病院とリレーとダンス・チーム

昨晩から病院にいる。
朝一番に血液検査、そして点滴で身体に薬を入れて、様子を見ながらその量を増やしていく、というもの。
暇な時間がたくさんできるから、と電子書籍と文庫本をたっぷり用意していった。でも実際は意識朦朧*1として、文章を読むなんてまるで無理だった。

そんな数時間を過ごしてから再検査。
「うーんあと少し」との診断で、午後にまた点滴を行う。
「ほぼ良い感じ。だけどまた明日も頑張ろう」ということで、なんと今夜も入院することになった。

家の用事もあるので、一時帰宅をしたのが夕方。
ちょうど東京五輪聖火リレーが始まる頃で、普段とは違う場所に交通渋滞が発生していた。
買い物に寄った駐車場から車を出せない状態で、2ブロックほど離れた商店街で始まったらしいリレーを眺めた。
ちょっとした花火祭りくらいに、歩道には人が溢れていた。「大道芸ワールドカップin静岡」ならば、かなり人気のパフォーマーが芸を始めるくらいの人混み。

これで安心安全ならば、図書館や飲食店や映画館の「三密回避」なんて要らないじゃん、と思った。
カーナビをテレビ受信モードに切り替えると、ローカルニュースが「皆さん、声をできるだけ出さずに集まってくださってますね!」と褒めている。
ずんずんどこどこと無個性なダンスミュージックと、学生サークルみたいなダンス部隊が通るのは僕の位置からでも見えた。NTTやコカ・コーラのロゴがよく目立つ。
残念ながら聖火は見えない。ただ、ふざけて歩道を走る若者や子供達の姿で、たぶん聖火ランナーが通過しているのだとわかる。

もっと賢くオリンピックを進めていくのだと思っていた。
「県外への不要不急の移動は自粛願います」と主要道路には今も表示がある今の時代にあわせて考えたとしたら、そうでない頃に比べて「虚飾」の要素は多いはずだ。
たとえ地味でも、さみしくても、とにかく聖火は全国にまわして、それが無理なら断念してでも、とにかくスポーツ選手達が力を競うことだけを最優先に行う。もしスポーツマンシップやらオリンピック精神やらを尊重して、オリンピックで守るべきものを(建前だとしても)優先順位をつけて実行したら、今日の聖火リレーみたいなかたちには絶対にならない。

反対する人たちも驚くくらいに「普段とは違うオリンピックのかたち」を示せてはいない。だから主催者側が「絶対に大丈夫ですから!」と言っても、信用されない。実際、こうして人間が集まっている。

見物人の掲げたスマホの画面がこちらに向けて光っている。それを見て「クールじゃない」とぼんやりと思う。
警備や案内の人たちはたくさんいるのに、誰も人混みを解散させない。「この人たちは、感染予防とスポーツの祭典に本気で取り組んでいる」とは、どうにも思えない、そんな人混みと馬鹿騒ぎだった。

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とにかくそんな聖火リレーをやり過ごして、帰宅して夕食を済ませ、シャワーも浴びたあとに再び病院へ。
またベッドの上の人になった。
朝からの処置のおかげで肩も頭もずいぶんと楽になった。
「強めの対症療法を連続して行い、ひどい症状がさらに酷い状態を生む連鎖を断ち切る」のが今回の入院の要旨なので、楽になるのは良いことだ。
とはいえ大げさに過ぎる気はする。
そして、入院にしては元気であることも確かなので(家族の分の夕食を作るくらいには元気)、今とても暇なのだ。
とにかくそんな状況。誰もいないロビーみたいなところでこの文章を書いている。
書いたら寝ます。おやすみなさい。

 

お題「気分転換」

 

 

*1:朦朧というのは大げさ。とても眠くて集中できない感覚が近い。