家族は明日に血液検査があるとかで、夕食は早めに済ませていた。
僕の分は無い。なので簡単に作ることにする。
今日は鶏むね肉を買ってきた。家族はそれほど好きではない食材。硬いとか、ぱさぱさすると言って嫌がる。そういった要素も僕は好きなのに、躍起になって"しっとり”を目指す処理を試みる。家族だけでなく、本邦において鶏むね肉とはそういう存在なのだ。
そんなむね肉を今日はレモン煮にしてみた。
数年前に海外で食べた(機内食だった)味を再現したかったのだ。こういう非日常的な味を家族が好まないことも、今日作る理由のひとつ。
雰囲気としては、鶏肉のトマト煮込みからトマトを抜いてレモンに替えた感じだった。醤油などを使えばフィリピンのアドボやコーラ煮のようにも作れるけれど、あえて塩味にしてみる。
玉ねぎを切ってニンニクと炒め、片栗粉をつけた鶏肉も加え、適当に炒め焼きにする。レモンを半個分くらい絞って入れて、クミンと塩を入れて煮る。隠し味にウスターソースを垂らして風味をつける。最後に薄切りにしたレモンも入れて、さらに煮つめて完成。
なかなかおいしくできた。
遅い時刻だったから炭水化物は控えたが、これはご飯よりもパンに合うのではないか。パスタにも良いかもしれない。
びっくりするくらいにレモンを使ったのに、どこか馴染みがある味。マリネや南蛮漬けのような感じがする。
食べている途中に、塩と唐辛子を足してみた。しかも、失敗して唐辛子が多め。でも、これも悪くない。さらに油脂(オリーブオイルやバター)を足せば、さらに異国情緒が増すだろう。
しかし、目指す味が機内食で良いのだろうか。
たしかペルーの航空会社だったと思うが、かの地*1でこのような料理が食べられているのかも定かではない。あのあたりの思い出は「煮込み料理とステーキとサンドイッチとチーズがおいしかった」である。
ともあれ、予想以上にうまくできた。
鶏もも肉のほうが一般には喜ばれるだろう。ソーセージなど、しょっぱい食べ物を添えても面白いかもしれない。
*1:ほぼ乗り換えのみの滞在だったから、空港内とその周辺しか歩いていないし食べていない。