静岡市葵区、静岡鉄道日吉駅から徒歩1分のところにある「桃園」は名店だった。
体裁は古い和菓子屋といった感じ。老夫婦が営む小さなお店には、季節の干菓子(半生菓子)やロシアケーキ、クッキーなどが並んでいた。
この店の人気商品といえばスイートポテトとプリン。多くの人は「桃園のスイートポテト」と記憶していたはずだ。
数年前にこの桃園は閉店した。
お店は建て替えられ、その後は「いずれ若者(親族?)が継いで復活する」と噂だけが流れたまま数年間。
それが、いつの間にか*1復活を遂げていた。
新しい店名は「ももぞの」。
以前のお店よりも、さらにこぢんまりとした、かわいらしいお店になった。
小さなガラスケースと、3人も並べばぎゅうぎゅう詰めの狭い店内。
扉は組子細工、看板はアイアンワークと小さいながらも凝っている。
今日はその「ももぞの」に行ってみた。
というか用事のついでに立ち寄ってみた。
始めは行列ができているかと思った。店の前に数人が並んでいたから。
でも実際は店内が狭く、かつ防疫上の配慮から1組ずつ入店していたせいで、店の前に人が何人か立っていただけだった。行列していたら諦めるつもりだったから、ちょっとうれしい。
とはいえ開店直後にしてはスイートポテトもプリンも数が少ない。
スイートポテトに関しては「焼き立て・冷ましているものが数個ある」と出してくれるほど。お客さんの多くはまとめ買いするのではないだろうか。
僕はこの焼き立てのスイートポテトを2個*2、それにプリンを1個買った。
まずプリン。
かなりしっかりとした”かため”のプリンに、さらりとしたカラメルソースの組み合わせ。カラメルソースは香ばしさが強くて、好みの味だった。
とても良いものを食べた気がして、しばらく良い気分が続いた。だからこれは良いプリン。
スイートポテトは、まだ温かいうちに1個を食べてみた。
冷たく締まった状態のスイートポテトのほうが好みではあるが、どう食べてもおいしいのが「桃園(ももぞの)」の品である。木の葉形のタルト台に収まった芋部分に何か秘密があるのだろうか。
もう1つは冷蔵庫に入れてある。後日のお楽しみ。
洋菓子ではあるが、濃い緑茶に合わせるのが自分なりのこだわりである。
そんな土曜日。
ようやく家族が帰ってきた。特に悪さはしていないが、一応は掃除や片付けをして迎え入れるのが留守を預かった(そして好き勝手過ごした)人間の務め。
なので午後はそれなりに忙しく、なんだか妙に疲れている。