人間はトンカツの前では正直になるのだから

父親とトンカツを食べてきた。
他の家族は旅行中。
父も僕も料理はするけれど、なんとなく外出で済ませてしまおうという話になった。

お店は近所。
とはいえ家族で頻繁に利用する店でもない。
ただ、改装したとか、昼に食べたとかボヤが出たとか、家での話題にはなる、そんな店。

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そもそも父と2人での外食自体、滅多に無いこと。
特に、用事もないのに外で食べたなんて、前回はいつだっただろうか。

そんな、ある種特別な時間だったが、特に変わった話はしなかった。
映画だと、この状況なら非日常的な「父と子の話」が始まるのだが。
実のところ、心の中で緊張していたから、なんとなくほっとしている。別にシリアスな話題が無くても、人生は人生だから。

では何を話したのか、というと

  • 共通の知人の近況
  • とんかつおいしい
  • この店はGoToイートの対象店になるのか(ならない)
  • キャベツは機械で切っているのか

といった雑談となる。
父は飲酒するが、僕は飲まない。
まあ、家のダイニングで話す内容と変わらない。

 

ただ、帰路の車内で父が何度も言っていた。
「トンカツが小さくなった」

確かにそう、小さかった。
この店は、小綺麗な和食処風*1のトンカツ屋なのに、なぜか肉が巨大だったのだ。
ご飯や小鉢のサイズは普通。肉だけが大きい。味付けも仕上げも上品なタイプの店なのに、いささかアンバランスではある。それが小さくなった。

皿は昔のまま。だからより、サイズの縮小が際立っている。
僕はテーブルに料理が来たときに気づいた。

父もずっと、気になっていたのだろう。
味はともかく量について話す人ではないので、ちょっと意外だった。

しかし、僕も父も老いた。
小さくなったトンカツ定食(父はロースカツ、僕はチーズ紫蘇カツ)でも、お腹いっぱいになってしまった。
今は少し気持ちが悪いくらいだ。
でもまあ、良い夕食でした。

アメリカン・ブッダ (ハヤカワ文庫JA)

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お題「ささやかな幸せ」

 

 

*1:寿司屋っぽい。