熱海 MOA美術館

もう一週間前になる熱海への観光旅行。
2日目に訪れたMOA美術館について書く。

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子供の頃から数えると3回は行っているMOA美術館。
今は当たり前になった、建築物そのもの、あるいは見える景色や建物の規模にも価値を置いた美術館。いや当時だって美術館の設計と意匠には意味合いが込められてはいたが、少なくとも私設の美術館で「大きくて立派で豪華」な場所は希少だった。
いわゆる岡田茂吉コレクション*1よりも、美術館の見物を目的に訪れる人もいるくらいだ。
最近は建築物としての美術館特集なんて雑誌の定番ではあるが、このMOAは子供心にびっくりしたものだ。

 

 

特に印象に残っていたのが長大なエスカレーター。
斜行するトンネルに長いエスカレーターがあって、何度か乗り継いでいくとこれまた巨大なホールに出る。昔は電球とヒーリング・ミュージック的なものが組み合わさっていて、まずこのトンネルを登っていくのが導入部だった。
キラキラして豪華絢爛で、今の目ではいささかダサい。当時ですら、なんとも「昭和レトロ」な感があった。

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今回はこのトンネル側ではなく、山の上のほうにある入り口から入場した。
MOA美術館は熱海の山の斜面に建てられている。駅に近い下側に上記のトンネルがあって、そこをエレベーターで登ると美術館に到達する。僕は車で訪れたのだが、いきなり美術館の最上階にある入り口に案内されたわけだ。

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だから最初は、MOA美術館なのにエレベーターもトンネルも無いことに戸惑ってしまった。
そもそも建物がモダンでクリーンになっている。
まるでカーサ・ブルータスやPenの美術館特集に出てくるような、自然光に満たされたホールがあるのだから。大きなガラス越しに庭園と相模湾初島や大島も見える。
MOA美術館ってこんな感じだった?と思ったし、リニューアルの際にあの昭和センスのエスカレーターやトンネルは撤去されてしまったのかとも勘違いした。
建物を周遊していても、どこも隙なく現代的なのだ。古臭い部分なんて皆無だ。

 

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でもきちんとエスカレーターとトンネルはあった。
順路を巡って下の階に降りていくと、まず巨大なホールがある。万華鏡をホールに投影していて、なかなかおもしろい。MOA美術館のコレクションの大半が文化財や国宝だから、見栄えのするアート作品というだけでなんだか新鮮に思える。
そしてホールからは斜行トンネルが繋がり、もちろんエスカレーターが稼働していた。
昔よりも電飾は減り、一部に青色LEDランプ*2が這わせてある。もちろんヒーリング・ミュージックは流れていない。

それでもこの大仰なトンネルは、昔のセンスが残っている。もっと”近代化改修”できそうなものだが、あえて残したのかもしれない。

とにかくこのトンネルを降り、出入口*3を確認して、また同じ道を帰ってきたのだった。

 

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ちなみに企画展は、日本の茶道具コレクション。
一時期、会社の茶道サークルに出入りしていたこともあって、「さっぱりわからない」ということもない。大したものだなあ、と思う展示品もある。でもやはり地味というか、自分の守備範囲とは違う。作品に入り込むのではなくて、あくまで見物。
「いいものを見たなー」とは思うけれど、博物館で土偶を眺めるのと変わらない。

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f:id:t_kato:20211213224235j:plainともあれ素晴らしい美術館だった。
あちこちに椅子やソファがあって、のんびりできる。有名な歌舞伎舞台や、金の茶室も見応えがある。
それに、どこを眺めても景色が良いし、客層は落ち着いているし*4、雑多な温泉街とは違う熱海の見どころである。

 

 

この後は1時間ほど車を走らせてバナナワニを見にいったのだが、それはまた後日書く。

 

 

 

ちなみに今日は平穏な月曜日だった。
紅白なますを作っていて、ニンジンが萎れていたので大根だけで作ったら、まるっきり別物になってしまった。ニンジンなんて味も風味もそれほど大きな要素とは思えないのに、完全に別物。仕方がないので、甘辛く煮た干し椎茸と油揚げを混ぜて「煮なます」にしてみた。ご飯のおかずには、こちらのほうが食べやすい。

そんな1日。では寝ます。おやすみなさい。

 

 

お題「ささやかな幸せ」

*1:MOAはMokichi Okada Associationの略。世界救世教の始祖である岡田氏が集めた美術品を展示しているのがMOA美術館。

*2:ふた昔前に大流行した青い光のケーブルライト。

*3:かつての僕が利用していた出入口

*4:修学旅行生はいたけれど、漫画に出てきそうな「お嬢様学校」な人達だった。

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