最後のお別れ

子供の頃にお世話になった人が亡くなった。
10年ほど前に引っ越すまでは、ずっと近所の人だった。
いわゆる”お隣さん“というのか、家同士の交流が続いていた。両親と歳が近く、子供の年齢もほとんど同じで、僕にとっては幼馴染の家でもある。亡くなったのは、幼馴染の親にあたる人。

昨今の情勢に鑑み、人混みを避けて最後の挨拶に行ってきた。
不特定多数の人が入れかわり立ちかわり…とならないように、1家族ごとに訪問するスタイル。普段は広い民間葬儀場も、今日はひっそりとしていた。

ご家族とも、少し離れた位置での挨拶や世間話をする。
関東に引っ越した子供とその家族は、どう工夫しても葬儀に立ち会えないという。自分は冠婚葬祭に重きを置かない人間ではあるが、それでも聞いていて辛くなってしまった。流行病のせいで親の葬儀に出られないなんて、しかも感染者でもないのに。

f:id:t_kato:20210107225619j:plain

亡くなった方の写真がパネルにしてたくさん貼られていた。
なかには、我が家が写っているものもある。僕たちと一緒に行った観光地やスキー場の写真もあった。

別に落ち込んではいない。
自分自身は、もう何年も会っていなかったのだ。どちらかといえば両親のほうが、この何年かは親しかった。寂しさと悲しさを抱えるほどの関係はない。
でもやはり、特別な気持ちになっている。普通に夕食を食べて、こうしてパソコンの前に座っていても、色々と昔のことを思い出してしまうのだ。

 

西の魔女が死んだ

西の魔女が死んだ

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 
西の魔女が死んだ (新潮文庫)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

 

お題「わたしの宝物」

 

t_ka:diaryは、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。