熱海といえばハンバーガーやカツカレー。

今日は友人と自転車に乗ってきた。
清水区の三保半島を半周ほど。風は冷たいが、それでも手袋も要らないくらい。暖かい日だった。

 

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さて、先日の熱海旅行について書く。
旅の目的は美術館やアートイベントだった。朝夕の食事はホテルで食べたので、自分で選んだ外食は昼のみ。おいしそうなお店は色々あるけれど、今回はお手軽かつ老舗のハンバーガーやカレーを食べている。

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1日目の昼は喫茶店「ボンネット」で。ここは「熱海の昭和レトロな喫茶店」の定番。
食事メニューはハンバーガーとコーヒーのセットのみだった。昔はサンドイッチなどもあった気がするが、忙しさか*1新型コロナによる縮小営業中か、ハンバーガー以外は喫茶のみ。

注文を受けてから肉を焼く、というより肉を挽き始めるハンバーガーは、三島由紀夫のお気に入りだった。昔読んだエッセイでべた褒めしていた店がここと解った時は驚いたものだ。

確かにおいしい。
味付けはテリヤキハンバーグが近い。あれはマクドナルドが商品化したことになっているが、それ以前に成立していたようだ。ハンバーグを"つくね”と捉えれば、自然と甘塩っぱい醤油味になるのもわかる。
薄切りのタマネギやレタスは、食べる前に自分で挟む。パンは丸くてふわっとしている。

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いくぶん小ぶりなのは、旅行中の食事としてはありがたい。でもサイズの割に満足感が大きいハンバーガーだった。

子供の頃に1回は訪れた気がする。とはいえ、当時はもっと「昭和レトロな喫茶店」がたくさんあった。なにしろ昭和だったので、それが特別では無かったのだ。

 

 

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熱海の街は以前よりも賑わっていた。
昔ながらの土産物屋や干物屋は減り、都会にありそうな、別に熱海にある必要もなさそうなモンブランやプリンやクッキーのお店が増えた。
今後、横浜中華街や京都の中心街みたいな街になっていくのだろう。首都圏から近いし、実際に若い人達がたくさん並んでいた。
逆に駅から離れて海に近づいて行くと、そういった企画書の臭いがしそうな店は減り、居酒屋や風俗店が多くなる。正直言って寂れているけれど、古い建物にカフェやバーが入っていて、若い人がこだわりを見せているようだ。

そんな熱海の街だが、アートイベントのほうを巡るのに忙しくて、そして今はまだ食べ歩きをする気分でもなくて*2、店で買ったものをホテルで食べた。
「本家 ときわぎ」の黍餅は熱海土産の定番。日持ちはしない(3日間)が、おいしい餅菓子。100年の伝統は伊達ではない店舗と、懇切丁寧な接客。以前は店内で食べることもできた。

「ときわぎ」といえば羊羹が有名。僕は普通の小豆の羊羹が好きだが、柑橘類を練り込んだタイプもおいしい。果物を使った羊羹でおいしいと思える店は珍しい。
羊羹にしては甘さ控えめ、そして表面に糖の膜を作る今どき珍しいもの。

向かい側にある「常盤木 総本店」が、マカロン風最中とか色々と新しいことをしているけれど、僕としては「本家ときわぎ」のほうが好きだ。
ホストみたいな店主の腕組み写真パネルのある「常盤木 総本店」みたいな店は、別に熱海でなくても見つかるので。個性を出そうとして凡庸になってしまっている悪例だと思う。

そういえば、有名人や仕掛け人や若店主が腕組みした写真が熱海では目立った。ああいうノリが尊ばれる時代なのだろう。

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翌日の昼食は、これもまた老舗の洋食店「宝亭」。
観光地らしく不思議な内装*3ではあるが、スタンダードな「昭和の洋食屋」である。トンカツ、カツカレーが有名。
熱海で迷うと、なんとなくこの店に行き着いてしまう個人的な定番。安いし、平日にはそれほど混雑しない。地元の人も多くて、みんな静かに食べている。せっかくの旅行だからと気張った食事もいいけれど、これくらいの気楽さも悪くない。海鮮丼の類は地元にもあるから、わざわざ旅先で食べる気がしないのだ。

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他にもプリン・ア・ラ・モードを食べたり(写真無し)、お土産に蒸しパンを買ったりもしたけれど、なんというか「流行り物」からは縁遠い旅ではあった。
旅の主目的に引っ張られたきらいがある。

海沿いの観光地としてご馳走といえば魚介類ではあるが、なにしろ同じ県内だから特別なものはほとんどない。だから、海産物の類をわざわざ食べる気にならないのだ。ホテルの食事は正統的な「観光ホテルのごはん」だったけれど*4

 

 

 

お題「ささやかな幸せ」

*1:平日は老夫婦だけで切り盛りしていて、満席でもないのに余裕が無さそうだった。

*2:実際、多くの店が「お持ち帰りの品を食べ歩くな」と言っている。客はほとんど従わないが。

*3:火山岩を使った壁が印象的

*4:伊豆で採れない甘海老を使うのはなぜだろう。

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