静岡市葵区、千代田のカレー屋「インド」にて昼食。
老舗というか昔からある店、でも自分にとっては行く機会がなかなか無くて気になる店。それがインド。
インドとはいうが、カレーにインド風味は皆無である。
カレースタンドというか喫茶店というか、要はエスニック要素皆無な日本のカレー。
おしゃれな要素が皆無の、でも地元の人達からは愛されているであろう専門店である。
平日の昼は12:00頃に混雑して、12:45には楽に座れるようになる。
メニューあるいはシステムは「CoCo壱番屋」に似ている。ただし、老爺1人で作っているから、いくぶんシンプルである*1。
まず、基本のカレーが数種類*2を選んでから、多種多様なオプションの具材を選択、さらに辛さやご飯の量も調整できる。
驚くべきことに「ナン」もある。でも注文している人には遭遇できなかった。
さらにカレーにスパゲティ150gを添えるランチセットもあるようだが、完全に「がっつり食べたい人向けランチ」の扱いで、僕にはいささか多い。
今日は初めてということで、ランチタイム限定のランチ・カレーにしてみた。
ランチ・カレーの場合は、カレーに小さなサラダが添えられ、オプションの選択肢が狭まってしまう。でも安い。
ちなみにオプションを3種類以上選ぶと怒られるらしい。実際に、細々と注文をつけていた人が注意されていた。
愛想はなく怖い感じの老店主だが、基本的には親切である。ただ、店員の女性にだけぞんざいなのは気になってしまった。あの年齢の男性なら珍しくはないけれど、それでも狭い店で特定の相手だけに厳しい口調が飛び交うのは嫌なものだ。
ともあれランチのカレーはこんな構成にしてみた。
- カレー(辛さレベル2)+ハンバーグ
- ごはん:-100g
- オプション:肉だんご
なんだか小学校高学年が喜びそうな組み合わせである。
辛さは「大辛」と表現されていて、しっかり辛いけれども、周りのお客さんは5段階や7段階を普通に注文していたので、レベルを増やしても激辛に挑戦という程でもないのかもしれない。線形に辛さが増えていったらレベル9では大変なことになるから。
僕はなんとなく(物珍しくて)肉だんごを選んでみたが、周囲のお客さん達は全員がタマゴ系のオプションを選択していたのも気になる。スクランブルエッグや目玉焼き、生卵の乗ったカレーがどんどん運ばれていた。
さらに、当たり前のように「やさい」が選択されていた件も興味深い。具が見えないさらっとしたカレーだったから、「やさい」によって具入りのカレーが完成するのだろう。
果たしてこのカレー、なかなか満足できるものだった。
チャツネというより福神漬け的な、もっというとウスターソースのような酸味が感じられるカレーは、懐かしい味わい。辛さも程よくて、安心できる味。でも家では作れないと思う。
そういえば大学生になって初めて都会で食べたカレーがこんな感じだった。学食ではなく、おしゃれな店でもこだわりの店でもない普通の店に飛び込んだときに出会った味。街の人達の日常食というか。なかなか田舎では出会えない味だった。
ごはんの量も、減らして正解だった。
ハンバーグも普通に1食分のサイズだったから、たぶん通常サイズだったら食べすぎだったはずだ。100g減らしてもお腹いっぱいだった。
ランチカレーではなく、普通のメニューで色々とオプションを増やしても*31000円程度、ランチなら700円で満ち足りた気分になれる。今どき珍しいお店かもしれない。僕が運動部の高校生だったら、足繁く通っただろう。
気楽で手軽、膨大な組み合わせから自分なりのメニューを組み立てることができる日常の外食…と連想するのは、四国は香川県における讃岐うどん店。かの地における地元民の平熱な具合が、「インド」の客にとても近かった。
そんな「インド」のカレー。
店を知ってから20年近く経つはず。特に何かあったわけではないが、今回立ち寄れて良かった。個人的に色々と気になるので、また外食の機会があったら行ってみようと思う。
書き終えて思ったが、これ完全に「孤独のグルメ」である。
しかし仕方がないだろう。僕の昼食は90%以上が孤独である。