プリンとティラミス

水筒も財布も忘れて自転車で駅前まで行ってしまった。
目的は郵便局だったから問題は無いのだが、いささか暑いし喉も乾いた。頭痛もする。
昼過ぎまで熱中症の警報も出ていたくらいだから、休憩も兼ねて国道沿いのファミリーレストランで小休止をすることに。携帯電話があれば支払いができる時代で良かった。

 

 

パスタ専門店みたいなファミレスだったせいか、夕方に客は僕しかいない。
ドリンクバーと、プリンとティラミスのプレートを注文した後は、完全に存在を忘れられてしまった。

「今のうちに練習しておこう」「謝ったってダメだよ。わからないことはすぐに聞いて」「ひとつ終えたらチェックする。家で家族にするのとはわけが違うんだからね」
そんな指導の声が聞こえてくる。
新人に責任者が何かを教えている様子。客を意識していないのか、言い方がずいぶんときつい。声も大きい。

そのうち、テーブルを使って「自分で間違いなくできると思うまで自主練していて。勝手に納得して間違えられたらみんなが迷惑するんだからね!」と、おそらくは夕方に混みはじめるまでの時間を使った、現場トレーニングまで始まってしまった。

嫌な感じだなあ、と思いつつも(なぜか)こそこそとドリンクバーをおかわりして、水分補給をしながら涼む。


コーヒーメーカーがメンテナンスモードになっていて、その旨を伝えたときには、なんだか僕まで報告の遅さを非難されているような雰囲気だった。
責任者らしき青年からは「いつからランプが光ってました?」と強めの口調で問われたけれども、正直いって覚えていない。1杯目のコーヒーを淹れたときには普通に使えたと思うのですけど…(敬語)と伝えたら、それじゃあ役に立たないなあ、みたいな顔でため息をつかれてしまった。


「招かれざる客」だったのかもしれない。
このファミレスでは、パスタやピザを注文しない人間は、このような仕打ちを受けるのだ。今回はプリンとティラミスを注文したけれど、もっと安いジェラート単体、あるいはドリンクバーだけだったら、僕も新人と並んで怒られていたはずだ。

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せっかくだから持ってきた小説を読み終えてしまうと思っていたけれど、こんなジョリーパスタではリラックスできない。プリンもティラミスもおいしかったとは思うが、特に印象に残っていない。
混み始める前に店を後にした。

 

夕方には「自転車で進んでいる間は気持ちが良い」くらいには気温も落ち着き、さらに少しの通り雨もあって、夜はなんとなく過ごしやすい。
でもたぶん明日も暑いだろう。どこにも行けず、夕方や夜に散歩をしていた昨年の夏を思い出す。

では寝ます。おやすみなさい。