の食べ方が並んでいる。蒸しなおす、鉄網(テッキ)にて焼く*2、天ぷらにしろ、と方法は色々あるようだ。

でも心配無用。寸法も小さいが、味もしつこくなくて、どんどん減ってしまうので、残ってしまうよりも足りなくなる心配をしたほうがいい。僕はあらかじめ、翌日以降の分を冷凍しておく。

天津甘栗みたいな紙袋に、饅頭がそのまま入っていて、折った口をシールで封しているだけ。原材料もシンプル。
形も味も奇をてらわないのに記憶に残る、良いお饅頭である。
機会があったら買ってみて欲しい。

小饅頭はさすがに日持ちが…という人は黒奴を強くおすすめする。個人的な静岡土産ベスト3に常連の素晴らしいお菓子。見た目が地味だが、それもまたよし。
本店は島田駅前、でも静岡県内ならキオスクやデパ地下、サービスエリアでも見かけるし、東京や名古屋のデパートでも手に入る。

静岡県に住んでいても知らない人もいるけれど、良いお菓子です。

 

結局、まだ初詣もしていないし、友人に会うようなイベントもないし、うすらぼんやりとした正月三が日を過ごしてしまった。寝正月というほど寝てもいない。
良くもないけれど悪くもない。後悔もない。そんなお正月でした。

 

お題「ささやかな幸せ」

*1:たぶん日本一だったはず。

*2:好みで醤油をつけよ、と書いてある。

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