きんつばを買いに 用宗 神尾きんつば店

夕方に気分転換も兼ねて、用宗まで「きんつば」を買いに行ってきた。
小さな港町である用宗*1。なぜか悪天候の時に訪れる事が多い。今日は西空に雷が光り、隣の市は通り雨に覆われているのが見えた。

駅からまっすぐ海に向かって歩き、少し迷えばそこが「神尾きんつば店」である。

小さな店構えで、いつも中年の女性と、奥に高齢の女性がいる。

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きんつば店というが、おでんも売られている。おでんは典型的なしずおかおでん。
夏でも冬でも、近所の子供が買っている。地元に根づいた駄菓子屋的な店なのだろう。
コンニャクの類も置いてあるけれど、理由は知らない。

きんつばは、厚くて重い。
寸法は大判焼き今川焼きより大きいかもしれない。その大半が粒餡なのだから、ずっしりしている。

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静岡におけるきんつばは3タイプ。昔は薄い円形が多かった*2。まさに鍔型。
最近は専門店でも直方体のきれいなものが多い。スーパーや和菓子屋にある、きちんと梱包されたものと同じかたちだ。
そしてこの、分厚い円盤型が、小さなお店で細々と作られている。静岡県中部において、僕が把握しているのはこの神尾きんつば店も含めて3店だけ。

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形状同様、味もいささか古めかしい。
昔ながらの粒餡は、甘みがとても強い。深蒸し茶を濃く淹れてちょうど釣り合う。大人なのでブラックコーヒーでもいい。今風ではないかもしれないけれど、でもこれが良いのだ。
香ばしく、よもぎの色が濃い皮とともに、1個で誰もが満足できる。
特別なきんつばなのだった。

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いつ雨が来てもおかしくない暗い空の下で1個目のきんつばを食べた。
家から持参したコーヒーを飲んで、芸術映画みたいな波を眺めて食べる。

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そういえば用宗には「オクトパス」というカフェバーがあったな、などと昔のことを思い出す。たこ焼きを出すバーで、倉庫みたいな店で、大きな猫が自由に歩いていた。
友人たちとオクトパスに行くときは必ず悪天候の夜だったので、店の場所が全く思い出せない。
それでも記憶を頼りに裏通りを歩いている時に、ついに通り雨が来た。今日の散策はこれでおしまい。残りのきんつばを持って帰宅した。

きんつばは、冷蔵庫に3個残っている。明日からのおやつに食べていく。思いつきで出かけたけれど、良い時間を過ごせた。

 

お題「大好きなおやつ」

 

*1:地味な難読地名・駅名でもある。もちむね、と読む。

*2:スーパーマーケットの店外に、焼き鳥や鯛焼きのように屋台が出ていた。